外国人子ども理解の学習会(オンライン学習会)報告
日時・会場:6月23日(火)19:00~21:00(Zoomによるオンライン開催)
テーマ:「ビザ・在留資格を知る」
講師:日本女子大学 清水睦美氏
参加人数:15名
今回は3月に会場を借りて行う予定だった講座を、6月に延期してzoomミーティングで行いました。外国人の子どもたちや親の在留資格を知ることによって何がわかるのか。そもそも在留カードを見せてもらってもよいのか。日本が「移民の受け入れをしていない」と言いつつも今まで日本はどのような政策をとっているのか。これらの疑問やカラクリについて理解を深めるような内容でした。
講義中心の学習会だったため、参加者の反応を読み取りづらかったこと、緊急事態宣言解除後での開催だったため、直接参加できる会場の手配を検討してもよかったといった反省点もあったため、次回(8/4予定)の開催については複数の方法を検討する予定です。
以下、ご参加いただいた方々からの感想を紹介します。
◆Aさん
ビザには、その子の人生、家族の歴史が刻まれていると思いました。外国籍の子どもたちと関わっていく中で、その子のビザ・在留資格を知ることは必要なことですが、それを知ることの責任・覚悟も、教員は忘れてはいけないと思います。
◆Bさん
ビザを取得せず海外旅行に行く経験のほうが圧倒的に多い私たち日本人にとって、ビザを取得することは身近なことではなく、外国人の子どもたちの在留資格について意識が向かないのだと思います。私自身も、この講座で学習するようになって、在留資格について意識を持つようになりました。在留資格を持って外国人は日本にいること、どの資格で子どもたちがいるのかだけでも学校が知っておかなくてはならないことですが、実際には、学校が子どもや保護者に聞くことがほぼないと思います。おそらく多くの場合、聞く必要のないこと、あるいは聞いてはいけないことで、在留資格を確認して子どもの家族関係や来日の目的、日本滞在の期間や将来のことを知るよりも、学校で大事なのは日本での勉強についていくことになっているのではないかという傾向が最近強くなってきているのではないかと感じています。
また、国の外国人受け入れ政策が同化政策であるというお話がありましたが、外国人に同化を求める国の姿勢が、外国人の子どもへの学校の指導にも通じているのだろうと思いましたし、宇佐美先生の質問で出てきた選挙権の授業のように、外国人の子どもへの対応をしっかりと持って授業をしていかないといけないとハッとさせられました。
◆Cさん
今まで日本語指導員としては、対象児童のバックグラウンドとして在留資格まで知る必要がなく(知らされることもなく)、粛々と(?)日本語の指導をしていました。正直、日本語指導員はそれでも問題ないと思っています。
ただ個人的には、小学校以外の分野でも日本語指導をしておりその成人学習者たちの「立場」を頭の片隅で理解できていることは例えその立場を知ったからといって日本語の指導法が変わることはないにしろ、良いことだと思いました。
以前から、ビザについては疎いけどまぁいいか・・という腰の引けたスタンスできていましたので、今回は知見を広げるよい機会となりました。清水先生の分かりやすいご講義ありがとうございました。
◆Dさん
これまで学習会があることを知りながらなかなか参加できず、足が遠のいていたところ、今回はオンラインでの学習会開催でしたので参加しやすかったです。ありがとうございました。
内容について、立場上はむしろ知っておかなければいけない内容で他のセミナーなどを通じて理解できている部分も多かったですが、改めて清水先生の講義を聞いて基礎的なところを整理することができました。かつては留学ビザは就労不可だった、かつて雇用の調整弁は女性だったと言われている、などのこぼれ話のようなものが自分にとっては新たな発見でした。オーバーステイの方への対応、外国人の子どもに参政権がないことを伝えること、難民の子どもの国籍について、宇佐美先生からの質疑応答もよく理解できました。