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10/5学習会開催のお知らせ インクルーシブな社会を目指すための学習会では、下記のとおり学習会を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。 テーマ「地域と学校の連携~地域とのつながりからできること~」 講師:漆原豊和氏(児童養護施設職員) 西岡 歩氏(中学校教諭) 日時:10月5日(木)19:30~(Zoomによるオンライン開催) 子どもたちが過ごす場は、学校だけ、家庭だけ、ではありません。子どもたちとかかわりのある大人がつながり、それぞれの立場や役割を通して連携し、子どもたちの生活を支えることで、安心して過ごせる場が増えるのではないでしょうか。しかし、現実にはなかなか地域とつながることが難しいという声も聞かれます。 今回は、学校と地域のつながりを少しずつ作り出している事例を提供いただき、きっかけや成果、また困難さを検討してみたいと思います。講師の方のお話を伺いながら、インクルーシブな社会を目指して、学校と地域がどうつながりを持つことができるか、考えていきたいと思います。 地域とのつながりチラシ(←ダウンロード(PDF)) 参加ご希望の方は、担当 森尾(hiratukamorio@yahoo.co.jp)まで、メールにてお申し込みください。ZoomのID等を後日お知らせいたします。
学校支援活動
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日本語の作文と支援 【エステレージャ教室 5~6月報告】 エステレージャに来る子どもたちは、学校の宿題を持参して取り組んでいきますが、学期末になると、振り返りシートを教室に持ってきて、記入をしている小学生がいます。振り返りシートは、各教科の学習や学級生活の取り組みを振り返り、文章表記をするものです。 今年度も、また振り返りの時期がやってきました。6年生になったAさんが、振り返りシートを持って教室にやってきました。記入欄を全部日本語で埋めなければならないため、「今日は宿題よりもこっちを先にやる。」と言って、スタッフと一緒に記入をしました。「〇〇を頑張った。」と記入するのが精一杯で、一人で空欄を日本語で埋めるのはとても大変です。スタッフは、「どんなことをして頑張ったの?」「どんなことができるようになったの?」「去年はどうだったの?」など質問をしてAさんから答えを引き出して、日本語で書いていく手伝いをしました。Aさんは、5年生の時よりも自分で考えて書けることが増え、漢字を使うことも増えて、成長が見られました。振り返りシートのすべての欄を埋め尽くした時、Aさんは「できた。一人でやったら5時間かかるから、終わってよかった。」とほっとした様子でした。 外国にルーツを持つ子どもたちにとって、日本語で作文をすることはとてもハードルの高い作業です。日本語で会話ができていても、「書く」ということが苦手な子どもがほとんどです。会話は対面で行われるので、言葉の使い方が多少違ったとしても、話の流れや話し手の表情や言葉から、聞き手が言いたいことを予測したり、分からないことを聞き返して確認してくれたりするので、話し手にとって言いたいことを伝えやすいのです。文字を通して伝えることは、読み手が書かれた文章の言葉から、書き手の言いたいことを予測したり聞き返して確認したりしてくれることは期待できないので、的確な言葉や文章構造を使って作文をしていかなければなりません。それが、外国にルーツを持つ子どもたちにはとても難しいことなのです。ですから、支援者が子どもの話を聞きながら、子どもの言いたいことを一緒に文章にしていくことが必要になります。 Aさんのことを通して、日本語が話せれば、外国にルーツを持つ子どもも日本人と同じように作文も書けるだろうと思われていることが多いのではないかと感じます。外国にルーツを持つ子どもの支援は、かれらが置かれている状況を知ることで、支援の仕方が変わってくるのだと思います。(SH)
外国人支援・こども支援活動
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No.57原発に反対します! Ed.ベンだよりNo.57が発行されました。 今回のEd.ベンだよりのタイトルは「今、声を大きくして言います。『原発に反対します!』」です。 Ed.ベンだよりNo.57「今、声を大きくして言います。『原発に反対します!』」ダウンロード 連日身体が溶け出すような暑さが続きます。天気予報の画面で「35℃」という数字を見ても、あまり驚かなくなってしまいました。雨の降り方も尋常ではありません。「観測史上初」という枕詞にもやはり驚かなくなりました。こうした例年にない異常な気象は今後当たり前になってくるのだろうという声も聞こえます。「異常」が「当たり前」になったからと言って、それで問題が解決するわけではありません。やはり何とか温暖化を早急に食い止めることが必要です。 しかしだからと言って、拙速に「原発回帰」を許してはならないでしょう。10年以上経過しても未だ出口が見つからない福島第一原発の事故とその後の処理から、私たちは何を学んだのでしょうか。 どう考えても、他の発電方法よりもコストもリスクも大きすぎる原子力発電について、連日の異常気象と照らし合わせながら考えなければならないのではないでしょうか。ぜひ今回のEd.ベン便りをお読みください。 あわせて、9月までに開催予定の学習会についてもお知らせしております。ぜひご参加ください。
