11月スタッフと子どもの関係

スタッフと子どもの関係

 学習支援教室での子どもとスタッフの関係は、一般的に、その教室の目指すものをよく表すと言われます。というのは、「学習支援教室」という言葉が示すように、そもそも「支援」も「教室」も、「支援する-される」、「教室を運営する-参加する」というスタッフと子どもの間には上下関係があるので、その冠である「学習」は、スタッフが子どもに勉強を教えてあげるという「教える-教わる」関係ができるのです。このような関係を前提とする教室では、子どもたちは学習支援教室に来たら勉強をするのが当たり前になっていますから、勉強をする気にならない子どもは徐々に参加しなくなるということになります。
 今年度のスタッフの大学生も、最初はそのような感じの教室を想像して参加を始めたのだろうと思います。しかしながら、教室に現れる子どもたちの様子は、そのような前提を覆す振る舞いですし、教員経験をもつスタッフたちは、「先生」という臭いをできるだけさせないように「じいさん」「ひげの人」「おばあちゃん」と呼ばれても平気(いや、むしろそう呼ばせているよう)な様子に、子どもたちとの関係づくりこそが、学習の基本であることを、教室での振る舞いで伝えているようです。いつの間にか、「先生らしさ」を出そうとして身構えていた大学生スタッフも、あだ名で呼ばれたりしながら、子どもたちの隣で、学校での生活や家庭での生活を聞き取りながら、子どもたちが取り組もうとするものに寄り添っています。教室が子どもの居場所となるには、こうしたスタッフと子どもの関係の作り方こそが基礎であることを一層感じさせるこの頃の教室です。(SM)