2023
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2022年のスタディツアーでは虐待に関する学習会を開催しました。その際の報告です。 開催日 5月21日(土)14:30〜16:00 6月18日(土)14:30〜16:00内容 5月 講演会「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて 教員・学校が考えること」 講師 上原 樹 氏(スクールソーシャルワーカー) 6月 虐待に関する事例研究会 スタディツアーでは昨年度虐待に関する事例研究を行いました。実際のケースから、対応などについて学びました。参加した先生方から、実際に虐待が疑われる場面に直面したとき、虐待なのか判断に迷うという声が上がりました。そこで、今年度第1回目の学習会では、スクールソーシャルワーカーの上原樹さんを講師に迎え、学習会を行いました。虐待対応ハンドブックを読み込みながら、虐待かどうかの判断基準、通告などの対応の進め方などについて学びました。意見交換の場では、担任中心の対応となり、負担が集中してしまわないよう学校内の体制づくりが課題という意見が上がりました。また、家庭の中では、母親が学校や関係機関との窓口となっているケースが多く、子どもだけでなく、母親を支えることが重要であると上原さんからお話がありました。 5月の学習会を受け、6月には事例研究会を行いました。同居する祖父から身体的虐待を受けた子どもの事例でした。すでに関係機関も関わり、対応にあたっていましたが、協議の中で、その子自身が抱える、周りの子たちとの関わり方の課題、関係機関との対応やその子への対応をほぼ一人で担っている母親、その母親と義父である祖父との関係など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースでした。担任の先生は、丁寧に子どもに寄り添い続けてくれていますが、家庭全体への支援が引き続き必要であるという結論に至りました。
2023年10月15日 女性の生きづらさを考える 虐待に関する学習会(2022年スタディツアー)
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女性・ジェンダーに関わるテーマを扱った授業研究会の報告です。 日時 5月16日(月)20:00〜22:00 参加者 5名 使用した資料 寺町晋哉著『「性別」があふれる学校は変われるのか』 木村涼子著『中等教育におけるジェンダー平等の過去、現在、未来』 討論内容 ①保育園の課題として「性別の認識」は、必要なのか ②水泳指導の際の水着の問題は、検討必要 ③修学旅行の大浴場についても検討必要 ④中学校の制服の選択性 女子の自由選択は大和市でもされてきているが男子は難しい。 ⑤第2次性徴を扱う際に、トランスジェンダーのことも扱う必要がある。その時に対等な存在として認識されるように働きかけることが大事である。今後引き続いての研究が必要と思われる。 ⑥クラスの児童を並べるとき、いまだに女子、男子の列づくりが一般的である。 情報 最近の幼児向けアニメでは、女性、男性、トランスジェンダーが登場している。 英語圏では、He、She、ではない人は、Theyなど使用し始めている。 子どもの性自認は6歳ぐらいで、違和感を感じ始めるきっかけは、「異性を意識するようになる」と教わり始めるときだそうである。 感想 ・教職員の現場も少しづつではあるが変わって来ている。 ・マスコミで有名人がカミングアウトし始めているのは、良いことである。 ・次回に向けて更に、学校教育現場の見直しが必要。 以上
2023年10月15日 女性の生きづらさを考える 授業研究会報告(2022/5/16)
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インクルーシブな社会を目指す学習会において、女性にかかわるテーマを扱った際の報告です。 日時:2022年5月11日(水) 19:00~21:00(Zoomによる)参加者:8名 内容:「不登校の子ども理解~子ども自身とその母親の葛藤とその実情を知る~」講師:米澤美法氏(自由創造ラボたんぼぼ 代表理事) 今回は、「不登校」をテーマにした学習会を行いました。 講師である米澤先生から、不登校の子どもやその保護者と接する中でみえた、本人たち自身が感じている思い・実情についてお話しいただきました。 不登校とは、心身の疲れからくる生理的な現象であり、子どもにとってはゆっくり休むことが何よりも大切であること。