Ed.ベンだよりPDF
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インクルーシブな社会を目指すための学習会では、下記のとおり学習会を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。 テーマ「地域と学校の連携~地域とのつながりからできること~」 講師:漆原豊和氏(児童養護施設職員) 西岡 歩氏(中学校教諭) 日時:10月5日(木)19:30~(Zoomによるオンライン開催) 子どもたちが過ごす場は、学校だけ、家庭だけ、ではありません。子どもたちとかかわりのある大人がつながり、それぞれの立場や役割を通して連携し、子どもたちの生活を支えることで、安心して過ごせる場が増えるのではないでしょうか。しかし、現実にはなかなか地域とつながることが難しいという声も聞かれます。 今回は、学校と地域のつながりを少しずつ作り出している事例を提供いただき、きっかけや成果、また困難さを検討してみたいと思います。講師の方のお話を伺いながら、インクルーシブな社会を目指して、学校と地域がどうつながりを持つことができるか、考えていきたいと思います。 地域とのつながりチラシ(←ダウンロード(PDF)) 参加ご希望の方は、担当 森尾(hiratukamorio@yahoo.co.jp)まで、メールにてお申し込みください。ZoomのID等を後日お知らせいたします。
2023年09月16日 インクルーシブ社会を目指す学習会 10/5学習会開催のお知らせ
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事例研究会は、外国にルーツを持つ子どもたちの具体的な事例を通して、彼らの背景にある事情や問題を読み解く力をつけていくというねらいで開催しています。今回は7月5日に開催した事例研究会の報告です。 【7月事例研究会】 日時:2023年7月5日(水) 19:00~21:00(Zoomによるオンライン開催) 内容:授業研究(「対話」を取り入れた授業研究) 参加者:4名 7月は授業研究を行いました。4月26日に開催された外国人の子ども理解のための学習会で、講師の宮崎あゆみ氏と清水睦美氏から、「外国人の子どもたちの自己形成~対話の持つ意味」について講義をしていただきました。 今回の研究会では、4月の学習会を受けて、「対話」を取り入れた授業研究を行いました。 スタッフより、4月の講義内容について確認をしてから協議に入りました。協議では、学校の中での子どもの「語り」がまず話題になりました。授業を進めていくことが中心となり、子ども同士、子どもと教師の間の語りが少ない。道徳の時間に語りの時間はあるが、それは教師がおぜん立てした語りであって、今の学校の中で語りが可能な時間は休み時間となっているのではないかとの指摘が小学校の先生からあがりました。また、国際教室を担当されている先生からは、国際教室では先生と子ども2人という形で授業をしていて、授業の時にはおしゃべりを自由にさせているが、大人数での語りの中で個人の経験を語ることは難しいのではないかと感じるという意見が出されました。 続いて、子どもの語りを保障するための実践として、小学校の先生からは、人に対して語らない子ども、自信のない子どもに声をかけるようにしていると、子どもが語りたいことをポツポツと語るようになってくるという報告がありました。そして、周りの大人に聞いてほしいことを話す時間が今の学校生活の中で失われている、語りに来ない子どもはどこで語りたい思いを消化できているのだろうかという疑問が出されました。さらに、先生たちに気持ちのゆとりがなく、子どもから話を聞きだすことが多くなっていて、子どもの語りを聞く時間がなくなっているとの指摘もありました。国際教室担当の先生からは、国際教室にふらっとやってきて「実は・・・」と言い始める子がいて、教室では語れないことを語る場所を提供することが大事だと感じるという意見が出されました。そして、参加された先生は、担任とは違う立場で子どもに関わっているため、子どもが担任に話せないようなことを聞けるようにしているという、聞き手の姿勢にも触れていました。 アドバイザーの先生からは、子どもが語る行為が行えれば、どういう形での語りでもよい。子どもが語ったときのリアクション、受け止める、流さないといった聞き手の姿勢が重要である。語る場が、「こうしなければここにいてはいけない」という場ではなく「できなくてもそこにいていい」という場になれば、子どもは語れるようになる。とのアドバイスがありました。そして、子どもが先生の管理や評価の対象になると子どもが語る時間がなくなっていくという指摘もされました。 協議を通して、子どもが語れる環境を大人(教師)が用意する、それは時間や場所だけではなく、聞き手としての大人(教師)の姿勢をしっかりと持つことだということを確認できました。先生や友達と語り合える時間や場所をもっと作っていくことが必要ですが、もっと多くの大人(教師)が、子どもたちが「語りたい、語ってもいい」と思える聞き手になっていくことから始めなければならないと感じます。今回の授業研究を受けて、子どもの語りの聞き手となることを今まで以上に意識し、聞き手としての実践を行い、実践報告をしていく予定です。
2023年08月27日 外国人の子ども理解の学習会 【報告】7月事例研究会
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2023年08月23日 Ed.ベン便り No.57原発に反対します!
