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7/13事例研究会開催(Zoom) 外国人の子ども理解の学習会では、下記のとおり事例研究会を開催します。 日時:7月13日(土)13:30~15:30 オンライン(Zoom) 事例:「問題行動が心配される子ども」 事例提供:大和市内小学校教諭 今回は小学生の事例です。複雑な家庭環境の中で、さまざまな問題行動が心配される子どもの事例を提供していただきます。国際教室の支援としてできることは何か等を協議していきます。 参加を希望される方は、事例研究会担当の篠原(h-sunflower@jcom.home.ne.jp)までメールでお申し込みください。資料とZoomに関する情報を後日お送りします。参加をお待ちしています。 ※お預かりした個人情報は学習会に関するご連絡以外には使用いたしません。 お知り合いの先生で、外国人の子どもの支援に関心を持たれている方がいらっしゃいましたら、事例研究会の開催についてご紹介いただけますようお願いいたします。
学校支援活動
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教室が賑やかになりました 【エステレージャ教室 1~2月報告】 南米にルーツのある中学生のBさんですが、教室に来てもとてもおとなしく、話を聞いていると学校も時々休みがちなようです。学校の宿題を持ってきて、勉強をすることはするのですが、自分から積極的に取り組むといった様子はあまり見られませんでした。 そんなBさんの教室の様子が今年に入ってちょっと変わってきたのです。 ある日Bさんは教室に母国語であるスペイン語の本を持ってきていて、それをずっと読んでいたのです。その日は、やはり南米の別の国にルーツのあるCさんも本を持ってきていたのですが、そのうち彼女たち二人が持ってきた本をそれぞれ交換したのです。しばらくすると、BさんとCさんがとても仲良く言葉を交わしています。二人はスペイン語で会話をしているので、何を話しているのか、その内容は分かりませんでしたが、あのおとなしいBさんが自信ありげに会話をしている姿がとても印象的でした。本当に些細なことかもしれませんが、自分の気持ちを自分の言葉でしっかりと口にすることができるということは、その人に自信を与える大きなきっかけになっているように感じました。 さて、そんな積極的な一面が見えたBさんでしたが、別の日にスタッフとの会話の中で最近ロックミュージックにはまりつつあるということを、今度は日本語で教えてくれたのです。そして自分の好きなバンドについて雄弁に物語ると、おじいちゃんからギターをもらったので、教室で練習したいと言い出したのです。 ちょうど同じ日に、新たに教室に通うことになった子どもたちがいて、学校で音楽の時間にリコーダーを吹いているのだが、その練習をしたい、という声が上がった時でした。子どもたちとスタッフが一緒に笛を吹き、それまで静かだった教室が一気に賑やかになりました。ですからBさんのギターの練習を断る理由などありません。その次の回からギターが弾けるスタッフがBさんに弾き方を教えることになりました。 それからBさんはほとんど毎回自分のギターを持参して、熱心に練習をするようになりました。家でも練習にかなり時間をかけているようです。勉強は大丈夫なのだろうかと心配になる部分もありますが、今までこれほどまでに何かに取り組んでいる彼女の姿を見たことがなかったので、もう少し様子を見守ろうと考えています。それは、勉強をあきらめてしまったということではなくて、ギターを練習することを通じて彼女が私たちに様々な話をしてくれるようになってきたからです。また、以前よりも日本語が滑らかに話せるようになっているように感じられることもあります。ギターを通して、彼女がどのような悩みを抱えているのか、どんなことに困っているのか、ということを知ることができれば、今後彼女の支援をする際にとても参考になります。また近い将来、彼女も自分の進路について考えなければならなくなりますが、その際にも彼女自身の考えや将来についての希望を理解するうえで大きな意味を持ってくると考えています。 一見回り道のようにも見えますが、私たちは、こうした子どもたちとのやり取りが、最終的には子どもたちが安心して学び語り合う場所を作り上げていくことにつながると考えています。
外国人支援・こども支援活動
