No.29「冷めた視線」と…

Ed.ベン便りNo.29が発行されました。

 今回のタイトルは「『冷めた視線』と『分かち合いの知恵』?」です。
Ed.ベン便りNo.29 冷めた視線と分かち合いの智恵?←ダウンロードはこちらから(PDF)

 「戦後最長の景気拡大」という報道を目にした瞬間、思わず「ほんとかよ」という言葉が口を衝いて出ていました。
 私自身、戦後の高度経済成長が終わりかけた頃に生まれたので、本当に景気が良かった頃という世の中がどんなものかあまり実感を持てません。そう言えば学生時代の最後の最後にバブルの絶頂期だったような気がしますが、いかんせん学生の身分だったので、バブルに触ろうとした瞬間にバブルがはじけてしまってその旨味を知ることなく文字通り傍観していた記憶があります。ですから、今更ながらに「戦後最長の景気拡大」と言われても、「それはどこの国のことだろう?」と首をひねるしかありません。たとえ本当に景気が拡大していたとしても、頂けるものはさして増えもせず、それを上回るような勢いで取られるものは取られてしまううえに、僅かばかりに手元に残ったものはあっという間に羽が生えて他の誰かのもとにどんどん旅立って行ってしまいます。ですから、私としては「戦後最大の不安拡大」でもあります。
 将来への見通しが立たず、お先真っ暗とまではいかないまでも、お先不透明であるのなら、せめて身の回りだけでも、せめてほんの少し先の将来だけでも、自分にとって居心地よく、マイペースで暮らせるように、こじんまりとすることはむしろ自然な流れではないでしょうか。「戦後最長の景気拡大!」と必死にアピールしている誰かの背後に、私たちを急き立てているものの姿が、ぼんやり見えるように思えます。今回のEd.ベン便りはそんなことを考えさせてくれます。ぜひお読みください。

 また、前号に引き続き2月23日開催予定の教育講演会の案内も掲載されています。
 多くの方々のご参加をお待ちしております。