日時:2024年5月8日(水) 19:30~21:00(大和市シリウス 中会議室)
参加者:8名
内容:子どもアドボカシーを知っていますか~子どもの声を聴く意味、そして私たち一人ひとりができること~
講師:相澤京美氏(NPO法人子どもアドボカシーをすすめる会 TOKYO)
今回の学習会では子どもアドボカシーをテーマに、子どもの権利条約や、子どもアドボカシーが注目されるきっかけ、実際の取り組みについて、子どもアドボケイトとして活動されている相澤氏からお話を伺いました。
学校現場が「アドボカシー」から遠い状況にあるという前提をふまえ、「まずは子どもたちに意見を表明する権利があることを知ってほしい」。また、子どもたちと接する大人に対しては「子どもが意思を表明する権利は、“いる”“いらない”という話ではなく、「当たり前にある権利」である」と知ってほしいとのお話がありました。
また、子どもアドボカシーにも独立型アドボカシー、フォーマルアドボカシー、インフォーマルアドボカシー、ピアアドボカシーなど、子どもたちの周りにいる大人それぞれの立場からできることがある(陥りやすいこともある)こと。それぞれの立場に良さがあり、子どもと接する誰しもが担えるものであるとのお話もありました。
私たち大人は、子どもからの声に対して、「解決しなければ」と考えがちです。しかし、たとえ願いが叶わなかったとしても、声をあげたことを誰かに受け止めてもらえた経験や、それに対して動く大人がいると知る経験が子どもにとっては大切であること。また、「意見を表明してよい」という実感を、声をあげる力に繋げていく必要があると感じました。この感覚は、子どもだけでなく、私たち大人にとっても必要なことだと感じました。
Ed.ベンチャーのこれまでの学習会でも指摘されてきた子どもの主体性とも繋がるお話で、学校現場でフォーマルアドボカシーとしてできることは何かを考える学習会となりました。
≪ 学習会の感想より ≫
●今回の学習会では、アドボカシーという言葉について理解することができました。
子どもの意思表明が権利であるという当たり前のことを知るとともに、大人である自分自身がその権利を侵害しているという事実を突きつけられました。教員として、そして1人の父親として、子どもとどう向き合えばよいのか、悩むことになりました。
これまでの教員生活の中では、子どもの気持ちを受け止め、どう現状を変えられるか、解決することができるかを考えてきた気がします。大切なことは、前提として子どもが「自分の意見を伝えていいんだ」と感じられる気持ちを持てているのか。そして、それを受け止めるだけの覚悟があるかどうかだと感じました。
フォーマルアドボカシーの立場で、自分自身に何ができるのか・・。教員という権力側から、どう子どもを尊重することができるのか・・。12月の実践報告の学習会に向けて準備をしたいと思います。
●アドボカシーの立場のそれぞれの良さを知れてよかったです。特に自分は、できるだけピアアドボカシーを取り入れたいと思うのですが、まず「アドボカシー」や「独立アドボカシー」を知ることで話してみたい、ダメもとでも意見を言ってみる。もっと知りたい。そういう経験が子どもにも大人にも必要だと感じました。
●子どもの意見を聞く上で、対面であることはどれくらい重視されるものでしょうか。教員としては生徒とのSNSは使用しませんが、生徒にとってはSNS上でのつながりを重視している場合も多いように感じます。姿の見えない相手でも、子どもにとってのアドボケイト足りうるのでしょうか。気になりました。
●「子どもアドボカシー」という単語を初めて聞いたので、今回の勉強会で理念等を学ぶことができました。
子どもの意見表明権の問題は、大人の一方的な圧力によって侵害されているのではないかと思いました。他方で、SNSの発達で意見を表明する機会が昔に比べると増えているような気がするので、そのような場面をどう子どもたちに提供できるのか。その場面が増えることで、これまでよりもっと、子どもが意思表示ができるのではないかと、今回の勉強会を通して思いました。
●子どもアドボカシーという言葉を初めて聞き、その内容を知ることができました。
Ed.ベンチャーの学習会の中でも「子どもの主体性」や「子どもはどうしたいのか」という言葉が出てきて、毎回、自分自身の子どもへの対応を振り返り、ハッとさせられてきました。今回のお話が、Ed.ベンチャーの学習会で指摘されてきたことにつながりました。
半面、今の子どもたちを取り巻く状況、特に学校は子どもアドボカシーから離れた状況にあると感じました。
●「子どもたちの声を聴く」という当たり前に思えることがなかなか難しいのが、学校現場の実情なのかなと思います。コロナを経て、様々な場面で、指導的、制限的なことが多くなっていること、先生たちの余裕のなさが影響しているのでは、と感じます。
子どもたちと向き合うにあたって、アドボカシーという1つの視点を示してもらえました。かながわサポートドックについては、疑問を持っていたので、お話を聞けて良かったです。