「Ed.ベンチャー」は、市民や退職教員・研究者や現職教員が集まって立ち上げた社会教育団体です。目的は、目の前の子どもたちや先生、学校や保護者が直面する問題を共有し、とくに弱い立場に置かれた子どもも含め、すべての子どもや先生(学校)が明るい未来を創造するためのお手伝いをすることです。
主な活動
・学習に遅れる子どもたちの支援 ・学校が必要とする様々な支援
・外国人や弱い立場の子どもたちの支援 ・教職員とともに教育を考える活動
・市民とともに教育課題を考える活動
Ed.ベンチャー 新 行動宣言(PDF)
2023年度事業方針
新型コロナウイルスの感染が大きく減少しない中、社会はウィズコロナの時代になだれ込もうとしている。そこには国民的合意よりも、経済の活性化や、円安への懸念、国民の鬱屈する心情が背景にあるように思われる。その意味では、2023年は、社会的な変化が起こりやすい、不安定な年になると思われる。
2022年度、Ed.ベンチャーの各事業では「語る場づくり」に向けた取り組みを加速してきた。そのもとで「女性の生きづらさ」を共通テーマとし、2023年の教育講演会でも、さらにこのテーマを掘り下げることになった。「女性の生きづらさ」は、今後も引き続き私たちが考え続けなければならないし、自らの経験を女性の生きづらさの観点から語りなおさなければならない。そして、そのことは一層不安定な社会の中で弱い立場に立たされた者たちの行方を一層敏感に追うことにつながっていくと考える。
こうした活動の上に「語る場づくり」をどのように発展させていくのかは、2023年度後半の重要な柱となっていくと考える。振り返れば、昨年の活動方針では、新型コロナウイルス後の社会として相対する二つの方向性を予想した。一つ目は、IT技術をベースとした世界産業構造ネットワークを更に発展させた世界の出現。二つ目は、コロナ禍によって表出した新自由主義的資本主義の矛盾(格差・貧困・移民・差別など)の是正を求める道、であった。しかし、この予想は大きく外れ、世界は第三の道に急速に方向転換し始めている。
第三の道、それは国際秩序の崩壊と軍事産業による経済の活性化である。
新自由主義で推し進められた国際的な枠組みは大きくきしみ始め、世界の様々な地域でポピュリズムの台頭、旧価値観の復権、軍事政権や極右政権の誕生を見ている。こうした動きは、新型コロナウイルスの影響とばかりは言えない。新自由主義のもとに発展した経済動向や自由主義陣営のゆがみが、その根底にはあるとみるべきである。
こうした状況の中、世界の国々で武器が売り買いされ、手渡されている。仮想敵国を名指しで認定することで民衆の合意を取り付け、軍需産業は活況を呈している。
そこに日本も参加した。2023年は、日本が再度軍事大国へと舵を切った年として、長く歴史に刻まれるに違いない。「敵基地攻撃能力」を「自衛の範囲」としたこと、防衛費予算枠を大きく拡大したことは、私たちの国の在り方を大きく変えるはずだ。こうした国の動きに、私たち一人一人がどのような考えを持ち、どのような行動をするのかが問われることになる。
この課題に、教育に関わるNPOとしてどのように対峙するべきか。
すぐに思いつくのは、「すべての人が戦争で命を失ってはいけない。だから私たちは平和を守らなければならない」という、教育現場で当たり前に子どもたちに伝えてきたことが、「私たちが命を失わないために、他の国の人の命を奪ってもよい!」「これが平和の守り方です」に変わろうとしている、この転換にどのように向き合うのかという課題である。
そしてもう一つ、振り返ってみれば、Ed.ベンチャーは東北震災支援の際、福島の原発被害に寄り添う活動への取り組みから、組織の方針として「原子力発電反対」を掲げてきた。しかし、軍備の増強とともに原子力発電への依存度を増す方向性が現在突如打ち出されている。こうした政治的な動きにも警戒しつつ、未来への賢明な選択を再度強く求めたいと思う。
いずれの課題も、私たちなりの「平和の守り方」を語る場づくりを通して模索されていく必要があると考える。
設立の趣旨/定款
組織
2023年度 役員名簿・組織図(PDF)
事業計画/予算
事業報告/収支計算・貸借対照表及び財産目録
2022年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2021年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2020年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2019年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2018年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2017年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2016年度 事業報告(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2015年度 事業報告(PDF)/収支計算書・賃借対照表・財産目録(PDF)
