実践から探る「主体」を育てる可能性
報告者: 内藤 順子氏(大野原小寺子屋コーディネーター)
木内 正典氏(つきみ野中学校)
日 時:2016年1月18日(月)
受付:19:00、 開始:19:15、 終了:21:00
場 所 : IKOZA 308号室 (高座渋谷駅徒歩 1分)
参加者:26名
内藤先生に、学級会、クラスでの実践、児童会活動について教えていただきました。自分の意見をもつことや、話し合いの大切さ、弱者のために本気で考え行動することの大切さ等、実践をもとにお話ししていただきました。また、当時の教え子である原さん、武内さんにもお話ししていただきました。原さんは一年生の時の教え子であるにも関わらず、内藤先生の教えを覚えており、今も生きていく上で指針のようにされているということでした。小さい時であろうと信念を持った教えは生き続けるのだと実感しました。
木内先生にはルールに縛り付けられている中学生への実践をお話ししていただきました。1時間を皆で企画するという実践から子ども達の変化と成長が見られ、自分たちの意見を尊重してもらえるという経験が子ども達自身の存在を認めることにつながるということが印象的でした。
話し合いでは、中学校での学級会への取り組みの難しさからくる、意見をもたせることの難しさについて話題になりました。また、主体的な力を育てるということは教師自身が主体的に考え、行動できているのか、日々、自分の意見をもつことができているのかをまず見つめ直し、改めることがスタートだという話が出されました。
<参加者感想>
今日の先輩方の実践をお聞きして、大変勉強になりました。子どもの可能性を信じて、子どもの力を引き出せる教師でありたいと思いました。まずは、自分が「主体」を持って身近なところで挑戦してみたいと思います。(小学校教諭)
自分自身が発送や企画力をもって職場でやっているかとふと思いました。「やらねば」では何も生み出されない、「やりたい」「こんなこと伝えたい」「わかち合いたい」そんなエネルギーをもって、この仕事に取組みたいと思いました。原さんのお話は一つ一つの言葉心にささる重さをもっていて、今日お話聞けてよかったです。(小学校教諭)
自分が待っているだけじゃ学校は変わらない、教師として子どもたちを育てるには、発言できる場、話し合える仲間、みんなで責任をとれること、できない人のために考えることなど、まだまだやるべきことはたくさんあると感じました。(中学校教諭)
原さんのお話しにでてきた内藤先生の実践が一年生の時のものと聞き、こんなにも痛烈に記憶に残り、原さん自身の人生の道標になっていることに驚き、感動しました。方法論ではなく、そこに教師の信念や強い意味がある時に子どもたちの年齢には関係なく響き、育てるのだと思いました。教育の素晴らしさを知りました。最後に責任のお話しがありました。民主主義とうたっている一方で、責任を個になすりつける風潮もあります。皆で決めること、そこには全員で責任を負うことが付随するということをきちんと理解し、主体的な力を育てていくことが大切だと思いました。(小学校教諭)
内藤先生は弱者も含めて社会の一員たらしめるために民主主義が必要であるし、そのための学級運営を考えてきたことがわかります。対して木内先生の中学生の実践では、すでに「自分は社会の一員である、となりの子もそうである」ということをルールにしばられて考えられなくなった子どもたちに対して行われていることなのかと思いました。木内先生の実践の先に「民主主義」はあるのかどうか聞いてみたいとおもいました。(Ed.ベンチャー)