日時:2023年8月22日(火) 19:30~21:00(Zoomによる)
参加者:4名
内容:「対話の中の性教育」
講師:山口貴子氏(児童養護施設職員)
今回の学習会では、児童養護施設における性教育の実践について話を聞くことができました。山口氏の施設で行われる性教育のプログラムでは、「自分を大切にする」「自己肯定感」を軸とした「包括的性教育」が行われており、様々な生い立ちや年齢の子どもたちが生活する中で、性教育のタイミングや内容について、丁寧な配慮がなされていると感じました。
学校現場では、性教育は理科の授業における”生物学における生殖・遺伝の仕組み”や、保健体育科における”成長に伴う生殖機能”などの知識に落とし込まれ、自分の人生を豊かにするための性教育を行うことの限界を感じます。「生徒の発達段階に応じた性教育」では、「学齢により学習内容を区切る」ことしかできず、目の前の子どもたちにとって本当に必要な知識、深めたい内容に触れづらい現状があります。
児童養護施設では、生活の中で聞かれた子どもの発言や生活が出発点になることもあり、性教育が自分が生きている現在や将来について考えるために大切であると実感しやすい環境にあるのではないかと思いました。
プログラムを進める中で、「自分のことを話してよい人ができた」といった子どもの感想や、「恋愛や性、身体のことをオープンに話せる環境がつくられた」など、性教育を通してつながりがうまれる実感もあったそうです。
また、家庭内における「親ー子ども」の関係性では触れることのできないことについても、血縁関係のない異年齢集団だからこそ共有し、より深く自己開示ができる側面もあるのではないかという新たな気づきがありました。