【報告】6月事例研究会

 事例研究会は、外国にルーツを持つ子どもたちの具体的な事例を通して、彼らの背景にある事情や問題を読み解く力をつけていくというねらいで開催しています。今回は6月10日に開催した事例研究会の報告です。

【6月事例研究会】

日時:2023年6月10日(土) 13:30~15:30  オンライン(Zoom)

事例:「中学校への適応がうまくいっていないと思われる子ども」

事例提供:事例研究会担当スタッフ

参加者:3名 

 6月は、Ed.ベンチャーが主催するエステレージャ☆ハッピー教室に通う中学1年生の子どもの事例をスタッフから報告しました。

 小学校高学年の頃から登校時間が近づくとトイレに行ったりしてグズグズし、遅刻を繰り返す、宿題は出さないという毎日を送っていた子どもの事例です。中学生になると、入学式当日「行きたくない」とぐずって遅刻をして出席、勉強は嫌いだけれど遊びは好きなのに遠足を欠席、中学生になっても相変わらず遅刻を繰り返している。エステレージャには「行きたくない」と言いながらお母さんに送られて不満そうな表情でやってくる。手ぶらでやって来て、勉強はしないでスタッフと話をして過ごし、しばらくすると表情が和らいで、スタッフや友達と一緒に楽しそうに遊んで帰る。といった心配な様子が見られる子どもの様子を報告でした。

 協議の中で、中学校の先生から、今は部活に頑張っているが、今後同じような心配が予想される子どもがいることが報告されました。アドバイザーの先生からは、日本人は、〇〇に行ったらこうする、△△に行ったらこうするというように、規則で人との関係を結び、その場にふさわしい振る舞いをする。外国人の子どもの場合は、人との関係性作りが日本人とは違っている。事例で挙げられた子どもと同じ国出身の子どもの場合は、人との関係で生きていることが多く、関係を壊さないようにルールを決めているため、家族という関係の中から学校やエステレージャといった家族以外の場所に入るときには、家族以外の人との関係を作っていくことに対する不安感が高くなるので、次の関係に入っていくように仕組むことが必要だというアドバイスがありました。さらに、エステレージャでできることとして、今取り組んでいる集団学習や新しい学習のヒントになるアドバイスもいただきました。また、中学校の先生からの報告に対しては、関係性で生きている外国人の中学生は、受験の時期に注意が必要だ。受験は個の問題になるため関係性が切れてしまうので、関係の組み直しが必要になってくる。エステレージャと学校どちらの子どもにも必要なことは、規則の緩い関係性でやっていける場を作ることだというアドバイスがありました。

 今回の研究会を通して、日本人と外国人の子どもの人との関係の作り方の違いを知ることができ、子どもたちが新たな関係性を結ぶことにストレスを感じなくてすむように学校や地域の支援の場所が、「規則の緩い関係性でいられる」場所になれるような居場所づくりをしていくことが大切だということを感じました。また、外国人の子どもたちの居場所となる場所がいろいろな所にあることが理想だとも感じました。