2014年度 事業報告書(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2013年度 事業報告書(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2012年度 事業報告書(PDF)/一般会計 収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
すたんどばいみー基金 収支決算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
東日本大震災支援事業 会計報告・貸借対照表・財産目録(PDF)
2011年度 事業報告書(PDF)/一般会計 収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
東日本大震災支援事業 会計報告・貸借対照表・財産目録(PDF)
2010年度 事業報告書(PDF)/法人化前 収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
法人化後 収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2009年度 事業報告書(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2008年度 事業報告書(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
2007年度 事業報告書(PDF)/収支計算書・貸借対照表・財産目録(PDF)
沿革
2007年
9月 (非営利)教育支援グループEd.ベンチャー設立総会開催
2008年
1月 「すたんどばいみー基金の会」をEd.ベンチャー組織内に位置付け
2月 設立記念講演会開催。テーマ:「<職業>としての教育―あるいは職業としての教師」 講師:東京大学大学院教育学研究科教授 苅谷剛彦先生
4月 外国人支援活動子ども支援部「エステレージャ・ハッピー」開始
2009年
2月 教育講演会開催。テーマ:「教師であることと、市民であること」 講師:東京大学大学院教育学研究科准教授 小玉重夫先生
3月 外国人支援活動大人支援部「生活相談」において、月1回の日本語教室への出張相談を開始
4月 外国人支援活動子ども支援部「保証人事業」開始
7月 『会報』発行開始
2010年
1月 学校支援活動学校支援部「調査援助」を「研究者による支援」に改め開始
外国人支援活動子ども支援部「エステレージャ・ハッピー」から厚木教室「Kokusai B.G.」立ち上げ
外国人支援活動子ども支援部「すたんどばいみー」を外部関連協力団体として位置付け、「当事者活動支援」開始
2月 教育講演会開催。テーマ「家族と教育の関係性の変容」 講師:東京大学大学院教育学研究科教授 本田由紀先生
3月 国際教室担当マニュアル「はじめての国際教室担当」発行
6月 特定非営利活動法人として神奈川県より認証を受け、NPO法人教育支援グループEd.ベンチャーとなる
9月 緊急ホームレス支援開始、法人の外部組織として「連帯保証人グループ」立ち上げ
10月 八王子国際協会主催「外国につながる児童生徒のための学習支援ボランティア講座」に講師派遣(~12月、全6回)
12月 神奈川県立湘南養護学校の校内研修会に講師派遣
2011年
1月 外国人支援活動大人支援部「生活相談」の出張相談が月1回から毎週となる
2月 教育講演会開催。テーマ:「『貧困』の現実と『教育』~『反貧困』の活動から~」講師:活動家 湯浅 誠 氏
4月 「東日本大震災支援事業」開始、岩手県陸前高田市の学校再開・避難所支援、宮城県石巻市万石浦の子ども支援、福島県富岡町の学校再開支援を行う
「東日本大震災支援事業」において、すたんどばいみーの陸前高田市モビリア避難所子ども支援活動の後方支援開始
7月 外国人支援活動子ども支援部「保証人事業」において、「報告会」を開始、以降年2回報告会を開催
11月「東日本大震災支援事業」において、岩手県陸前高田市の現地市民団体・教育支援チーム「まつ」の支援開始
2012年
1月 学校支援活動教師・保護者支援部「授業研究会」を「小5・6教室」に改める
小学館『小四教育技術』に「東日本大震災支援事業」の記事掲載
2月 教育講演会開催。テーマ:「『親密性』と『排除』~子ども社会・子どもを取り巻く社会~」 講師:筑波大学大学院人文社会系教授 土井隆義先生
3月 『東日本大震災支援活動報告書』発行
4月 「東日本大震災支援事業」万石浦子ども支援を学生主体に立ち上げた「ライオン学校」が引き継ぎ、以降法人が後方支援を行う