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No.62状況の俯瞰的整理 Ed.ベンだよりNo.62が発行されました。 今回のEd.ベンだよりのタイトルは「学校を取り巻く状況を俯瞰的に整理してみる」です。 Ed.ベンだよりNo.62ダウンロード 今回のEd.ベンだよりでは、現在の学校教育が学校の内外から様々に追い詰められた危機的な状況にあると捉え、そうした状況にあるからこそ、客観的な状況の俯瞰的な整理が必要だと訴えています。そして俯瞰的に整理する際に、バウマンという社会学者の「リキッド・モダニティ(液状化する近代社会)」という概念を手掛かりとします。 気が付くと、何かにずっと追われ続けているような気がする・・・。 何か問題が起こると、すべて自分自身で対応しなければならないような雰囲気・・・。 誰かに相談したくても相談相手が見つからない・・・。 もしそんな経験があったら、今回のEd.ベンだよりを読んでみていただきたいと思います。 あわせて、8月上旬までに予定されているEd.ベンチャーの学習会についてもお知らせしております。多くのみなさま方の参加をお待ちしております。
Ed.ベンだよりPDF
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外国人の子ども理解の学習会では、下記のとおり事例研究会を開催します。 日時:7月13日(土)13:30~15:30 オンライン(Zoom) 事例:「問題行動が心配される子ども」 事例提供:大和市内小学校教諭 今回は小学生の事例です。複雑な家庭環境の中で、さまざまな問題行動が心配される子どもの事例を提供していただきます。国際教室の支援としてできることは何か等を協議していきます。 参加を希望される方は、事例研究会担当の篠原(h-sunflower@jcom.home.ne.jp)までメールでお申し込みください。資料とZoomに関する情報を後日お送りします。参加をお待ちしています。 ※お預かりした個人情報は学習会に関するご連絡以外には使用いたしません。 お知り合いの先生で、外国人の子どもの支援に関心を持たれている方がいらっしゃいましたら、事例研究会の開催についてご紹介いただけますようお願いいたします。
2024年07月06日 外国人の子ども理解の学習会 7/13事例研究会開催(Zoom)
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授業研究会では、6月15日(土)に研究会を開催します。 日時:2024年6月15日(土)16:00~ 場所:大和市文化創造拠点シリウス607 新卒2名の先生方より、4月に開催された研究会に続き、その後の経過を報告していただくことになっています。 あわせて、新卒3年目で1年生を担任をしている先生より、1年生の学校生活が「訓練」になっていることについて、批判的観点からの検討をしていただきます。 理論学習会に続き、ご参加ください。 なお、オンラインで参加希望の場合には、toiawase@edventure.jp までご連絡ください。
2024年06月13日 授業研究会 6/15授業研究会開催
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6月15日理論学習会開催 理論学習会では、6月15日に下記のテーマについて学習会を開催します。 ご興味のある方は、ぜひお越しください。 学習会テーマ 「子どもが戦争と平和への理解を深めるためには」 日時:2024年6月15日( 土 )13:30~15:30 場所 :大和市文化創造拠点シリウス 60 7 新型コロナウイルスが世界規模で感染拡大したあとの世界では、各地域で紛争が起こっています。ウクライナや中東での戦火は収まる気配が全く見えず、「平和」や「安全保障」を理由に、この国でも軍国化していることが危惧されます。 今、日本国内の動向、世界情勢など、「平和」が大きな転換点を迎えています。 学校は、平和な未来に向けて、子どもたちに何を伝えていかなければならないのでしょうか。学校だからこそできることは何か、参加者の皆さんと議論をしていきたいと思います。ぜひご参加ください。 お互い顔を合わせ、言葉を積み重ねていきたいと思います。皆さんの会場でのご参加をお待ちしています! 6月理論学習会チラシ(PDF)←ダウンロードはこちらから オンラインでの参加も可能です!オンラインで参加希望の方は、 所属・お名前を下記eメールアドレスまでご連絡ください。 連絡・お問い合わせ先:rironngakusyuukai@gmail.com
2024年06月13日 理論学習会 6/15学習会を開催します
