小学校・中学校の社会科教科書から読み解く「戦争」~平和をどう授業するか~
報告者:村本綾(つきみ野中学校)
日 時:2016年7月4日(月)19:15~21:00
場 所:冨士見文化会館 101号室 (大和駅徒歩 1分)
参加者:4名
つきみ野中学校の村本先生より、社会科の教科書比較から見える歴史(第一次世界大戦、第二次世界大戦)記述についての報告がありました。教科書によっては、反戦を訴えた人物が取り上げられていなかったり、いかに戦争に貢献したかという記述に重点が置かれていたりと、複数比較することで、歴史に対する視点がかなり違うという事が明らかになりました。どの教科書を扱って授業するかによって、戦争という歴史に対する視点が変わってくるのではないかということも話されました。また、自民党が発信している「〈中学教科書7社の比較調査〉新教育基本法が示す愛国心、道徳心を育む教科書を子供たちへ」では、教科書が点数で評価されており、教科書採択の今後を懸念するとともに、愛国心や道徳心という言葉に絡めながら戦争・平和というものが教育現場の中で語られていくことの危険性が感じられました。
報告を受け、過去から学ぶ戦争と平和だけではなく、今起こっている世界の戦争の問題や国家間の問題を扱うことで、問うべき真実に向き合うことができるのではないかという意見もありました。授業時数や受験に対応せざる負えない授業展開などの課題もありますが、それ以上に、平和に関する内容であっても教科書の範囲を超えた授業展開について問題視された経験をもつ教師もおり、その規制の強さに不安を感じる参加者もいました。教師自身が自己規制をしてしまう雰囲気の強さが現在あるということが問題ではないかということも強く感じる学習会でした。
2016年07月25日
理論学習会
7月 「平和をどう授業するか」 報告