そのためにも子どものありのままを受け止め、認めることの重要性を改めて学ぶことができました。 不登校経験者からの声で最も印象に残ったのは、「あらゆる登校刺激をやめてほしい」というものです。学校がありのままの子どもたちを受け止めることのできない場になっているとしたら、再び登校させることなど不可能であると痛感しました。学校に通うことを第1優先にするのではなく、今日の学校や教育制度の在り方を見直し変えていくことでしか、不登校の子どもたちを本当に救うことなどできないのではないかと、不登校の問題に対する視野をおおきく広げることができました。 また、家庭では母親だけが不登校の子どもについて心を悩ます状況が多いようです。無理に学校に行かせようとしたり、過度に干渉してしまう。また、夫や祖父母からのプレッシャーに自分自身を責めてしまうケースがよく見られるようです。 子どもが不登校である現状を受け止めるのは母親の方が早いものの、父親の理解が進まず母親が抱え込むばかりで、子どもの立ち直りが難しい家庭も多いようでした。 子ども一人ひとりが違えば不登校への対応も当然変わる。学校だけが子どもの唯一の成長の場ではないことを自覚し、学校・教師の立場から接するのではなく子ども・保護者両者との対話を進めていくこと。ゆっくり休んだ子供たちは自分で立ち上がるということを信じることを、不登校の子どもたちと接する第1歩としたいと感じました。 【参加者の感想より】【Aさん】 「あらゆる登校刺激が子どもにとっての負担である」という言葉が印象に残っています。学校の教師として子どもに接することができないのであれば、どのような接し方が教師である自分にできるのか・・。学校が子どもたちの安心できる場所になっていないのであれば、何を変えていけばいいのか・・・。また、本人・保護者どちらにもそれぞれの思いや葛藤があるという当然のことに気づくことができました。子どもと保護者の登校への意識に違いがあるとき、自分はどう動くことになるのか・・。果たして丁寧に対話を重ねる余裕があるのか・・・。これまでの10年間の教員経験と見つめ直すとても貴重な学習会になりました。 【Bさん】 今回の学習会に参加させていただき、不登校の子自身はもちろん、保護者(主に母親)の苦しさについても知ることができました。実際に不登校にならずとも、苦しさを抱えている子たちも、きっと想像以上にたくさんいるのだろうということにも、気付かされました。今わたしが関わっている子どもたちに対しても、パワーを溜めることの大切さ、苦しいくらい見守るという時間も必要なこと、通じるところが多いお話だったので、とても身にしみました。子どもたちがパワーを溜めたあと、どのような過程をたどって前向きに生きていくのかというところのお話も、たくさんの事例があると思うので、また伺ってみたいと思いました。 【Cさん】 子どもたちにとって、教室や学校だけが居場所ではないということを考えられる柔軟さが、教員にも必要だと思います。経験的にそのことは認識していましたが、今回お話を聞いて、長いスパンで考えられる時間的余裕も大切だと思いました。中学校3年間という限られた時間の中で、卒業後の次のステージにつなげなければという思いがありましたが、それは学校側の都合でしかなかったなと痛感しました。また、母親が一人で抱え込むケースが多いということも重要な点です。今後、不登校の子に関わるときに、母親が抱える課題にも寄り添いながら対応していこうと思いました。 【Dさん】 お話を聞いていて、お母さん・保護者の方がやっぱり大変な思いをされていることがよくわかりました。以前、お子さんの不登校に悩んでいる保護者の方から相談を聞く機会があった時、「学校には相談してない。先生も忙しそうだし、迷惑になるから」と何人ものお母さんが言っていました。その言葉を聞いたとき、学校や教員が期待されていない、信頼されていないという現状を再認識しました。私も不登校の子どもたちは賢い子どもが多いと思っています。だから不登校になるのだと、学校が魅力的なら、そういう判断にはならないのかなと思ってしまいます。話し合いの後半に出てきたように、今、学校の形が変わってきたり、新しい学校が出来たりしているので、これからの学校のあり方を考えることも必要だなと思いました。学校が子どもたちにとって必要な場所として認めてもらえるために、すぐに出来ることもあると思うので、今日のお話をヒントに考えていきたいと思います。今回は、これからの学校や教師として必要なことを考える貴重な機会をいただき、ありがとうございました。(MH)
2023年10月15日 女性の生きづらさを考える 不登校の子ども理解(2022/5/11インクルーシブ学習会報告)