インクルーシブな社会を目指す学習会報告
日時:2020年12月9日(水) 19:00~21:00(Zoomによる)
参加者:8名
発表者:森尾 宙氏(綾瀬市立 城山中学校)
内容:インクルーシブなクラスづくり ~生徒の実感としてのインクルーシブ教育~
今回の学習会は、インクルーシブなクラスの実現のためにどのような取り組みが必要なのか、教室で過ごす子ども自身がもつ“インクルーシブ”の実感について考えることを目指しました。
インクルーシブなクラスであるという実感を読み取るために、「居場所があるか」「集団の一員としての実感」といった項目でアンケートを実施しました。
参加者からは、「『集団』という表現を使うことは、『その集団以外』を生み出してしまう。そこに排除が生まれてしまう。」という指摘があり、インクルーシブな視点を持つことの難しさと、今後も学習を重ねていくことの大切さを感じる学習会となりました。
教室にいる子ども一人ひとりの課題や家庭環境、子ども同士の関係性を見取ること。また、教室の中の多様性を認める環境をどの様に創っていくのか。“子ども同士が排除をしない”インクルーシブなクラスづくりのために、教師の押しつけにならないことを、これまで以上に意識する必要性を感じました。
~以下 参加者感想より~
・発表者の先生が学級づくりのために色々考えて様々な取り組みをしてきた様子がよく分かりました。「自分もやっていたな」と思いつつ、これって悪しき「学校文化」にはまっていたのかなぁと今更ながら振り返り反省しました。
発表中、気になったのは、クラスにいるという長欠の子、支援級の子、外国人の子が、クラスでどんな存在なのか?誰とどんな行動をとっているのか?他の子どもたちとの関わりはどうなのか?という点です。
自分もまだまだインクルーシブという言葉の理解が十分ではありませんが、たぶん、すべての子どもが安心してそこに居ることができる環境であること、そのために助けてくれる人(大人でも子どもでも)がそこに居て「助けて」といえる関係があること、がインクルーシブの考えに近いのかなと思いました。
子どもたち同士のつながりがどうなっているのか?という視点で子どもたちの人間関係を見ていくことが重要だと思いました。学習会に参加する度にまだまだ自分は勉強が足りないなと感じます。
・インクルーシブ教育を改めて考る機会になりました。
「集団と決めた時点で排除している」という最後の言葉はとても重いなと思いました。
学校という組織の中で、集団を一つの単位として考えることは重要なことで必要なことでもありますが、インクルーシブの視点に立った時は果たしてどうなのか。もう一度自分の中で考えていく必要があるなと感じました。また、教師になっても引き続き学習していく必要があるなとも感じました。