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3/27事例研究会開催(Zoom) 外国人の子ども理解の学習会では、3月27日(水)に事例研究会を開催します。 外国人の子ども理解の学習会では、事例研究会を下記のとおり開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。2024年度最初の研究会となります。みなさまのご参加をお待ちしております。 日時: 3月27日(水) 19:00~21:00 Zoomによるオンライン開催 事例:「不安を抱えた中学生」 事例提供:事例研究会スタッフ 日本語や勉強が不安で、教室にいるのがつらいと感じている中学生の事例をもとに、協議をしていきます。 外国にルーツを持つ子どもたちにとって、安心できる教室について考えていきたいと思います。 参加を希望される方は、事例研究会担当篠原(h-sunflower@jcom.home.ne.jp)までメールでお申し込みください。研究会の資料とZoomのID、パスコードを後日お知らせいたします。 ※お預かりした個人情報は学習会に関するご連絡以外には使用いたしません。 お知り合いの先生で、外国人の子どもの支援に関心を持たれている方がいらっしゃいましたら、事例研究会の開催についてご紹介いただけますようお願いいたします。
学校支援活動
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教室が賑やかになりました 【エステレージャ教室 1~2月報告】 南米にルーツのある中学生のBさんですが、教室に来てもとてもおとなしく、話を聞いていると学校も時々休みがちなようです。学校の宿題を持ってきて、勉強をすることはするのですが、自分から積極的に取り組むといった様子はあまり見られませんでした。 そんなBさんの教室の様子が今年に入ってちょっと変わってきたのです。 ある日Bさんは教室に母国語であるスペイン語の本を持ってきていて、それをずっと読んでいたのです。その日は、やはり南米の別の国にルーツのあるCさんも本を持ってきていたのですが、そのうち彼女たち二人が持ってきた本をそれぞれ交換したのです。しばらくすると、BさんとCさんがとても仲良く言葉を交わしています。二人はスペイン語で会話をしているので、何を話しているのか、その内容は分かりませんでしたが、あのおとなしいBさんが自信ありげに会話をしている姿がとても印象的でした。本当に些細なことかもしれませんが、自分の気持ちを自分の言葉でしっかりと口にすることができるということは、その人に自信を与える大きなきっかけになっているように感じました。 さて、そんな積極的な一面が見えたBさんでしたが、別の日にスタッフとの会話の中で最近ロックミュージックにはまりつつあるということを、今度は日本語で教えてくれたのです。そして自分の好きなバンドについて雄弁に物語ると、おじいちゃんからギターをもらったので、教室で練習したいと言い出したのです。 ちょうど同じ日に、新たに教室に通うことになった子どもたちがいて、学校で音楽の時間にリコーダーを吹いているのだが、その練習をしたい、という声が上がった時でした。子どもたちとスタッフが一緒に笛を吹き、それまで静かだった教室が一気に賑やかになりました。ですからBさんのギターの練習を断る理由などありません。その次の回からギターが弾けるスタッフがBさんに弾き方を教えることになりました。 それからBさんはほとんど毎回自分のギターを持参して、熱心に練習をするようになりました。家でも練習にかなり時間をかけているようです。勉強は大丈夫なのだろうかと心配になる部分もありますが、今までこれほどまでに何かに取り組んでいる彼女の姿を見たことがなかったので、もう少し様子を見守ろうと考えています。それは、勉強をあきらめてしまったということではなくて、ギターを練習することを通じて彼女が私たちに様々な話をしてくれるようになってきたからです。また、以前よりも日本語が滑らかに話せるようになっているように感じられることもあります。ギターを通して、彼女がどのような悩みを抱えているのか、どんなことに困っているのか、ということを知ることができれば、今後彼女の支援をする際にとても参考になります。また近い将来、彼女も自分の進路について考えなければならなくなりますが、その際にも彼女自身の考えや将来についての希望を理解するうえで大きな意味を持ってくると考えています。 一見回り道のようにも見えますが、私たちは、こうした子どもたちとのやり取りが、最終的には子どもたちが安心して学び語り合う場所を作り上げていくことにつながると考えています。
外国人支援・こども支援活動
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No.60「民主的」とは?「平和」とは? Ed.ベンだよりNo.60が発行されました。 今回のEd.ベンだよりのタイトルは「民主的」と「平和」の具体的な像は?」です。 Ed.ベンNo60「民主的」と「平和」の具体的な像は?ダウンロード ここ数年、国内外を問わず、憂鬱なニュースが相次いでいます。ニュースを見ていると瓦礫と化した街並み、泣き叫んだり呆然と立ち尽くす人々の姿ばかりが目につきます。こうした世の中であるからこそ、「教育」とは何か、ということを今一度立ち止まって考える必要があると思います。 今回のEd.ベンだよりでは、この国の教育が目指す「民主的な国家・社会」とは何か、「平和な国家・社会」とは何かということについて問題提起をしています。ぜひお読みいただき、みなさんの考えをお寄せいただければと思います。 また、2月23日(金・祝)に開催予定の教育講演会と、2月10日に開催予定の教育講演会に関連した学習会のお知らせも掲載しています。こちらにも多くの方々の参加をお待ちしております。
