授業研究会報告:第1回(3月29日)
参加者11名(対面のみ)
2025年度の授業研究会の一つの柱は、東京一極集中を促してきた高度経済成長の背後の資本主義に焦点をあてつつ、東京と地方の教育にどのような格差を生みだしてきたのか、また、その格差を解消するための道筋として、どのようなことを考えればいいのかを検討するということです。
今回は卒業論文で「脱資本主義の思想としての地方移住の可能性を考える-教育観や子育てに対する考え方に焦点を当てて-」に取り組んだ門井みなみさんに報告をお願いし、それをもとに検討を行いました。
論文に対しては、現在の学校教育が資本主義の担い手育成の装置になっていることを明言しており共感がもてた。また、地方移住に資本主義からの逃れる可能性を見出している人々がいるものの、そこで新たな価値観に出会うのではなく、再び子育ての中で資本主義に絡めとられていくことへの葛藤が見受けられることも興味深かった、という感想があがりました。
他方、今回の論文検討を通して、次の課題を検討する必要が共有されました。
①地方に都市部とは違った価値観を見出しているとすれば、それは何であるのか、そこに学校教育を絡んでいくことができるのか。
②人間の権利に対する考え方の浸透は、外国人労働者の処遇などの問題は見れば、地方より都市部の方が進んでいるように見えるが、この問題をどのように考えていくのか。
③地方の中に入り込んで、都市部の資本主義とは異なる社会経済活動を構築する動きがあるとすれば、そのような具体的な事例があるのか。
以上の課題は、今後の研究会の中で深めていくことになりました。