7月心強い先輩スタッフ

心強い先輩スタッフ

 今春高校に進学した生徒が毎週妹や弟を連れてエステレージャの教室にやって来ます。本人たちは特に勉強するのではなく、年下の子どもたちの面倒を見てくれていました。毎週来てくれるのならば、かれらをスタッフとして位置づけて教室を手伝ってもらったらどうかということになり、現在3名の高校生・専門学校生のスタッフが誕生しています。
 以前から子どもたちの中に、先輩は後輩の面倒を見て、後輩は先輩から学ぶとういう関係性を育みたいと思っていましたが、長年実現しませんでした。ここにきてかれらをスタッフとして受け入れるようになって、ようやくその目が出てきたように感じます。
 実際かれらの様子を見ていると、我々大人のスタッフができないような役割を果たしてくれています。例えば、子どもたちとうまく遊んだりふざけたりしながら、子どもたちの本音を聞き出したりします。また、教室に通い始めて間もない未就学のAちゃんは我々との日本語での会話を拒否していましたが、スタッフがスペイン語を交えて話しかけると元気になり、今まではずっと自分のお兄さんに引っ付いていたのが、やはり同じような状態だったB君と走り回って遊ぶようになりました。バイリンガルのスタッフは本当に有難い存在です。やんちゃな男の子たちはお兄さんスタッフに一目置いているのかどうかわかりませんが、彼が注意するとおとなしくなります。これは我々も予想しなかった効果です。
 教室の中で年下の子どもたちが先輩の姿を見たり、先輩からの情報を聞いたりすることで、自分の将来を予想したり、先輩に相談を持ち掛けたりできるようになることを期待しています。
 一方、かれらはまだ学生ですから、自身にも学校や生活で困難なことがあると思います。かれらが毎週教室に来てくれることで、大人のスタッフがかれらを見守ることができるというメリットもあると考えています。必要であれば勉強を助けることもできるし、何か相談乗ることもできます。やがてかれらがどのように成長していくのか、どのような大人になっていくのか心配な面もありますが、楽しみでもあります。
 これらのことをきっかけとして、このエステレージャ・ハッピーという教室が外国人の子どもたちの自助組織に発展していってくれるよう支援したいと思っています。(FK)