8月 「東日本大震災支援事業」において、神戸定住外国人支援センターと共催で「ライオン学校伊豆学習旅行」開催
陸前高田市立小友中学校・大和市立下福田中学校・すたんどばいみー共催の三者交流会を支援
11月 神奈川新聞「心豊かな街へ」欄に当法人紹介記事掲載
12月 神奈川新聞社・神奈川新聞厚生文化事業団より第25回神奈川地域社会事業賞受賞
2013年
1月 『小友中学校×すたんどばいみー×下福田中学校 交流会報告書』発行
学校支援活動教師・保護者支援部「小5・6教室」を「授業研究会(小5・6)」教室に改める
「エステレージャ・ハッピー」「Kokusai B.G.」を外国人支援活動子ども支援部「子どもの居場所・学習教室」として位置づけ
2月 教育講演会開催。テーマ:「つなぐ力・のりこえる力・・・被災地の実践から、教育の可能性を学ぶ」 講師:岩手県陸前高田市立小友中学校校長 加藤 清 先生、福島県南相馬市立原町第一小学校教諭・日本作文の会副会長 白木次男先生
5月 「子どもの居場所・学習教室」「お父さんとお母さんのための日本語教室」「生活相談」を県中央地域労働者福祉協議会との共催で開始
2014年
1月 学校支援活動を再編、「教師相談」「研究者による支援」「教育ボランティア」を統合し「学校相談・教師相談」として開始
2月 定期総会にて「Ed.ベンチャー行動宣言」採択
教育講演会開催。テーマ:「『語るべき未来』を探る~原発事故が意味するものと『里』の思想」 講師:立教大学大学院教授 内山 節 先生
4月 『会報』に代わり広報紙『Ed.ベン便り』発行開始
12月 「生活相談」終了
2015年
2月 教育講演会開催。テーマ:「しんどい子を支えることはしんどい子のためだけじゃない」 講師:大阪大学大学院教授 志水宏吉先生
10月 合同理論学習会「第1回 学校教育につなげる労働をめぐるルール」開催。
11月 合同理論学習会「第2回 ブラック企業の実態と対処法」開催。
12月 授業研究会<小5・6教室>終了。
お父さんとお母さんのための日本語教室終了。「すたんどばいみー」の日本語事業に移管。
学校相談・教師相談終了。
2016年
1月 かながわボランタリー活動推進基金21ボランタリー活動奨励賞 受賞
2月 教育講演会開催。テーマ:「グローバリズムの果てを問う-新自由主義への決別と創造の意志-」 講師:文筆家・実業家 平川克美先生
3月 厚木在住の外国児童生徒を対象とした学習支援教室「Kokusai B.G」を終了。「エステレージャ・ハッピー教室」に統合。
合同理論学習会を「授業研究会(労働教育)」として継承。
第1回「外国人子ども支援ボランティア養成講座」開催。
4月 「産休・育休ママのための学習会」を開始
6月 神奈川県厚木保健福祉事務所委託事業として学習支援教室「Friends☆Star」開始
8月 第2回「外国人子ども支援ボランティア養成講座」開催。
11月 スタディーツアー実施。
2017年
2月 定期総会にて「新 行動宣言」採択
教育講演会開催。テーマ:「シフトダウンへの冒険 -「弱さ」の思想と生き方-」 講師:ナマケモノ教授・文化人類学者・環境活動家・明治学院大学 教授 辻 信一 先生
2018年
2月 教育講演会開催。テーマ「(この時代のわたしたちの)未来への責任-憲法論議の先に見えるもの-」講師:憲法学者・学習院大学法科大学院 教授 青井未帆 先生
2019年
2月 教育講演会開催。テーマ「原発労働と私たち・・・そして教育 知るべきこと伝えるべきこと」講師:ピアノ弾き語り音楽家・エッセイスト 寺尾紗穂 氏
2020年
2月 教育講演会開催。テーマ「ヤングケアラーを考える-子どもの視点から学校教育を問い直す-」講師:成蹊大学文学部 准教授 澁谷智子 先生
10月 教育講演会連続講座第1回(座談会)開催。テーマ「教育の不平等と学校の役割」話題提供:日本女子大学人間社会学部 教授 清水睦美 先生
11月 教育講演会連続講座第2回(講演会)開催。テーマ「教育においてICTを飼いならすために」講師:京都大学大学院教育学研究科 教授 石井英真 先生
12月 教育講演会連続講座第3回(講演会)開催。テーマ「なぜ、少人数教育が必要なのか」講師:東京大学大学院教育学研究科 教授 本田由紀 先生
2021年
1月 教育講演会連続講座第4回(座談会)開催。テーマ「偏見・差別・自粛警察を考える」話題提供:帝京大学文学部 准教授 山口 毅 先生
2月 教育講演会連続講座第5回(講演会)開催。テーマ「コロナ禍で考える未来の社会と教育」講師:同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 教授 岡野八代 先生
2022年
2月 教育講演会開催。テーマ「児童虐待から家族・貧困・社会を考える-コロナ禍で置かれた女性の位置」講師:日本女子大学人間社会学部 教授 周燕飛 先生
2023年
2月 教育講演会開催 テーマ「逃れられない問題としての『女性の生きづらさ』」講師:東京大学大学院教育学研究科 教授 本田由紀 先生