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事例研究会は、外国にルーツを持つ子どもたちの具体的な事例を通して、かれらの背景にある事情や問題を読み解く力をつけていくというねらいで開催しています。今回は3月27日と5月18日に開催した事例研究会の報告です。 【3月事例研究会】 日時:2024年3月27日(水) 19:00~21:00 事例:「不安を抱えた中学生」(事例提供:事例研究会担当スタッフ) 参加者:4名 2024年度初めの事例研究会は、研究会スタッフからの事例をもとに協議をしました。 スタッフから提供されたのは、学校生活の中で不安を抱えている中学生の事例でした。滞日期間は4年6か月となるが、来日以来オンラインで母国の教育を受けてきていたため、日本の学校生活経験は約1年という中学生についての事例でした。「日本語が分からない」「勉強が分からない」「心が通じあう友達がいない」という不安を訴え、欠席が多くなってきている中学生の様子が報告されました。 協議は、機会の平等のもと自己責任感が問われるようになっている学校について、参加者が意見交換することから始まり、学校が競争的になっていることが話題となりました。アドバイザーの先生からは、経験を客観視し言語化する力をつけていくこと、社会で生き抜く方略として自分で選択(自己決定)していく力をつけていくこと、失敗したらやり直せる環境を用意することが大切であるというアドバイスがありました。 教師は「教える」ということを役割と考えるため、子どもが「自己決定する」ということを忘れがちであると思います。「自己決定」という言葉はこれまでの研究会で何度も出てきましたが、忘れがちな言葉です。子どもと向き合うときには、自分自身の向き合い方(姿勢)を常に客観視していくことが必要だと思いました。 【5月事例研究会】 日時:2024年5月18日(土) 13:30~15:30 事例:「初めての国際担当経験から見えてきた子どもたちの困り感」(事例提供:大和市小学校教諭) 参加者:5名 昨年度、初めて国際教室担当を経験した大和市内の小学校の先生から事例を提供していただきました。国際教室を担当した当初は学習支援を中心に考えていたが、家庭状況によって、学習以外に困難を抱えていることに気づき、学校生活の支援の大切さを感じるようになったという報告がありました。さらに、子どもの支援を通して、担任をはじめとする教師の意識についても触れ、教師の意識の薄さが子どもの困り感につながっているように感じると、教師の意識の在り方についての指摘もありました。 これらの報告の後、三人の子どもの事例が挙げられました。このうち二人の子どもについては、国際教室の対応により、子どもの困り感が軽減されている事例でした。もう一人の子どもは、学校を休みがちで友達とのかかわりが少なく、語彙も少なくあまり話さない、教室での授業は静かに座って終わるまで過ごしているという、学校生活が不安定で今後が心配だという事例でした。 今回は、この子どもの事例をもとに協議をしました。協議の中では、子どもの家族関係が焦点となりました。家族関係のつらさがある子どもの支援では、まず家族関係を紐解いて支援の方向性を見つけていかなければならない、複雑さがないほうがいいというおおらかさのない目線があり、複雑な家庭環境の子どもへの支援が難しくなっているといった意見が出されました。また、国際教室と学級との関係も話題となり、国際教室の担当者が一番繋がりを作るのが難しいと感じているのが担任だと感じるということも話題となりました。子どもの語彙を増やすのは国際教室だけでは無理で、学級の教科の中での支援も必要であるのに担任と繋がる(担任の理解を得る)のが難しいという現状があることが挙げられました。 アドバイザーの先生からは次のようなアドバイスがありました。子どもの不安定さの背景には家族の不安定さがあり、子どもが話さないことの裏側を探る必要がある。家族の背景を知って家族関係の中で子どもができることが増えるようにしていく、子どもにとって資源が増えていくように支援をしていくことが必要である。さらに、近くにいる大人と話したことが良い経験に繋がっていくようにすることが大事である。 学校では、子どもの学習状況が中心に語られ、家族やルーツといった子どもの背景に目を向けること、語られることが少なくなっていると感じます。子どもの背景やルーツに目を向けることで、子どもの困り感を紐解くヒントが見つけられるということを知る研究会となりました。
2024年06月13日 外国人の子ども理解の学習会 【報告】3月・5月事例研究会
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2024年06月02日 Ed.ベン便り No.62状況の俯瞰的整理