Ed.ベンだよりPDF
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外国人の子ども理解の学習会では、3月27日(水)に事例研究会を開催します。 外国人の子ども理解の学習会では、事例研究会を下記のとおり開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。2024年度最初の研究会となります。みなさまのご参加をお待ちしております。 日時: 3月27日(水) 19:00~21:00 Zoomによるオンライン開催 事例:「不安を抱えた中学生」 事例提供:事例研究会スタッフ 日本語や勉強が不安で、教室にいるのがつらいと感じている中学生の事例をもとに、協議をしていきます。 外国にルーツを持つ子どもたちにとって、安心できる教室について考えていきたいと思います。 参加を希望される方は、事例研究会担当篠原(h-sunflower@jcom.home.ne.jp)までメールでお申し込みください。研究会の資料とZoomのID、パスコードを後日お知らせいたします。 ※お預かりした個人情報は学習会に関するご連絡以外には使用いたしません。 お知り合いの先生で、外国人の子どもの支援に関心を持たれている方がいらっしゃいましたら、事例研究会の開催についてご紹介いただけますようお願いいたします。
2024年03月18日 外国人の子ども理解の学習会 3/27事例研究会開催(Zoom)
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【エステレージャ教室 1~2月報告】 南米にルーツのある中学生のBさんですが、教室に来てもとてもおとなしく、話を聞いていると学校も時々休みがちなようです。学校の宿題を持ってきて、勉強をすることはするのですが、自分から積極的に取り組むといった様子はあまり見られませんでした。 そんなBさんの教室の様子が今年に入ってちょっと変わってきたのです。 ある日Bさんは教室に母国語であるスペイン語の本を持ってきていて、それをずっと読んでいたのです。その日は、やはり南米の別の国にルーツのあるCさんも本を持ってきていたのですが、そのうち彼女たち二人が持ってきた本をそれぞれ交換したのです。しばらくすると、BさんとCさんがとても仲良く言葉を交わしています。二人はスペイン語で会話をしているので、何を話しているのか、その内容は分かりませんでしたが、あのおとなしいBさんが自信ありげに会話をしている姿がとても印象的でした。本当に些細なことかもしれませんが、自分の気持ちを自分の言葉でしっかりと口にすることができるということは、その人に自信を与える大きなきっかけになっているように感じました。 さて、そんな積極的な一面が見えたBさんでしたが、別の日にスタッフとの会話の中で最近ロックミュージックにはまりつつあるということを、今度は日本語で教えてくれたのです。そして自分の好きなバンドについて雄弁に物語ると、おじいちゃんからギターをもらったので、教室で練習したいと言い出したのです。 ちょうど同じ日に、新たに教室に通うことになった子どもたちがいて、学校で音楽の時間にリコーダーを吹いているのだが、その練習をしたい、という声が上がった時でした。子どもたちとスタッフが一緒に笛を吹き、それまで静かだった教室が一気に賑やかになりました。ですからBさんのギターの練習を断る理由などありません。その次の回からギターが弾けるスタッフがBさんに弾き方を教えることになりました。 それからBさんはほとんど毎回自分のギターを持参して、熱心に練習をするようになりました。家でも練習にかなり時間をかけているようです。勉強は大丈夫なのだろうかと心配になる部分もありますが、今までこれほどまでに何かに取り組んでいる彼女の姿を見たことがなかったので、もう少し様子を見守ろうと考えています。それは、勉強をあきらめてしまったということではなくて、ギターを練習することを通じて彼女が私たちに様々な話をしてくれるようになってきたからです。また、以前よりも日本語が滑らかに話せるようになっているように感じられることもあります。ギターを通して、彼女がどのような悩みを抱えているのか、どんなことに困っているのか、ということを知ることができれば、今後彼女の支援をする際にとても参考になります。また近い将来、彼女も自分の進路について考えなければならなくなりますが、その際にも彼女自身の考えや将来についての希望を理解するうえで大きな意味を持ってくると考えています。 一見回り道のようにも見えますが、私たちは、こうした子どもたちとのやり取りが、最終的には子どもたちが安心して学び語り合う場所を作り上げていくことにつながると考えています。
2024年03月08日 子どもの居場所・学習教室 教室が賑やかになりました
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2024年02月05日 Ed.ベン便り No.60「民主的」とは?「平和」とは?