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2023年08月23日 お薦めの書籍・文献 親といるとなぜか苦しい 「親という呪い」から自由になる方法
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授業づくり学習会 テーマ「個別の学び」を「集団の学び」にするには 日 時 :8月26日(土)13:00~15:00 場 所 :大和市文化創造拠点シリウス 603 会議室 今回の理論学習会は、授業実践の報告をもとに、「個別の学び」を「集団の学び」へ と展開する授業づくりを考えていきます。 4月に開催した「個別最適な学びをどう捉えるか」をテーマとした学習会では、「個別 最適な学び」に焦点を当て、課題を整理しました。「個別の学び」から「協働的な学び」 につなげるための視点や授業展開、学習活動の工夫などを考えていきます。 これからの学校ではどのような授業が求められるのでしょうか。また、次代を担う子ど も達に必要な「学び」とはどのようなものなのでしょうか。参加者の皆さんと一緒に話し 合い、考えていきたいと思います。ぜひご参加ください。 ☆オンラインでの参加も可能です!オンラインで参加希望の方は、 所属・お名前をこちら(Eメール)までご連絡ください。 → rironngakusyuukai@gmail.com チラシもご覧ください 8月理論学習会チラシ
2023年08月19日 理論学習会 8/26学習会のお知らせ
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2023年07月30日 お薦めの書籍・文献 「日本」ってどんな国?国際比較データで社会が見えてくる
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日時:2023年7月6日(木) 19:30~21:00(Zoomによる) 参加者:7名 内容:「家出する女の子は何を語るのかー家のこと、学校のこと―」 講師:橘 ジュン氏(NPO法人BONDプロジェクト代表) 今回の学習会では、10代・20代の女性に寄り添い、精神的・物理的な居場所をつくる活動を続けるBONDプロジェクト代表の橘ジュンさんを講師にお呼びし、家庭や学校が居場所にならない女性たちが直面している苦しさについて学びました。 BONDプロジェクトに寄せられる悩みは多岐にわたりますが、自身が何に対して困っているか言葉にするのが難しい、どのようにして欲しいかも分からないとったケースも多いそうです。「心の不調」や「自殺念慮」、「自傷行為」などの苦しさを最初に訴えることが多いが、寄り添いやり取りを重ねる中で、その根底に「家族」に関する悩みが、さらにその背景に「貧困」や「性被害」といった深刻な問題があるケースもみられます。 ゆっくりと関係性を築く中でしか、本当の苦しさを表明することはできないということを改めて実感しました。街頭で声をかけ活動の紹介をしても、友人の手前その場で悩みを打ち明けられない女の子もいるそうです。どのタイミングで相談をするのかも本人にゆだね、居場所があることを伝えてその居場所を維持していくことが何よりの救いになるのだと思いました。 また、「どのような環境に置かれていても、子どもは親が大好き」であり、家族の悩みを相談することを親に対する裏切りと捉えてしまう心情など、学校で教師に悩みを打ち明けられない子どもたちの素直な気持ちも知ることができました。家族・家庭に対する苦しさを相談することが簡単なことではないということは、今後子どもと関わっていく中で念頭に置かなくてはいけないと感じます。 学習会の中では、相談に同行していた教員が、その子を保護するにあたり、虐待の状況を家庭に確認しようとしたという事例も紹介されました。保護者の許可よりも大切にすべきことは何か、目の前の子どもの声を受け止め、目の前の子どもの保護を最優先に考えて行動に移すことの難しさについて改めて考えさせられました。 18歳を過ぎると児童相談所が関与できず、高校を卒業をした女性に対する支援はさらに難しくなるという現実も知ることができました。無自覚な場合も含め、苦しさを抱えながら生きる子どもたちが大勢いるという現状。安心できる大人との出会いは大きな財産となる。そのうえで、教師・学校が子どもたちの”居場所”になるためにできることは何か。子どもたちが長い時間を過ごす学校で働く教師としてできる寄り添い方とは何かと、考えを深める学習会となりました。
2023年07月29日 インクルーシブ社会を目指す学習会 【報告】7月6日学習会