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日時:2024年5月8日(水) 19:30~21:00(大和市シリウス 中会議室) 参加者:8名 内容:子どもアドボカシーを知っていますか~子どもの声を聴く意味、そして私たち一人ひとりができること~ 講師:相澤京美氏(NPO法人子どもアドボカシーをすすめる会 TOKYO) 今回の学習会では子どもアドボカシーをテーマに、子どもの権利条約や、子どもアドボカシーが注目されるきっかけ、実際の取り組みについて、子どもアドボケイトとして活動されている相澤氏からお話を伺いました。 学校現場が「アドボカシー」から遠い状況にあるという前提をふまえ、「まずは子どもたちに意見を表明する権利があることを知ってほしい」。また、子どもたちと接する大人に対しては「子どもが意思を表明する権利は、“いる”“いらない”という話ではなく、「当たり前にある権利」である」と知ってほしいとのお話がありました。 また、子どもアドボカシーにも独立型アドボカシー、フォーマルアドボカシー、インフォーマルアドボカシー、ピアアドボカシーなど、子どもたちの周りにいる大人それぞれの立場からできることがある(陥りやすいこともある)こと。それぞれの立場に良さがあり、子どもと接する誰しもが担えるものであるとのお話もありました。 私たち大人は、子どもからの声に対して、「解決しなければ」と考えがちです。しかし、たとえ願いが叶わなかったとしても、声をあげたことを誰かに受け止めてもらえた経験や、それに対して動く大人がいると知る経験が子どもにとっては大切であること。また、「意見を表明してよい」という実感を、声をあげる力に繋げていく必要があると感じました。この感覚は、子どもだけでなく、私たち大人にとっても必要なことだと感じました。 Ed.ベンチャーのこれまでの学習会でも指摘されてきた子どもの主体性とも繋がるお話で、学校現場でフォーマルアドボカシーとしてできることは何かを考える学習会となりました。 ≪ 学習会の感想より ≫ ●今回の学習会では、アドボカシーという言葉について理解することができました。 子どもの意思表明が権利であるという当たり前のことを知るとともに、大人である自分自身がその権利を侵害しているという事実を突きつけられました。教員として、そして1人の父親として、子どもとどう向き合えばよいのか、悩むことになりました。 これまでの教員生活の中では、子どもの気持ちを受け止め、どう現状を変えられるか、解決することができるかを考えてきた気がします。大切なことは、前提として子どもが「自分の意見を伝えていいんだ」と感じられる気持ちを持てているのか。そして、それを受け止めるだけの覚悟があるかどうかだと感じました。 フォーマルアドボカシーの立場で、自分自身に何ができるのか・・。教員という権力側から、どう子どもを尊重することができるのか・・。12月の実践報告の学習会に向けて準備をしたいと思います。 ●アドボカシーの立場のそれぞれの良さを知れてよかったです。特に自分は、できるだけピアアドボカシーを取り入れたいと思うのですが、まず「アドボカシー」や「独立アドボカシー」を知ることで話してみたい、ダメもとでも意見を言ってみる。もっと知りたい。そういう経験が子どもにも大人にも必要だと感じました。 ●子どもの意見を聞く上で、対面であることはどれくらい重視されるものでしょうか。教員としては生徒とのSNSは使用しませんが、生徒にとってはSNS上でのつながりを重視している場合も多いように感じます。姿の見えない相手でも、子どもにとってのアドボケイト足りうるのでしょうか。気になりました。 ●「子どもアドボカシー」という単語を初めて聞いたので、今回の勉強会で理念等を学ぶことができました。 子どもの意見表明権の問題は、大人の一方的な圧力によって侵害されているのではないかと思いました。他方で、SNSの発達で意見を表明する機会が昔に比べると増えているような気がするので、そのような場面をどう子どもたちに提供できるのか。その場面が増えることで、これまでよりもっと、子どもが意思表示ができるのではないかと、今回の勉強会を通して思いました。 ●子どもアドボカシーという言葉を初めて聞き、その内容を知ることができました。 Ed.ベンチャーの学習会の中でも「子どもの主体性」や「子どもはどうしたいのか」という言葉が出てきて、毎回、自分自身の子どもへの対応を振り返り、ハッとさせられてきました。今回のお話が、Ed.ベンチャーの学習会で指摘されてきたことにつながりました。 半面、今の子どもたちを取り巻く状況、特に学校は子どもアドボカシーから離れた状況にあると感じました。 ●「子どもたちの声を聴く」という当たり前に思えることがなかなか難しいのが、学校現場の実情なのかなと思います。コロナを経て、様々な場面で、指導的、制限的なことが多くなっていること、先生たちの余裕のなさが影響しているのでは、と感じます。 子どもたちと向き合うにあたって、アドボカシーという1つの視点を示してもらえました。かながわサポートドックについては、疑問を持っていたので、お話を聞けて良かったです。
2024年05月25日 インクルーシブ社会を目指す学習会 【報告】5/8学習会
