今年度も外国人の子ども理解のための学習会を8月、そして、来年度の1月に私たちは、計画しています。今年もよりよい学習会の実施が行えるように、また様々な方々に参加していただくために、「外国人の子ども理解のための学習会」のページを更新していければと思っています。
今回のテーマは、昨年度の活動についてです。
昨年度は、大和市内の公立小学校で実施される「放課後寺子屋やまと」などでの外国人支援ボランティア希望者を対象として、春4コマ×2日間、夏4コマ×2日間、合計16コマの学習会を模索的に実施した1年間でした。
学習会の内容として、大和市の外国人児童生徒の来日経緯やその実態を、教育委員会や大和市国際化協会、市内の小学校教諭、当事者団体のすたんどばいみーなど多方向から理解できるようにし、日本人には見過ごしてしまうような様々な段階での学習上の理解されにくいこと、外国人としてアイデンティティを獲得するための困難さを扱い、支援者としての課題、当事者としての課題を具体的に扱いました。また、出身国の違いによる外国人の抱える課題について、国毎に講師を招いて学習会を開催しました。
主な内容
①大和市の外国人児童の実態とそのための外国人支援の仕組み
②外国人当事者団体すたんどばいみーについて
③(3月)まったく日本語(日常会話)が分からない児童への指導
(8月)学校での外国人の子どもへの学習指導について
④(3月)日常会話がある程度理解できる児童への学習指導の実際
(8月)外国人の子どもの言語獲得について
⑤・⑥出身国の違いによる外国人児童の抱える課題
(3月の重点:フィリピン、8月の重点:南米)
⑦外国人としてアイデンティティを獲得するための困難さについて
⑧学習を振り返っての討論(まとめ)
3月の学習会では、Ed.ベンチャー事務局による広報だけでなく、大和市国際化協会から宣伝していただいたおかげで、どのコマも満席に近い状態となりました。参加者の方々は当初ポスターを配布していた大学の学生さんに限らず、60代の方も含め幅広い年齢層の方に参加していただきました。
8月の学習会では、小中学校の国際級担当の先生の参加や、ベトナムにルーツを持つ中学生に参加していただきました。
参加者は、当初予定していた対象者の大学生の参加は少なかったのですが、参加者からは、「まだ出会ったことのないような外国人の子どもたちの背景や困難さを少しでも理解して実践に活用できる」、「自分たちが見落としがちな視点からもう一度振り返ることができたのがよかった」、「自己承認言語の話では、ただ日本語を教えて話せるようにすればよいということではなく、子どもたちにとって自分のことを語る言葉はどの言語が適切なのか、ということに関して新しい視点をもらった」といった感想をいただきました。
昨年度は、当初のねらいとは異なった一年でしたが、講座を受けてこれからボランティアを始めていく受講者に、講座で得たことを実践し活用できるような内容にすることができたと感じています。また、普段外国人児童生徒に関わっている受講者にも、普段行っている支援を振り返り、新たな視点を与えられるような講座を企画することができました。
今年度の学習会へ向けて、今後も様々な記事を更新していきたいと考えています。
8月の学習会のチラシも添付されておりますので、ご興味をもたれた方は、ぜひ一読していただければと思います。
そして学習会のご参加お待ちしております。