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【エステレージャ教室 11-12月報告】 コロナ禍前、毎年12月最後の教室では、子どもたち同士の親睦を図る目的で、クリスマス会を開いていましたが、コロナ禍下の3年間は開催できませんでした。コロナ感染症が5類感染症に移行したこともあり、今年は3年ぶりにクリスマス会を開催しました。高校生スタッフの提案で、教室を卒業した先輩たちも招くことにしたので「クリスマス同窓会」となりました。 「同窓会」では、小中学生には今年の振り返りを、卒業生には近況報告などを話してもらいました。卒業生たちは、小学校から中学校卒業まで教室に通ってきていた生徒で、久しぶりの再会となりました。卒業生たちの現在は、高校生、専門学校生、社会人と様々ですが、かれらの姿に、懐かしさとともに頼もしさを感じました。背丈が伸び、大人の顔つきになり、言葉遣いが中学生の時とは違って大人の言葉遣いになり、見た目が大人になっただけではなく、かれらの近況報告の言葉からも成長を感じました。卒業生たちは、高校や専門学校での勉強が難しくて少し苦労した(している)こと、高校卒業後の進路をどのように考えたか、自分のやりたいことを模索する中で少しずつやりたいことが見えてきたことなどを話してくれました。かれらの話はどれも説得力があり、小中学生の子どもたちにとっては、進路学習の機会にもなりました。卒業生たちの姿が、小中学生にとってのロールモデルとなってくれたと思います。 ロールモデルと出会うことは、自分の将来像を描き、今をどのように過ごしたらよいのかを考える機会になりますが、外国にルーツがある子どもたちが、身近なところでロールモデルと出会うことは日本人の子どもに比べると難しいです。親、きょうだい、学校の先生や先輩など、日本人の子どもの周りには、ロールモデルとなりそうな日本人がたくさんいます。しかし、外国にルーツがある子どもたちにとって、同じような背景を持つ人は多くはなく、その中からロールモデルを探すのはさらに難しいのです。よいロールモデルとの出会いは、かれらの可能性を広げてくれると思いますが、出会いのチャンスが少ないのが現実ではないでしょうか。 これまで、卒業生を招いて話を聞くという機会がありませんでしたが、卒業生と出会う機会を積極的に作っていくことの必要性を感じました。エステレージャ教室が、学習や居場所であるだけではなく、出会いの場所にもなっていけたらと思います。(SH)
2024年01月22日 子どもの居場所・学習教室 ロールモデル
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10月から11月にかけて行われた学習会の報告です。 1.「インクルーシブな社会を目指す授業提案」(延べ参加者:15名) 日時:①2023年10月12日(木) 19:30~22:00(Zoomによる) ②2023年10月23日(金) 20:00~22:00(Zoomによる) ③2023年11月3日(金) 20:00~21:30(Zoomによる) 授業提案者:森尾 宙(座間市中学校教諭) 2.「インクルーシブな社会を目指す授業実践報告」(参加者:5名) 日時:2023年11月30日(木) 19:30~21:00(Zoomによる) 授業の題材:様々な家族のかたち 授業発表者:森尾 宙(座間市中学校教諭) 【報告】 今回の一連の学習会では、インクルーシブの視点での授業実践を目指し、授業検討・実践報告を行った。日々教室で生活する生徒の困り感から、テーマを”家族”に絞り、様々な家族のかたちを題材として提示し、家族関係について子どもと考える授業を行った。 インクルーシブの視点として、様々な家族のかたちに触れることで、自分自身の捉え方が絶対的なものではないと気づくこと。そして、多様性を認めるためには、既存の当たり前とされている枠組みを作り直すことが必要であるという気づきが生徒に残ることを目指した。 生徒の振り返りからは、「血縁によらない家族関係があることを知った」「家族の関係・役割を考えるきっかけになった」といった、新たな気づきについてのコメントがみられた。しかし、「やっぱり、血のつながりがあるから家族と言える」といった既存の価値観から脱することができない生徒もみられた。 今回の授業で提示した“三人親”“拡張家族”といった“家族のかたち”は世界的には認められつつある中にあって、日本社会で生きる生徒にとっては、まだ身近なものではないという状況があり、生徒自身が家族について語る工夫や、日本の一般的な家族観が歴史的にどのように作り出されてきたのかなど、多角的な視点で“家族”を捉えるように、授業者自身の学びが重要であると感じた。 また、検討した授業の実践者が1名であったため、実践による授業者同士の連携・広がりを創ることができなかったことは、非常に残念であった。同じ場で生活する生徒に対して、様々な角度から変化や成長を見取ること。共通の課題意識をもって、生徒と向き合う教職員集団を創っていくことができていないという、課題が見える学習会にもなった。