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理論学習会報告 日時:2024年4月27日(土) 13:30~15:30 場所:シリウス603 テーマ:「戦後の学力観における学校現場の限界」 参加者:8名 今回は、戦後から現在までの「学力」の変遷に焦点をあて、時代ごとにどのような「学力」が求められてきたのかについて、整理しました。経済界が要求する人材育成と学校で子どもたちに求める学力観がつながっていて、時代と共にどんどん色濃くなってきていることが分かります。 戦後すぐ1947年には、経験主義の考え方に影響を受けた児童中心の教育観があり、まだ教科書がなく、教師が自分たちの裁量で教材を見つけてくるなど、各地域ならではの教育実践が数多くある時代でした。 その後、1958年以降、知識や技能の系統を重視する系統主義に変わっていきます。高度経済成長期の日本では、程度良質で均質な労働力の育成が求められ、経済成長を支える人材育成が進められます。 1980年以降はゆとり教育、1989年以降は個性重視と生きる力がキーワードとなり、社会の変化に対応していける「自己教育力の育成」への転換が謳われました。この頃、高度経済成長期が終わり、日本と同じ製品を外国でも作れるようになった結果、新しく高度で付加価値のある製品を生み出す必要が出てきました。 1998年ゆとり教育の拡大によって学力低下や学力格差の拡大が課題となり、脱ゆとり教育へ転換していきます。確かな学力や豊かな人間性、健康・体力を柱とする「生きる力」の育成に重点が置かれます。 現在は、予測困難な時代の中でも、自ら課題を見つけ、自ら学び、考え、判断して行動していく力が求められています。変化の激しい社会で生き抜く力を子どもたちに身につけようと、プログラミングや外国語など、さまざまなことを教えようしています。しかし、一方で不登校児童数は増加しており、その中でも無気力や不安から学校に来れない児童が半数以上いることが分かります。 また、都市部の学校に行くほど、クレーム対策としてクラス間の格差を減らそうと、教材や指導の仕方をそろえようという動きがあり、教師の裁量でのびのびと指導できる幅が狭くなっているところにも、学校の窮屈さを感じます。 子どもたちが安心して学べる学校をつくるにはどうすればよいのか、引き続き、次回以降の学習会でも考えていきたいと思います。
2024年05月22日 理論学習会 【報告】4/27学習会
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授業研究会報告:第1回(2月10日)・第2回(4月27日) 2024年度の授業研究会は、「どのような子どもも排除されない教室空間」を目指して、実際の授業実践を振り返ることを目的に実施されることになりました。第1回(2月10日)では、実際担任をしている先生たちを中心に、本事業の趣旨に則して、実際に学校や教室で起きていることを言語化することが試みられました。特に、ディスカッションの中で、観点を変えれば教室の見え方が変わることが明らかになり、どのような観点で教室をみているかを、教員自身が自覚的である必要が確認されました。 第2回(4月27日)は、新規採用として教員になった2人の先生から、勤め始めてから3週間ほどの間に経験したことを報告してもらい、それらについてディスカッションを行いました。発表者はいずれも特別支援担当として配属されたことから、特に、普通学級から取り出されてくる子どもとの関係で、多くの疑問を感じたことがわかるレポートでした。特に印象的だったのは、教員の意識の方に、普通級の子どもと特別支援の子どもという線引きが強いという発言です。具体的には、子どもにかける言葉が「差別的」と感じられるほどに違っているにもかかわらず、それに対して学校の中で問題化されることもないことや、校内で新任教員にかけられる声がけが「特別支援を希望したのか?」という類いのもので、そのニュアンスには「特別支援は特別な理由がない限り担当しない」という意味が含まれていることが感じられたというものです。 他方、地方から参加した教員からは、そもそも人数が多くないので、「分ける」ということそのものが当たり前になっていないという状況も報告され、人口が集中している都市部か、それとも過疎化が進む地方かで、子ども同士を分離するかどうかをめぐる対応にも違いがあることもわかってきました。特別支援をめぐる施策は自治体レベルでかなり異なっていることも確認され、制度そのものが「分離」を促進する場合もあり、「どのような子どもも排除されない教室空間」は、個々の教員の力量によって改善される部分については、制度そのものの方向性がどうなっているかを見極める必要があるという共通理解ができました。 2月10日(ハイブリッド)参加者 6名4月27日(対面のみ)参加者 11名
2024年05月12日 授業研究会 【報告】第1・2回授業研究会
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2024年04月30日 お薦めの書籍・文献 日本軍兵士
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2024年04月09日 Ed.ベン便り No.61総会・教育講演会報告
