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6月3日に、4月からの連続企画である「理論学習会序説」の最終回として、下福田中の柿本先生を講師にお迎えし、「教師の位置から学校と時代を読む」というテーマで講演会を行いました。 学校・教育がたどってきたこれまでの流れを整理していただき、これからの時代の中で、学校があるべき姿についてお話していただきました。 今回初の取り組みとして、連続講座の形を取りましたが、若い先生にとって、今自分がいる学校教育が、どのような流れをたどってきたのかを知る機会となりました。ただ過去を知るだけでなく、それを踏まえ、今目の前のことに向かうだけでなく、これから先の姿をイメージしながら、日々の実践に向かわなければと思いました。
2013年10月06日 理論学習会 6月の理論学習会のご報告-理論学習会序説「教師の位置から学校と時代を読む」
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5月の理論学習会は、日本女子大学の清水睦美先生を講師としてお迎えし、「学校と社会」というテーマで講義をしていただきました。第一回目は1990年代以前の教育状況・社会状況を、第二回目は1990年代以降をお話いただきました。 学校化社会の成立を機に、進学が「勉強したいから」ではなく、「当たり前だから」に変化したことや、世の中が高度経済成長による価値観の広がりを見せたことで、学校の意義が揺らぐ事態を作り上げた。また、消費社会・情報化社会が誕生し、格差が出やすい世の中になった。では現在の学校はどこまで公正化できるのか・・・という課題を持ちながら参加者は講義を聴かれていたように思います。今の学校に、この世の中に対してできることなどあるのか・・・あまりにきつい社会情勢を前にうなだれていましたが、社会は変われる!と我々が思えるかどうかによって子どもに対してのメッセージは生まれてくるということ、そして現在の社会を覆っている「新自由主義」をはぎとる作業が学習なの だとうことを清水先生が言われた時、私を始め、特に若い先生方はパッと目の前が広がったのではないでしょうか。学習することによって教師の位置や価値観を考え直していく作業の足がかりとして、今後も理論学習会をとらえていきたいと思います。 今回、初めての試みで4月、5月に「理論学習会序説」を開催しました。今につながる膨大な歴史を学ぶために集中して学習会を行えたのはとても良かったと思いました。ただ、歴史を学び、今の何とつながっているか分かった後、現状をどう考えていくかまでは投げかけることができなかったと感じました。学習会の司会をどのようにやっていくかが今後の課題だと思います。
2013年06月18日 理論学習会 5月の理論学習会の報告−「理論学習会序説??−学校と社会−」
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理論学習会担当として2012年に学習を進めていく中で、若い先生が教育界の歴史をよく知らないという事が分かりました。そこで今を読み解くために理論と現状をつなげてみていこうという試みをもち、2013年は「理論学習会序説」と銘打ち、連続講座を開催しました。 4月の理論学習会は、日本女子大学の清水睦美先生を講師としてお迎えし、「いじめ」をテーマとして講義していただきました。第一回目は、主にいじめの構造変化を時代の流れを追いながら、第二回目は教室内でいじめが起こるときに教師の価値観がどのように働いているのか、をお話しいただきました。清水先生には何度も「いじめ」をテーマにお話しいただいていますが、毎回内容が異なるのは、やはり時代の流れによっていじめの構造も日々変わっていくからであることを改めて感じました。 いじめの構造が、いじめ・いじめられるという上下関係の固定からフラットな人間関係へと変化した一方、ぶつからないようにするのが大事であるという考えもあり、実際にはフラットになりきれない支配的な優劣をつけるムードがあることで、いじめ衝動が発生するということ、また心理主義の浸透によって、「治療的」やさしさから、「予防的」やさしさが重視され、自己コントロールを強要する風潮があることも知りました。 講義のなかで一番印象に残ったのは、教室内にいじめが起こる時、教師の価値観が多分に関係しているということです。質疑応答の場面で参加者の先生から若い先生に対して痛烈な一言が飛びました。「最近の若い教師はどのような価値観をもっているのか、そもそも価値観すらもっていないのではないか」という言葉です。学校では当たり前のように使っている「クラスでまとまろう」「みんなで頑張ろう」という言葉が雰囲気の一元化をつくり出していることや、一元化によってヴァルネラヴィティ(弱さ)が際だち、いじめを引き起こしていく原因になっていくことを学んだ今、教師がヴァルネラヴィティに対してどの立ち位置で臨むかが問われていることを強く感じる内容でした。
2013年06月18日 理論学習会 4月の理論学習会の報告−「理論学習会序説??−いじめ−」
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参加者:6名 スタッフ:2名 外部機関との関わりというテーマで、学習会を行いました。児童相談所や教育委員会関係機関など、学校外部の機関について、報告者より、どんな機関があり、どんな働きなのかが報告されました。その後、参加者全員で、事例を挙げながら、意見交換をしました。教育コーディネーターが導入される中、特に若い先生は、実態や制度がわからなかったり、担任主導でないまま対応が進むなど、様々な実態がわかりました。改めて外部機関を勉強する機会となり、また教師としてどう関わっていくかを、確認する場となりました。
2013年04月09日 理論学習会 2013年2月の理論学習会の報告-外部機関との関わり
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参加者:14名 スタッフ:2名 1月の理論学習会は、大和市教育支援教室、通称「まほろば教室」に5年間携わっていた松永雅文先生をお呼びし、「不登校の子どもたち」というテーマでお話しいただきました。まずは不登校児の状況や、まほろばの日常、不登校児の進路の紹介、最後に各年度に感じたことをお話しいただきました。 連続3日、断続5日欠席で不登校児として扱われます。不登校児を語るにも幅がありますが、最近の子どもたちの傾向として、人に対して気を遣う子が増えており、疲れている子が多いという事が話題に挙がりました。そこには社会の問題が潜んでいて、働かない=悪い、学校に行かない=悪いといった考えがある、社会にもっと余裕があればいいのに…と松永先生は言いました。昨今多忙化する教育現場の中で、先生の身の削るような努力の結果が再登校につながったケースが多かったそうです。一方、学校側が何ができるか考えていく時、学校への魅力を上げる方法を考えていく必要性も提示されました。それはシステムを整えればよいという訳ではない、「教師としての役割」としてでは不登校児と向き合っていけないということであり、「人間と人間」、自分のどの価値で向き合っていくのかが問われているのだと強く感じる時間となりました。
