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8月4日に、東京理科大学の清水睦先生を講師に迎え、「ジェンダーを考える」として、学習会を行いました。ジェンダー、セクシズム、セクシャリティといった基本的概念を整理したあと、これらの日本の学校現場における現状についてお話しいただき、その後、意見交換を行いました。
2008年10月07日 理論学習会 8月の理論学習会の報告-「ジェンダーを考える」
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7月7日(月)、冨士見文化会館にて理論学習会を開催しました。『優劣のかなたに』の作者、苅谷夏子さんをお招きして、大村はまの実践についてお話をお聞きしました。多数の参加があり、次のような感想がよせられました。 ■今まで、大村はまさんの名前は知っていましたが、大村はまさんの実践について苅谷夏子さんの本を読み、実際に学んだのは初めてでした。そこで感じたのは、大きく二つあります。 一つ目は、大村はまさんの子どもとの関係作りに関してです。大村はまさんは、子どもと「本気の言葉を使う関係」になることで本物の人間関係をつくったということでした。いつも、しっかりと子どもを見て、ベストのタイミングで本物の言葉をかけるということで、いつもの子どもとの違いを敏感に気付けない私にとっては、しっかりと日頃から注意して見ること・本物の言葉、すなわち心からの言葉をかけることの重要性に気付かされました。日々の授業研究で多忙な日々を送ってきた大村はまさんにそれだけの心の余裕があったことに本当に驚かされ、感銘を受けました。 二つ目は、大村はまさんの授業の際、子どもは「いきいきとした考える人」になっているということです。私も、保健委員会を担当していますが、どうしても子ども側は受身になっており、教師から与えられた課題をただ黙々とこなすだけになっています。それを子ども側から自主的に「こんな保健的な問題に取り組みたい」といった意見がで、その課題に向かっていけるように子どもの力に応じた課題や日頃から問題意識を持たせられるような教師側の話し方の工夫など、日頃からの私自身の子どもへの対応に非常に課題を感じました。 今後は、もっと大村はまさんの実践を勉強し、子どもが保健的な課題に対していきいきと考えられるように接していけるよう努力していきたいと思いました。(小学校養護教諭) ■今回の学習会は、おおげさですが、私の教育観に、革命がおきました。大村はま先生は、子どもたちに「覚えなさい」、「〜しなさい」など、命令はしなかったそうです。 「優劣のかなたに」の中で、そうさせたいことをそうさせてしまうことが先生なのです。姿勢が悪いから「姿勢をよくしなさい」というだけなら、誰にでもいえます。いい話をしたりすると、子どもはつい真剣になって姿勢がよくなるものです。と書かれていました。 おもしろい話、緊張した気分をも作らないで命令するだけでは、子どもにとってもつらいことですし、真剣に聞こうとする姿勢も育ちません。子どもが集中して、学習に取り組める、教師は、日々、子どもが育つことば遣いを考えていかなければならないと思いました。 授業中、おしゃべりが多いのは、子どもたちのせいではなく、教師中心で授業を進めている自分に責任があると反省した学習会でした。 苅谷夏子さんの話は、わかりやすく楽しかったです。次回は、授業の実践などの話も詳しくきかせて頂きたいです。(小学校教諭) 【今回のテキスト】 【その他の苅谷夏子氏の著書】 【大村はま氏の著書】
2008年07月18日 理論学習会 7月の理論学習会の報告-苅谷夏子氏「大村はまの人と思想に迫る-ことばを通して-」
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6月2日に、苅谷夏子著「〜優劣のかなたに〜」の読み合わせをしました。来月の講演前の事前学習会として行いました。報告者より、大村はまの実践について書かれた内容について、またそれを読んで自分自身の実践を見直してのレポートをしました。 報告者は、深見小学校小野恵子先生、大野原小学校大曽根夏美先生、大和中学校、洲崎仁美先生、柴崎寛先生そして私、下福田中学校池田喬の5名です。 それぞれのレポートをもとに意見交換が行われました。 来月の学習会には、著者の苅谷夏子先生をお迎えする予定です。 【使用文献】 苅谷夏子(著)、2007年、『優劣のかなたに:大村はま60のことば』、筑摩書房
2008年06月10日 理論学習会 6月理論学習会の報告
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5月12日に、東京大学大多和直樹先生、堀健志先生、東京理科大学清水睦美先生を講師にお迎えして、 「大和市教育研究所の調査報告の概要−私たちは調査結果をどのようにみればいいのか−」として学習会を行いました。昨年大和市で行われた、「児童生徒の学校生活・家庭生活に関する意識調査」の結果を報告していただきました。「小・中学校比較」、「ケータイとネット」、「男女比較」、「地域比較」という観点から報告があり、参加者による意見交換が行われました。
2008年06月10日 理論学習会 5月理論学習会の報告
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3月31日に、前回に引き続き和光大学児島明先生を講師に迎え、「移動する家族の教育戦略と子供の現状 ー南米の子供に注目してー」として、学習会を行いました。移民の歴史、デカセギについて、日系ブラジル人の家族の物語と若年層の就労問題の現状などについて、講義していただきました。 【参考文献】 児島明(著)2006『ニューカマーの子どもと学校文化』勁草書房
2008年06月10日 理論学習会 4月理論学習会の報告
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和光大学児島明先生を講師に迎え、「外国人を受け入れた教師の対処法〜見ない、見る、見えない〜」として、学習会を行いました。外国人生徒のに対する日本人教師のアプローチの違いについて、講義していただき、その後意見交換が行われました。 【参考文献】 児島明(著)2006年『ニューカマーの子どもと学校文化』勁草書房
