11月 英語教室を始めました

英語教室を始めました

 今年度からIさんがスタッフとして参加してくださるようになりました。Iさんは英語が大変堪能です。当初は子どもたちへの学習指導をするにあたって、英語を使っておられました。日本語による理解がまだ進まず、英語になじみのある子どもにとって、英語による指導は学習内容の理解にはずいぶんと有用なようです。英語をしゃべりたいという子どもからのニーズも少なくなく、英語を使い始めると、子どもたちがそのIさんの周りにどんどん集まっていきます。今までなかなか学習に取り組めなかった子どもが、英語での指導が始まってから落ち着いて学習に取り組むようになったことも驚きの一つでした。ただ、Iさんひとりに子どもが集中してしまうと、Iさん自身の負担も相当なものになってしまいますし、あまり英語だけに頼ってしまうと、日本語での理解が進まないというジレンマも生じます。
 そこで学習指導における英語の使用は最低限にとどめ、12時で一旦教室での学習に区切りがついた後、30~45分程度、英語の学習を希望する子どもたちを対象に英語教室を開催することにしました。英語を学びたい、しゃべりたい子どもたちは、教室に残り、Iさんと英語でお話をします。Iさんも子どもたちの様子をみながら臨機応変に話題を設定し、大きな声で会話を進めます。
 英語教室に参加した子どもたちは、いつにも増して大きな声で、実に楽しそうに話しをしています。子どもたちはお互いに言葉を交わし、大きな声で笑っています。それは日本語で話をするときの表情とはまた少し違った明るさでした。
 やはり自分のなじみのある言葉を思い切り話すことができるということは、子どもたちにとって大きな意味を持つのでしょう。何を学ぶかということよりも、生き生きとした表情で大声で話している子どもたちの姿を見て、言葉の持つ力の大きさに改めて気づかされました。
 スタッフの中には、かつてエステレージャ教室で学んでいたスペイン語を母語とするスタッフもいますので、スペイン語教室の開催についても検討しています。学習支援を核としつつ、子どもたちのニーズに応えることで、かれらの居場所としての役割をより高めていきたいと思います。(T.H)