ロールモデル

【エステレージャ教室 11-12月報告】

 コロナ禍前、毎年12月最後の教室では、子どもたち同士の親睦を図る目的で、クリスマス会を開いていましたが、コロナ禍下の3年間は開催できませんでした。コロナ感染症が5類感染症に移行したこともあり、今年は3年ぶりにクリスマス会を開催しました。高校生スタッフの提案で、教室を卒業した先輩たちも招くことにしたので「クリスマス同窓会」となりました。
 「同窓会」では、小中学生には今年の振り返りを、卒業生には近況報告などを話してもらいました。卒業生たちは、小学校から中学校卒業まで教室に通ってきていた生徒で、久しぶりの再会となりました。卒業生たちの現在は、高校生、専門学校生、社会人と様々ですが、かれらの姿に、懐かしさとともに頼もしさを感じました。背丈が伸び、大人の顔つきになり、言葉遣いが中学生の時とは違って大人の言葉遣いになり、見た目が大人になっただけではなく、かれらの近況報告の言葉からも成長を感じました。卒業生たちは、高校や専門学校での勉強が難しくて少し苦労した(している)こと、高校卒業後の進路をどのように考えたか、自分のやりたいことを模索する中で少しずつやりたいことが見えてきたことなどを話してくれました。かれらの話はどれも説得力があり、小中学生の子どもたちにとっては、進路学習の機会にもなりました。卒業生たちの姿が、小中学生にとってのロールモデルとなってくれたと思います。
 ロールモデルと出会うことは、自分の将来像を描き、今をどのように過ごしたらよいのかを考える機会になりますが、外国にルーツがある子どもたちが、身近なところでロールモデルと出会うことは日本人の子どもに比べると難しいです。親、きょうだい、学校の先生や先輩など、日本人の子どもの周りには、ロールモデルとなりそうな日本人がたくさんいます。しかし、外国にルーツがある子どもたちにとって、同じような背景を持つ人は多くはなく、その中からロールモデルを探すのはさらに難しいのです。よいロールモデルとの出会いは、かれらの可能性を広げてくれると思いますが、出会いのチャンスが少ないのが現実ではないでしょうか。
 これまで、卒業生を招いて話を聞くという機会がありませんでしたが、卒業生と出会う機会を積極的に作っていくことの必要性を感じました。エステレージャ教室が、学習や居場所であるだけではなく、出会いの場所にもなっていけたらと思います。(SH)