2008年06月10日 理論学習会 3月理論学習会の報告
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2月4日(月)、冨士見文化会館にて、内田良先生(愛知教育大学)を講師に迎えて二回目の学習会を行いました。テーマは、「学校安全」、1月の「児童虐待」に続き、「教育問題の語られ方」という切り口でお話下さいました。学校の中で起きる死亡事故の原因と件数を、数値的データを用いて実証的に分析し、声高に語られる学校での「危険」に対して、その声に隠れて実際に手を打たれていない、しかし現実に起こりがちで防ぐべき「危険」があるというお話でした。以下は、参加者の感想です。 ●死亡事故に限る、というお話でしたが、数字になって表れると、説得力があると思いました。時間にもお金にも限りがあるのだから、優先順位をちゃんとつけられるようにならないと、むだ使いが増えると思いました。むだ使いは精神的につかれます。(小学校教諭)
2008年03月24日 理論学習会 2月の理論学習会の報告-「学校安全-教育問題の語られ方?」
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1月7日、愛知教育大学の内田良先生を講師にお迎えし、「児童虐待 教育問題の語られ方?」として、学習会を行いました。社会学の視点から、教育課題のグレーゾーンへの対応の仕方など、議論が交わされました。2月5日に、引き続き「学校安全 教育問題の語られ方?」というテーマで学習を行います。 参加者感想:初めて、内田先生の講義を聴いて自分が普段いかに偏ったものの見方をしているかということが分かった。少年犯罪や交通事故、ドラッグの問題などメディアの情報発信の仕方によって我々が左右されているという実態を知ることが出来た。また、危険を選択するためには、客観的に数値等のデータを用いて自分の眼で見極めなければならないということを実感した。 児童虐待の語られ方としては、虐待の程度の重いものから軽いものまでひとまとまりに虐待として語られている。しかし、それを細分化し、防ぐ必要のあるものを明確にしていく必要がある。 我々は、普段メディアの発言の仕方によってこんなにも考え方が左右されているのかと非常に驚いた。今後も視野を広げるよう多くの考え方に触れていきたい。(小学校教諭)
2008年01月31日 理論学習会 1月の理論学習会の報告-児童虐待 教育問題の語られ方?」
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12月3日、講師に武内敏子先生をお迎えし、「算数の授業 水道方式とは?」の学習会が行われました。小学校での水道方式を用いた計算に関する授業についてのお話でした。以下は、参加者からの感想です。 ■武内先生、この度はご講義ありがとうございました。 「水道方式」という名前だけは知っていましたが、中身は全く知らないまま講義を受けさせていただきました。 「具体から抽象へ」という考え方のシフト。見て分かる!操作しながら学んでいく!という「水道方式」の魅力に、興味をひかれました。 今後、この「水道方式」を、まずは使えるところから取り入れ、また適時勉強していきたいと思いました。 また次の勉強会が楽しみです!!(小学校教諭) ■算数をはじめ、小学生が学習を進める際には、「具体物に触れ、その後抽象的なものに移行していく事」、覚えるのではなく理解するため に「典型的なものを教材として扱い、例外的なものに移行していく事」が大切であると考えていました。その点で、今回の水道方式の学習 の進め方は、とても共感できるものであったと思います。 私は、前単元(分数の掛け算・割算)の指導で、「視覚的に理解を深めさせたい」「典型的なものを理解させ、特殊な形式に広げたい」と考 え、水道方式の「分かる教え方(算数)」を参考にしながら授業を進めました。しかし、私自身の指導計画の不十分さと、児童が水道方式 になれていないなどのことから満足の行く成果は得られませんでした。 このことから、「私自身が指導計画を含め、様々な教育実践を学ぶなどの授業力の向上を図ること」、「学校としての指導の指針を話し合う こと」の大切さを感じました。(小学校教諭 1/10追加) 【参考文献・教材】 『たのしくわかる算数1年の授業 (1980年)』(平井喜美枝 1980年)
2007年12月03日 理論学習会 12月の理論学習会の報告-「算数の授業 水道方式とは?」
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11月5日、講師に内藤順子先生をお迎えし、「入門期における『国語』指導について」の学習会が行われました。教材研究の重要性がひしひしと伝わってくる講演でした。参加者の方からも、次のような感想をいただきました。 ■内藤先生の講演から「言葉を使うっておもしろい」と感じられる時は、どのような時だろうと考えました。 自分の気持ちにぴったりの言葉が見つかり、伝えてみたら、相手がそれを受け取ってくれた時、とても嬉しくなります。それが、おしゃべりであっても、会議のような公の場であっても。また、相手の気持ちが、自分の心に響いたときも嬉しくなります。自分と相手の間に、気持ちのこもった言葉が、音(おん)として、また文字として響きあうような体験ができた時、言葉のおもしろさを感じるのではないかと思います。内藤先生のおっしゃる、「人」と誠意を持って向き合い、分かり合おうという姿勢から、このような場面が生まれるのではと思いました。学校のクラスのみんなで、体験できたら幸せです。(小学校教諭) ■内藤さんから常々「小学校の入門期にもっとこ言葉のおもしろさを教えなきゃ。」と聞かされていて、私も同感でしたが、それがなぜなのかは、あまり突き詰めていませんでした。でも、精力的に集めた教材を通しての授業実践や「にほんご」(福音書店)についてのお話から、それがわかった気がします。「言葉を通して人と何かを作り出していくため」に、「言葉を使うって楽しいってこと」を体で感じる授業を創っていきたいと思います。(小学校教諭) 【参考文献・教材】 安野光雅(著)1979年『にほんご』福音館書店
2007年11月13日 理論学習会 11月の理論学習会の報告−入門期における『国語』指導について