【事業総括】
2018年度における当事業の新規対象者は居らず、面談を継続している対象者は2名でした。定期的な面談を行うことで、返金の確認と生活相談をすることができ、対象者の不安をとり除く一助となりました。
2009年より始まった本事業は、2014年以降の新規対象者がいないことから、2018年度をもって終了とします。新たな保証人の問い合わせへの対応、及び現在継続中の2名の面談については、教育相談事業が引き継ぎます。
保証人事業(2018年度にて終了)
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保証人支援の経過と成果 Nは高校入学の際にEd.ベンチャーのメンバーが保証人となり、①社協の高校支度金、②県の奨学金の2種類の借入を行った。2014年3月に学校を終え返済が始まったが、就職はせずアルバイトと趣味で過ごすという非常に不安定な生活が続き、返済が滞るようになった。そこで2015年から保証人事業で月1回の面談を設定し、返済・生活状況の確認とアドバイスを行うようにした。生活が落ち着いてきた2016年からは、1月と7月の年2回報告会を開き、返済・生活状況を確認してきた。その結果①は2017年3月に返済が終了し、②は2019年10月現在で1/3の返済が終わっている。現在も毎月返済しているが滞納はない。保証人事業の終了に伴い、2019年から報告会は教育相談が引き継いでいるが、10月の報告会ではしっかりとした話しぶりで成長が感じ取れた。アルバイトだが2年半同じ職場で働くことで生活のリズムができ、仕事にも慣れて自信がついてきたことが、表情から窺い知れた。今後も年1回の報告会を続けると共に、必要があれば適宜面談も行う予定である。 社会人となった当初は、働くイメージがなく漠然とした夢を描くだけで、自立した生活を真剣に考えることはできなかった。しかし、定期的な面談や報告会の中で、多くの大人から生活費のやりくりの仕方、保険・年金・税金といった社会生活上必要な知識、日本で外国人が働く際の厳しい現実等について話をされ、様々な助言を受けたことで、ゆっくりではあるが日本社会で働いて生きていくために今後どうしたらいいかを自分自身で考え始めている。外国人の若者が学校卒業後に日本社会で働いて生きていくには、わからないことが多く、行きづらさが増すであろうと想像される。ある程度生活が軌道に乗るまで、Ed.ベンチャーが相談役として必要に応じて関わることは、大いに意義があることと思う。 2019年秋
2020年10月01日 保証人支援の経過と成果
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7月保証人事業報告会(定例)の報告 7月21日(金)大和市文化創造拠点シリウス603号室にて、定例の保証人事業報告会を開催しました。参加者は保証対象者1名と他9名です。4月から保証対象者は1名となり、近況報告を行った後、他の参加者からの質問やアドバイスを受けました。 保証対象者のAは、相変わらずのアルバイト生活で、ふたつの仕事を掛け持ちしています。収入はさほど多くはありませんが、何とか生活できるそうです。返金に関しては、3月に社協への返金が終了し、保証人にも文書で連絡がいきました。残るふたつの奨学金の返金は、毎月滞ることなく行っているとのことです。そろそろ真剣に就職を考えなければいけないと感じているようですが、やりたい仕事が思い浮かばず、今年中には決めていく方向で動きたいとのことでした。 一方、2月に奨学金の返済を終了したBは、今回の報告会で直接現状報告をしたいという気持ちがありましたが、仕事の都合で出席できず、文書による報告となりました。仕事も生活もようやく安定してきたようですが、まだ基金の返金があるため、今後も月1回の面談は行っていく予定です。 次回の報告会は2018年1月を予定しています。(GY)
2017年07月21日 7月定例報告会
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1月保証人事業報告会(定例)の報告 1月28日(土)渋谷中学校「下和田の郷」会議室にて、基金の会報告会と合同で、保証人事業報告会を開催しました。保証対象者3名のうち2名が参加し、近況報告と返済状況を作文を読み上げる形で行いました。仕事で欠席の1名分は、代読の形をとりました。 Aは、奨学金の返済免除の条件である「3年間指定の職場に勤めること」を3月でクリアしたため、返済を免除されることとなりました(3月末日に報告がありました)。社会人として多忙な中、仕事にやりがいを感じている一方で、すたんどばいみーの活動になかなか参加できない自分に負い目を感じたり、家と職場を行き来するだけの毎日に疑問を持ったりと、もがきながらも懸命に生きている様子が伺われました。4月からは新人指導にあたるとのことで、新たな生活が広がってくると思われます。 Bはアルバイト生活2年目にあたりますが、アルバイト先を転々と変え、細々と生活している状態です。毎月の返金は行っていますが、今後を見越した生活設計は全くできていないようで、参加者から資格を取った方がよいのでは、といった助言がありました。夏の報告会以前に面談をする必要があると感じました。 Cは、昨年2月に職場を変えたことで1年間収入が安定し、今年2月に奨学金の返済を完了することができました。紆余曲折を経ながら、少しずつ社会の仕組みを知り、自分を守るために必要な行動を身に付け、社会人としてたくましくなってきているように思われます。現在は、将来を見越した貯蓄や資格取得に向けた勉強を始めていますが、今年2月からまた職場を変えることになり、生活が安定するまでには、まだ時間がかかりそうです。今後も月1回の面談を行っていく予定です。 次回の報告会は7月を予定しています。対象者はBのみとなります。(GY)
2017年04月19日 1月定例報告会
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7月28日(木)今年度2回目の保証人事業報告会を開催しました。対象者3名は、それぞれ作文に沿って、現在の生活状況と抱えている問題を報告し、借りている金額・残高・月の支払金額も確認しました。3名とも仕事上の悩みをそれぞれ抱えながらも、返済は滞ることなく順調に行われています。 Sは、看護師として働き2年が過ぎました。昨年までは、仕事や生活にかなり不安を抱えていて心配していましたが、今は夜勤や後輩の指導にも慣れ、生活のリズムもでき、表情にも自信が表れてきました。給料も上がり、貯金もできるようになったとのことです。3月まで現在の病院で働けば、看護学校の奨学金を返済しなくてすむことになっており、何とか頑張れそうとのことです。 Nは、アルバイトを転々としながらの生活です。夢だったバンドは休止し、3月からは実家を出て同棲を始めています。それでも、収入の一部を実家に入れているため、生活は苦しいようです。元々贅沢をする方ではないので生活は何とかできているようですが、先の見通しがたたないのが難しいところだと感じます。まずは自動車免許をとり、そこから何かを始めようと考えている様子で、長い目で見た生活設計ができるよう、今後もアドバイスが必要になると感じています。 Gは、以前の職場の待遇がかなりひどかったため、1月に職場を変えましたが、落ち着いてくると、現在の職場の待遇にも不安を覚えはじめています。現在の請負という立場では、労働条件に関して文面で確認できていないことが多く、特に保険の加入や税金の支払いも不安定なため、確定申告に備えて毎月一定額の貯金をはじめているようです。30歳を目前に結婚も視野に入れ、転職すべきかも悩んでいる様子です。以前に比べて自分の状況を把握し、環境を変えることを考えるようにはなりましたが、具体的な動きまでには至らないことが多いので、今後も毎月の面談を継続していきたいと考えています。
2016年10月16日 第2回保証人事業報告会