Kokusai B.Gに仲間が増えて、子どもたちはまだ、お互いの名前を覚え切れていません。姉妹間で名前が似ているのでなおさらです。毎回お互いに指さしながら、「こっちは○○ちゃん」「こっちが××?あ、違った□□ちゃんか!」などと確認し合っています。教室では、今後関わりを深めるためのイベントなども企画する予定です。
生徒の中の二組の三姉妹は、一組は学齢期の途中でフィリピンから来日した姉妹、もう一組は日本生まれだけれども、ここ2年の間に2度の引っ越しを経験しているボリビア人姉妹です。教室の中では、時々勉強を外れて今の学校や生活の話になります。その中で、ほとんどの子どもが、「前の方がよかった」と言うのです。「私はハーフだけれど、フィリピン人に近いと思う。フィリピンに帰りたい」「前の学校では、自分を出すことができた。前の学校に戻りたい」。裏を返せば、「今」がうまくいっていないということかもしれません。でも、それぞれ、来日したり、引っ越したりしなければらなかった事情も分かっているのです。
「今、ここで生きること」、それは彼女たちにとっては、今のところ「仕方がなかったこと、自分では選べなかったこと」でしかないのかもしれません。スタッフは、そんな話につきあいながら、自分たちなりの「今、ここで生きること」のお話が描けるよう、何かを学んだり、掴んだりできる教室になるようにしていきたいと思っています。