きみの人生はきみのもの

理事推薦本

谷口真由美 荻上チキ 著

きみの人生はきみのもの 子どもが知っておきたい「権利」の話 

(NHK出版  2023年)

 

冬休みに入っても支援機関が集まったケース会議なるものが開かれている。食べるものがある、選べるはずのこの国で、そうはなっていない家庭の状況が報告され、何人もの大人が「どうしよう」と頭を抱えている。学校や市の〇〇課や△△課はなかなか身動きが取れず、NPOの女性が身銭を切って、その子と一緒に夕食を食べている。そのおかげでBMIがやせすぎにならずに、もう少し様子を見ましょうという結論になる。
この本に書かれていることを、もっと早くにその子に伝えたかった。
子どもたちが、誰にも話せない問題で困ったときに、ガマンしたり、あきらめてしまったりするのではなく、声を上げることを勧める内容だ。
憲法→国民が国に対して、すべての国民の権利を満たすように指示したもの
子どもの権利条約→国に対してすべての子どもの権利を満たすように指示したものという、あたりまえの前提の確認から入って、「困ったときはだれかを頼ろう」と様々な相談の連絡先や関連したサイトなどの情報が詰まっている。
子どもが読む前に、大人の私たちが読む本だった。
多くの命が奪われて、危機は現在進行形なのに、きたない、くだらない、どうしようもないことをこの国の大人はし続けて、誇りを持てない子どもを育てていると思う。
でも?だから?真剣にこの本を読んで、子どもと話し合ってみたいと思った。(M.M)

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