2024年01月12日 インクルーシブ社会を目指す学習会 【報告】10~11月学習会
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2024年01月12日 お薦めの書籍・文献 きみの人生はきみのもの
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2023年12月26日 お薦めの書籍・文献 それでも、日本人は「戦争」を選んだ
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【エステレージャ教室 9-10月報告】 昨年から、専門学校に通っているWさんがエステレージャ教室のスタッフとして教室に来てくれるようになりました。彼女のルーツは南米なので、同じ南米ルーツの子どもたちの学習支援にあたっては大きな力となってくれています。 そのWさんから大学への編入に関する相談を受けました。同じ大学の中での学部間での編入や、同じ系列校同士での編入は時々見られるケースかもしれませんが、専門学校から大学に編入する制度があることはあまり知られていません。相談を受けた時もそうした制度があることをあまり知らなかったので、Wさんに確かめると、以前にも同じ制度で大学に編入を果たした先輩がいるということでした。 Wさんが大学編入後に学びたいことや将来的な進路を尋ねると、かなり具体的で、編入を希望する大学についてもよく調べていることが分かります。「そこまで具体的に固まっているのなら、相談を受けてもあまり役に立たないかな・・・」と思っていました。 しかし一つ気がかりなことがありました。学費です。Wさんは既に専門学校の学費について奨学金を借りているそうです。今後大学に編入するとしても、やはり経済的な事情から、さらに奨学金を借りる必要があるということでした。奨学金を借りるあてはあるそうなのですが、問題は、大学を卒業してから迫られる奨学金の返済についてです。 Wさんが外国ルーツであるかどうかは関係なく、学卒後の若者が抱える奨学金返済の問題は、実は今日の日本社会の大きな問題でもあります。「奨学金」というくらいだから低利子だろうし、返済もそれほどきつくないのだろうと思いがちですが、それらの返済額は毎月2~3万円に上るということをよく耳にします。 「奨学金」と言えば聞こえはいいですが、結局のところ「教育ローン」なのです。以前は教職に就いた場合に返還が免除されるという制度もありましたが、いつの間にかそうした制度もなくなってしまったようで、今ではほとんどが「貸与制」となっているようです。 「賃上げ」がようやく叫ばれるようになったとはいえ、まだまだ全体的に賃金は抑えられたままです。その一方で物価は上がり続けています。いずれ税金も社会保障費も上がっていきます。さらに非正規雇用の割合は依然として高いままです。そうした中で、働き始めたばかりの若者が「わずか」とは言えない負債を抱えるという現実は、なかなか厳しいものがあります。 さらに、こうした制度について、当の本人があまりよく分かっていないということも問題です。特に外国ルーツの生徒・学生にとって、奨学金制度を理解するには相当の日本語能力が求められると思いますし、周囲からのアドバイスも必要かと思われます。 大学に編入したらあとどれだけ奨学金を借りることになって、負債総額がいくらになるのか?月々の返済額がどれくらいで返済期間がどれくらいになるのか?編入は諦めて、就職先を探したほうがいいか?・・・などなど、あれこれと頭をひねりながら、一緒に話し合いました。結局最終的な結論には至りませんでしたが、もう一度よく考えて、家族ともよく相談してみるということになりました。 この国では教育の機会は平等だと、私たちはいつの間にかそう思い込んでいるかもしれません。実際は平等どころか、きわめて不平等なのです。今回のWさんからの相談をとおしてそのことをつくづく考えさせられました。(TH)
2023年12月07日 子どもの居場所・学習教室 進学の相談
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2023年12月07日 Ed.ベン便り No.59「平和教育」を!是非!
