2月23日(土)に東京大学大学院教育学研究科の苅谷剛彦先生を講師にお迎えし、Ed.ベンチャーの設立記念講演会を開催しました。前半は「<職業>としての教育−あるいは職業としての教師−」という題目で苅谷先生にご講演いただきました。国語教師として一生を全うした大村はま氏の実践を手がかりにしながら、自由と平等、押しつけと選択、教えることと学ぶことの間で格闘することの意味を問い、現代において「職業としての教師」がいかにして可能か、そして知識がいかに大切かについてお話しいただきました。後半は苅谷先生に大和市の教育行政・学校関係者を加えた5名(司会も含む)によるパネルディスカッションを行いました。フロアからも盛んに意見や質問がだされ、共通性と個別性を同時に追求することが求められる公教育のむずかしさ、ベテラン教師の経験を若い教師に伝えていくことの重要性とその方法などについて考えを深めるよい機会となりました。参加者は79名(一般68名、大学生8名、高校生3名)でした。
【講師略歴】
苅谷剛彦氏
1955年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科・教授。米国ノースウェスタン大学大学院でPh.D(社会学)を取得。専門は、教育社会学、比較社会学。主な著書に『階層化日本と教育危機』(有信堂、第1階大佛次郎論壇賞奨励賞受賞)、『教育改革の幻想 』(ちくま文庫)、『大衆教育社会のゆくえ』(中公新書)、『知的複眼思考法』(講談社)、『教育の世紀』(弘文堂、サントリー学芸賞受賞)、『考えあう技術』共著、ちくま新書)ほか。
【参考文献】-講演の中で登場した書籍
大村はま、2006年『日本の教師に伝えたいこと(ちくま学芸文庫 )』(筑摩書房)
大村はま、苅谷夏子、苅谷剛彦、2003年『教えることの復権(ちくま文庫) 』(筑摩書房)
苅谷剛彦、年『知的複眼思考法』