2019年度以降のフレンドスター教室

 遅ればせながら、Friends☆Star教室の2019年度と2020年度の活動を総括します。

 愛川Friends☆Star教室は2018年度をもって活動の区切りをつけました。
 教室に通っていた子どもたちは新しい団体が主催する学習教室に引き続き通うことなりました。
 学校での学習や進学面でのフォローは新しい教室で引き継がれていくとして、それでも私たちは、愛川の子どもたちと何らかの形で関わりを持ち続けることができないだろうかと考えました。そこで2019年度からは子どもたちの母語保障を目的とした、スペイン語教室を月2回のペースで開催することにしたのです。
 以前からEd.ベンチャーと関わりのある、日本生まれのペルー人女性に教室のコーディネーター役を担ってもらい、講師役にもペルー人女性をお願いしました。
かつてのFriends☆Star教室では、「勉強」「学習」となるととにかくそっぽを向いて、まずは机に向かわせること、宿題のプリントや教科書を開かせることから始まるようなことがしょっちゅうありました。ですから 「スペイン語を勉強してみない?」という誘いをかけても、果たして「教室」として成立するのかどうか、とても不安でした。しかしこうした心配は全くの杞憂でした。このように書くと、何か「常套句」のように思われるかもしれませんが、本当に杞憂だったのです。杞憂どころか、私たちは子どもたちが大変熱心に、スペイン語の学習に集中している姿を目の当たりにしたのです。
 毎回教室が開催される時間は、19時から20時としていたのですが、20時をオーバーすることはほぼ毎回のことでした。講師であるペルー人女性の教え方も大変上手で、子どもたちは実に楽しげにスペイン語を学んでいきます。
 以前のFriends☆Star教室では、勉強中であっても常にちょっかいを出してきていた子どもが、こちらにはほとんどちょっかいを出すことなく(出すことがあったとしても、それが主になることは全くなく)机に向かい、鉛筆を持ち、笑い声を上げ、ホワイトボードの前に立ち、あたかも水を得た魚のように生き生きと学びに向かっていました。

 かれらのこうした姿を目の当たりにしたとき、果たしてこうした姿が普段の学校生活の中では見られないのだろうか、と思わざるを得ませんでした。かれらが学びたいと思っていること、必要だと感じていることに応えてあげることができれば、かれらはとても生き生きと学びに向かうのだということを経験しました。
 しかし新型コロナウイルスの感染拡大が始まるとともに、それまで使用していた会場が使用できなくなり、教室を中断せざるを得ませんでした。しばらくは子どもたちと会うこともできず、忸怩たる思いを重ねる日々が続いたのですが、2021年になってようやくインターネットを介したリモートによる教室の開催を試してみることとなりました。当社の機器の操作が上手くいかないのではないかという危惧もあったのですが、意外にも子どもたちは柔軟に対応でき、月に2回の教室を引き続き開催することとなりました。
 この間、参加する子どもはの数は進学などの影響もあり少なくなりましたが、参加した場合には対面での教室と同様、元気にスペイン語の学習に取り組みました。リモートによる教室開催は子どもたちとのつながりを継続するうえで新たな可能性を教えてくれるものでもありました。

 2021年度になってもオンラインでの教室を月2回のペースで開催しています。子どもたちとも細々とではありますが連絡を取り続けています。(TH)

スペイン語教室の様子1

講師の先生に教わりながらスペイン語をホワイトボードに書いていきます。

教室の前半は主に「座学」です。子どもたちは真剣に学習に取り組みます。以前の学習教室で見せていた姿とは正反対です。

そして、先生の指示によってホワイトボードの前に立って、スペイン語でのやり取りが始まります。子どもたちは積極的に関わっていきます。驚くほど集中しています。