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事例研究会は、外国にルーツを持つ子どもたちの具体的な事例を通して、彼らの背景にある事情や問題を読み解く力をつけていくというねらいで開催しています。今回は6月10日に開催した事例研究会の報告です。 【6月事例研究会】 日時:2023年6月10日(土) 13:30~15:30 オンライン(Zoom) 事例:「中学校への適応がうまくいっていないと思われる子ども」 事例提供:事例研究会担当スタッフ 参加者:3名 6月は、Ed.ベンチャーが主催するエステレージャ☆ハッピー教室に通う中学1年生の子どもの事例をスタッフから報告しました。 小学校高学年の頃から登校時間が近づくとトイレに行ったりしてグズグズし、遅刻を繰り返す、宿題は出さないという毎日を送っていた子どもの事例です。中学生になると、入学式当日「行きたくない」とぐずって遅刻をして出席、勉強は嫌いだけれど遊びは好きなのに遠足を欠席、中学生になっても相変わらず遅刻を繰り返している。エステレージャには「行きたくない」と言いながらお母さんに送られて不満そうな表情でやってくる。手ぶらでやって来て、勉強はしないでスタッフと話をして過ごし、しばらくすると表情が和らいで、スタッフや友達と一緒に楽しそうに遊んで帰る。といった心配な様子が見られる子どもの様子を報告でした。 協議の中で、中学校の先生から、今は部活に頑張っているが、今後同じような心配が予想される子どもがいることが報告されました。アドバイザーの先生からは、日本人は、〇〇に行ったらこうする、△△に行ったらこうするというように、規則で人との関係を結び、その場にふさわしい振る舞いをする。外国人の子どもの場合は、人との関係性作りが日本人とは違っている。事例で挙げられた子どもと同じ国出身の子どもの場合は、人との関係で生きていることが多く、関係を壊さないようにルールを決めているため、家族という関係の中から学校やエステレージャといった家族以外の場所に入るときには、家族以外の人との関係を作っていくことに対する不安感が高くなるので、次の関係に入っていくように仕組むことが必要だというアドバイスがありました。さらに、エステレージャでできることとして、今取り組んでいる集団学習や新しい学習のヒントになるアドバイスもいただきました。また、中学校の先生からの報告に対しては、関係性で生きている外国人の中学生は、受験の時期に注意が必要だ。受験は個の問題になるため関係性が切れてしまうので、関係の組み直しが必要になってくる。エステレージャと学校どちらの子どもにも必要なことは、規則の緩い関係性でやっていける場を作ることだというアドバイスがありました。 今回の研究会を通して、日本人と外国人の子どもの人との関係の作り方の違いを知ることができ、子どもたちが新たな関係性を結ぶことにストレスを感じなくてすむように学校や地域の支援の場所が、「規則の緩い関係性でいられる」場所になれるような居場所づくりをしていくことが大切だということを感じました。また、外国人の子どもたちの居場所となる場所がいろいろな所にあることが理想だとも感じました。
2023年07月23日 外国人の子ども理解の学習会 【報告】6月事例研究会
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【エステレージャ教室 5~6月報告】 エステレージャに来る子どもたちは、学校の宿題を持参して取り組んでいきますが、学期末になると、振り返りシートを教室に持ってきて、記入をしている小学生がいます。振り返りシートは、各教科の学習や学級生活の取り組みを振り返り、文章表記をするものです。 今年度も、また振り返りの時期がやってきました。6年生になったAさんが、振り返りシートを持って教室にやってきました。記入欄を全部日本語で埋めなければならないため、「今日は宿題よりもこっちを先にやる。」と言って、スタッフと一緒に記入をしました。「〇〇を頑張った。」と記入するのが精一杯で、一人で空欄を日本語で埋めるのはとても大変です。スタッフは、「どんなことをして頑張ったの?」「どんなことができるようになったの?」「去年はどうだったの?」など質問をしてAさんから答えを引き出して、日本語で書いていく手伝いをしました。Aさんは、5年生の時よりも自分で考えて書けることが増え、漢字を使うことも増えて、成長が見られました。振り返りシートのすべての欄を埋め尽くした時、Aさんは「できた。一人でやったら5時間かかるから、終わってよかった。」とほっとした様子でした。 外国にルーツを持つ子どもたちにとって、日本語で作文をすることはとてもハードルの高い作業です。日本語で会話ができていても、「書く」ということが苦手な子どもがほとんどです。会話は対面で行われるので、言葉の使い方が多少違ったとしても、話の流れや話し手の表情や言葉から、聞き手が言いたいことを予測したり、分からないことを聞き返して確認してくれたりするので、話し手にとって言いたいことを伝えやすいのです。