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外国人の子ども理解の学習会では、3月27日(水)に事例研究会を開催します。 外国人の子ども理解の学習会では、事例研究会を下記のとおり開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。2024年度最初の研究会となります。みなさまのご参加をお待ちしております。 日時: 3月27日(水) 19:00~21:00 Zoomによるオンライン開催 事例:「不安を抱えた中学生」 事例提供:事例研究会スタッフ 日本語や勉強が不安で、教室にいるのがつらいと感じている中学生の事例をもとに、協議をしていきます。 外国にルーツを持つ子どもたちにとって、安心できる教室について考えていきたいと思います。 参加を希望される方は、事例研究会担当篠原(h-sunflower@jcom.home.ne.jp)までメールでお申し込みください。研究会の資料とZoomのID、パスコードを後日お知らせいたします。 ※お預かりした個人情報は学習会に関するご連絡以外には使用いたしません。 お知り合いの先生で、外国人の子どもの支援に関心を持たれている方がいらっしゃいましたら、事例研究会の開催についてご紹介いただけますようお願いいたします。
2024年03月18日 外国人の子ども理解の学習会 3/27事例研究会開催(Zoom)
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【エステレージャ教室 1~2月報告】 南米にルーツのある中学生のBさんですが、教室に来てもとてもおとなしく、話を聞いていると学校も時々休みがちなようです。学校の宿題を持ってきて、勉強をすることはするのですが、自分から積極的に取り組むといった様子はあまり見られませんでした。 そんなBさんの教室の様子が今年に入ってちょっと変わってきたのです。 ある日Bさんは教室に母国語であるスペイン語の本を持ってきていて、それをずっと読んでいたのです。その日は、やはり南米の別の国にルーツのあるCさんも本を持ってきていたのですが、そのうち彼女たち二人が持ってきた本をそれぞれ交換したのです。しばらくすると、BさんとCさんがとても仲良く言葉を交わしています。二人はスペイン語で会話をしているので、何を話しているのか、その内容は分かりませんでしたが、あのおとなしいBさんが自信ありげに会話をしている姿がとても印象的でした。本当に些細なことかもしれませんが、自分の気持ちを自分の言葉でしっかりと口にすることができるということは、その人に自信を与える大きなきっかけになっているように感じました。 さて、そんな積極的な一面が見えたBさんでしたが、別の日にスタッフとの会話の中で最近ロックミュージックにはまりつつあるということを、今度は日本語で教えてくれたのです。そして自分の好きなバンドについて雄弁に物語ると、おじいちゃんからギターをもらったので、教室で練習したいと言い出したのです。 ちょうど同じ日に、新たに教室に通うことになった子どもたちがいて、学校で音楽の時間にリコーダーを吹いているのだが、その練習をしたい、という声が上がった時でした。子どもたちとスタッフが一緒に笛を吹き、それまで静かだった教室が一気に賑やかになりました。ですからBさんのギターの練習を断る理由などありません。その次の回からギターが弾けるスタッフがBさんに弾き方を教えることになりました。 それからBさんはほとんど毎回自分のギターを持参して、熱心に練習をするようになりました。家でも練習にかなり時間をかけているようです。勉強は大丈夫なのだろうかと心配になる部分もありますが、今までこれほどまでに何かに取り組んでいる彼女の姿を見たことがなかったので、もう少し様子を見守ろうと考えています。それは、勉強をあきらめてしまったということではなくて、ギターを練習することを通じて彼女が私たちに様々な話をしてくれるようになってきたからです。また、以前よりも日本語が滑らかに話せるようになっているように感じられることもあります。ギターを通して、彼女がどのような悩みを抱えているのか、どんなことに困っているのか、ということを知ることができれば、今後彼女の支援をする際にとても参考になります。また近い将来、彼女も自分の進路について考えなければならなくなりますが、その際にも彼女自身の考えや将来についての希望を理解するうえで大きな意味を持ってくると考えています。 一見回り道のようにも見えますが、私たちは、こうした子どもたちとのやり取りが、最終的には子どもたちが安心して学び語り合う場所を作り上げていくことにつながると考えています。
2024年03月08日 子どもの居場所・学習教室 教室が賑やかになりました