2013年04月09日 理論学習会 2013年1月の理論学習会の報告−不登校の子どもたち
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12月の理論学習会は、「母親への支援」をテーマにし、小学校・中学校からひとつずつ事例を出し、話し合いました。事例研究にこのテーマを挙げたのは、親対応の難しさや、親自身に対しての支援はできるのかといった悩みを職員間でよく聞いていたからでした。しかし、そもそも大人を変えることは難しい・できないというスタンスに立っていないと、自分のイメージ―母親像―を教師が押し付けてしまうということが問題として挙がりました。教師が子どもをどうしていきたいのか、子どもの課題は何なのか客観的にとらえることが大切だということを考えさせられる時間となりました。 今回は理論学習会の担当として、事例研究の持ち方について反省することが多くありました。司会役や話を整理する役など、課題を明確にすることが足りなかったことを踏まえて、今後改善していきたいと思います。
2013年01月22日 理論学習会 12月の理論学習会の報告−「母親への支援」
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11月の理論学習会は、名古屋大学の渡邉雅子先生をお呼びし、「思考と表現法の教育比較−米・仏から見た日本」というテーマでご講演頂きました。著書「納得の構造」で研究された日本とアメリカの初等教育に見る思考表現のスタイルの差異は何から生まれるのか。それは、子どもたちにどのような授業をし、いかに教えているかに鍵がありました。今回は日米の比較だけではなく、渡邉先生がここ10年ほど行っているフランスの調査結果を加えてアメリカとフランスを比較しつつ、日本はどちらをモデルにするのか、あるいは第三の道を歩むのかを問題提起していただきました。質疑応答のとき、参加者からフランスの愛国心についての質問がありました。フランスでは愛国心を教育の目的に置き、共和国に原理を教えているということ、また抵抗権をしっかり教え、デモに参加することを推奨するという事実を知り、驚きの声が上がりました。今回の学習会で、他国がどのような教育を行っているのか、そして私たち教師の授業が子どもたちにどのような教育効果があるか考えさせられる時間となりました。
2013年01月22日 理論学習会 11月の理論学習会の報告−「思考と表現法の教育比較−米・仏から見た日本」
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10月20日に、拡大理論学習会が開催されました。この学習会は、大和市を中心に活動するEd.ベンチャーとして、「外国人」について考える機会を設けようということで、今年度新たな試みとして行われたものです。 今年度は、東京理科大学の清水睦美先生に、『「生きづらさ」に立ち会うものとして−外国人児童生徒の現状の理解−』というテーマで、講演していただきました。外国人児童生徒が「外国人」であるがゆえに経験する学校や家庭での生きづらさ、そして、それを支援する上での教師への提案などについてお話しいただきました。講演の後には、参加者全員で、学校の中での、日本人生徒や教師への働きかけや、国際教室の存在意義などについて、意見交換が行われました。外国籍児童生徒への支援というと、日本語指導や学力補充に目が向きがちですが、それだけでなく、日常の生活の中で彼らが直面する「生きづらさ」に向き合い、それを解消していける支援が必要であると、改めて実感した学習会でした。
2012年11月29日 理論学習会 拡大理論学習会のご報告-「『生きづらさ』に立ち会う者として:外国人児童生徒の現状の理解」
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10月理論学習会は、11月にご講演いただく渡辺雅子氏の著書「納得の構造」を読んでいきました。内容は、日米初等教育の比較、学校の授業が子どもたちの思考表現にどう影響を及ぼしているのかが書かれています。担当が内容をまとめたレジュメに沿って学習していきました。 話題に挙がったのは、特に二点です。第4章「二つの日米逆転現象」に書かれている、どこの力によって教育が変わろうとしていたかについて、以前は現場の力だったのが、今は政治や上からの指示で教育が変わってしまう現状について話し合いました。また、最終章を読み終えて、日本の教育の中にも「なぜ」が必要であり、教育の画一性からのスイッチの可能性についても話し合いました。次回、渡辺先生からは仏国の教育も比較していただき、理解の枠組みに関わる日本のことばと思考法の教育の特徴を探りつつ、思考表現法を通してどのような社会化が行われているのかをご講演いただきます。
2012年11月29日 理論学習会 10月の理論学習会の報告-渡辺雅子「納得の構造」を読む
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9月3日、帝京大学の大多和直樹氏を講師にお迎えして「中学生のメディア利用と学校生活」というテーマで学習会を開きました。子どもたちが、どのようにメディアを活用しているのか、そして、どのような影響を受けているのかについて、調査研究の報告をしていただきました。調査結果からは子どもとメディアの関係はおおむね良し、とのことでしたが、数パーセントの子どもがトラブルや悩みを抱えている事について、学校がどういった手立てをとっていけるかが議論となりました。また、昨今の学校が携帯電話やインターネットに関わる事件を受け止めきれていない現状や、大津のいじめ問題も話題に挙がり、ネット拡大に伴い、当事者性が持てない中で当事者性をどうもたせるか、学校側がどこまで踏みとどまれるかが課題となりました。
2012年09月20日 理論学習会 9月の理論学習会の報告-「中学生のメディア利用と学校生活」