文字を通して伝えることは、読み手が書かれた文章の言葉から、書き手の言いたいことを予測したり聞き返して確認したりしてくれることは期待できないので、的確な言葉や文章構造を使って作文をしていかなければなりません。それが、外国にルーツを持つ子どもたちにはとても難しいことなのです。ですから、支援者が子どもの話を聞きながら、子どもの言いたいことを一緒に文章にしていくことが必要になります。 Aさんのことを通して、日本語が話せれば、外国にルーツを持つ子どもも日本人と同じように作文も書けるだろうと思われていることが多いのではないかと感じます。外国にルーツを持つ子どもの支援は、かれらが置かれている状況を知ることで、支援の仕方が変わってくるのだと思います。(SH)
2023年07月17日 子どもの居場所・学習教室 日本語の作文と支援
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2023年06月25日 お薦めの書籍・文献 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく
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2023年06月17日 Ed.ベン便り No.56 窒息する学校
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日時:2023年5月23日(火) 19:30~21:00(Zoomによる) 参加者:10名 内容:「日常生活に潜む優生思想について考える―インクルーシブな社会に向かう時の大きな壁―」 講師:松浪めぐみ氏(世界人権問題研究センター登録研究員) 今回の学習会では、優生思想とは何か、そしてその歴史と日本における優生保護法の変遷について学びました。また、優生保護法が存続し続けたその理由について、日々生活する私たちに内在している意識に光を当てる学習会になりました。 人の価値に序列をつける優生思想は、人権尊重の精神と相反するものであり、差別や排除を「しかたがないもの」として正当化するものとして機能している。そして、出生前診断の拡大や障害を持つ子どもが通常級にいることへの抵抗など、内なる優生思想からくる障害者への差別が存在しています。それは、SNSなどのネット上ではさらに過激な差別となり、障害者の権利を踏みにじる発言・行動となっています。 優生思想から脱することは簡単なことではなく、人権とは何かを問い続ける姿勢を持ち、差別が無意識・無知であることとから来ることを自覚した思考をしなくてはいけないと突きつけられました。差別のないインクルーシブな社会は、障害者と触れ合うだけで身につくという簡単なものではなく、共に考え悩み、ぶつかる中で互いにとっての良いものを探す過程の積み重ね(行動)からしか生まれないと感じました。 【参加者の感想より】 ・これまで物事を良心によって「よい」「悪い」と判断してきましたが、自分の知らない法律があること。普段の日常では感じないものの、ネット上ではこんなにもひどい状況が広がっていること初めて知り、ショックでした。そこに触れている子どもたちへの影響はさらにひどいと想像できます。目の前にいる子どもに対して何ができるかと考えさせられる学習となりました。 ・優生思想は、身近な思想だと思いました。私が小学生のころは、クラスに小児マヒのクラスメイトがいて、友達として普通に接していました。今は、子どもが様々な場所(支援級や国際級など)に細かく振り分けられている気がします。手厚い支援があるからでしょうか・・? ・兄が障害を持っており、小学校を卒業後に養護学校に入学しました。兄にとっては、通常級でみんなと過ごした期間も大事だったようです。優生思想がなくなると良いとは思いますが、「親がいなくなった後は、自分が・・・」と想像すると、いろいろなことを考えてしまいます。実は優生思想を持っているのかも、と感じました。 ・自分は、ルーツに“中国”を持っています。そのことに悩んだこともありましたが、いろいろな人とかかわる中で、自分でよいと思えました。学校で生活している生徒も、いろいろな子と関わらないと、かたよってしまうと思います。支援級に生徒を追いやってしまうと、次は別の誰かがターゲットになってしまう(ターゲットがうまれてしまう)のではないかと考えてしまいます。学校というところは難しい場所だと思いました。 ・人権意識と戦うことが大切であると改めて感じました。差別と闘う姿勢を忘れてしまうと、子どもや保護者への支援の方向性が変わってしまう危機感があります。常に、当事者の代弁者でありたいと思いました。また、保護者の人権意識も課題に思います。今後も、自分の子どもの「できない」に対して過敏に反応してしまうところに寄り添っていきたいです。
2023年06月08日 インクルーシブ社会を目指す学習会 【報告】5/23学習会