2023年度教育講演会の報告

2023年度教育講演会は、2月23日に、講師に東京大学大学院教育学研究科教授の本田由紀先生をお迎えして、「『逃れられない問題』として の女性の生きづらさ」というテーマで、開催されました。

講演会は、パネラーから語られた、それぞれが今まで出会ってきた、人生の中での女性の生きづらさにつながる厳しい出来事を共有し、語り合う形で進められました。それぞれが語った出来事の内容は、以下の通りです。

・小学校時代の家族の兄と自分に対する態度の違い、不自由さ

・大家族の中での役割を求められた母親の姿、自身の家事・育児に関する夫との行き違いからの離婚、障がいのある子の子育て

・社会的資源の少ない家庭の中での自分の進路決定における悩み

・家庭での居場所、進路選択などで行き詰まる女子生徒の様子

・仕事に邁進する父に対して、1人家事・育児を担っていた母の姿

そして、本田先生を交え、ディスカッションを進め、これらの個人の問題について、

・家父長制をひきずる家庭の姿

・女性の経済的自立

・男性の無意識の加害性

といった、社会問題としての「女性の生きづらさ」として整理されました。

講師の本田先生からは、最後に次のようなコメントをいただきました。

●ありきたりな言葉でなく、自分の言葉で経験を語ることは、本人にとっても、聞く者にとっても、あるいは社会全体にとっても、社会の絡まりを何とかほぐし、もう少し前に進めていくうえでものすごく大事な機会になる。

●パネラーの皆さんの話の中には、「女性」という問題と同時に、ひとくくりの「家族」という問題が現れていた。この二つがつながる形で、個人の中に流れ込んでいるような状態である。

●稼ぐことは主に男性がするかもしれませんが、「家事」「子育て」「疾病ケア」「家計」を女性(特に母親)に押し付け 、それに付随するもろもろ面倒くさいこと(汚れ仕事)を全部女性がやるということは、政策的につくられてきたこと。

●私たちはいつまでこうしたことを個人や家族の問題として引き受け、受け入れ、おとなしく、苦しみながらこの社会を支えていく礎とならなければいけないのか。