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2023年11月20日 お薦めの書籍・文献 戦争とは何だろうか
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日時:2023年10月5日(木) 19:30~21:00(Zoomによる) 参加者:6名 内容:地域と学校の連携 講師:漆原豊和氏(児童養護施設職員)・西岡歩氏(中学校教諭) 今回の学習会では、学校と地域がどうかかわりを持って、どう繋がっていけるのかということをテーマに、子どもたちが生活している場である児童養護施設の職員である漆原豊和氏と、その学区にある学校に勤務している西岡歩氏からお話を伺いました。 今回の学習会の企画は、昨年度、西岡氏の勤務する中学校で、漆原氏に施設のこと、子どもたちのことを講演していただいたことがきっかけとなりました。 漆原氏からは、講演をしてから連携がスムーズに取れるようになったことや、生活している子どもたちも多くの先生から見てもらえていると感じている様子であること、西岡氏からは、講演後の先生たちの反応や変化などのお話がありました。 また、繋がることのきっかけやそこから得られたことだけでなく、逆になぜこれまで繋がれなかったのかという疑問についても話題に挙がりました。講演をしたことで先生たちの認識が変わった、ということは、声が挙がらないと気づけないということ、先生たちの間に偏見があったのではないか、そのような課題も浮かび上がってきました。 学校の先生がゆとりをもって子どもたち、地域の声を拾っていくことができなければ、埋もれてしまう声がたくさんあるのだということを改めて認識し、忙しすぎる学校現場にもどかしさを感じながら、それでも拾っていかなければと強く感じる学習会でした。
2023年10月28日 インクルーシブ社会を目指す学習会 【報告】10/5学習会
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事例研究会は、外国にルーツを持つ子どもたちの具体的な事例を通して、彼らの背景にある事情や問題を読み解く力をつけていくというねらいで開催しています。今回は9月30日に開催した事例研究会の報告です。 【9月事例研究会】 日時:2023年9月30日(土) 14:30~16:30(Zoomによるオンライン開催) 事例:「不登校の傾向が出てきた子ども」(事例提供:事例研究会担当スタッフ) 参加者:4名 9月は、事例研究会スタッフから、Ed.ベンチャーが主催する外国人の子どものための学習教室、エステレージャ☆ハッピー教室に通う子どもの事例を報告しました。 2020年に来日し、4月に中学生になった子どもで、9月に入ってから学校の欠席が続いている中学生について報告をしました。2年生の1学期途中までほぼ欠席することなく通い、6月の学校行事が終わってから部活を理由に参加をしていなかったため、スタッフは部活に参加できるようになり学校生活もうまくいっていると安心していたところ、9月に入ってから学校に登校していないということが分かったという子どもの事例です。これまでのエステレージャでの様子や、9月に入り、編み物道具を持ってエステレージャで過ごしている様子、家庭訪問の様子や担任の先生とスタッフが連絡を取ったことなどを報告しました。 協議は、アドバイザーの先生からのアドバイスから始まりました。複数言語環境下に置かれる子どもは、言葉と気持ちが一致せずモヤモヤとした状態にいるので、経験を語らせることが必要である。高学年以上の子どもたちには、経験を語らせ、聞き手が経験を共有しながら、人生を一つの物語としてつなげる機会を作る必要があるとアドバイスをいただきました。このアドバイスを受け、地域ボランティアとして外国人児童の学習支援に携わっている参加者から、不登校ではないが、字を丁寧に書くものの学習内容を理解していない様子が見られるという、Nさんと似ている子どものケースが報告され話題となりました。小学校の先生からは、字がきれいに書けているからわかっているわけではない、完璧主義の子どもは周りのプレッシャーを受けていると指摘がありました。そして、アドバイザーの先生からは、人との関係は勉強と結びついているので、気持ちを他者に開いていないと、その場にいても勉強した内容が残らない、子どもの自己肯定感や自己の尊厳を保障することが必要だというアドバイスがありました。そして、他者に開いていない子どもの心を開くことが私たち大人の役割であること、そのためには、対話(雑談)する時間を大切にすること、そして子どもに教えるのではなく子どもと一緒にやろうという姿勢を大人が持つことが大切だということを参加者で確認しました。 今回の研究会は、4月に開催した外国人の子ども理解のための学習会でテーマとなった「対話」につながる研究会となりました。学校、地域の学習教室といった教育の場で、子どもとの対話をもっと大切にしながら支援をしていく必要を再確認しました。
2023年10月25日 外国人の子ども理解の学習会 【報告】9月事例研究会