9月 文献講読会報告

文献講読「裸足の原始人 —横浜・寿町の子どもたちー」著:野本三吉(新宿書房)

日 時:2016年9月5日(月)19:15~21:00

場 所:冨士見文化会館 202号室 (大和駅徒歩 1分)

参加者:7名

9月の理論学習会では、野本三吉さんの「裸足の原始人たち —横浜・寿町の子どもたち」という本から文献講読による学習会をおこないました。横浜のドヤ街、寿町にすむ子どもたちの野生のたくましさと可能性を秘めた様が描かれたノンフィクション作品である今回の文献には、著者である野本三吉さんが寿町でともに生活し、出会ってきた子どもたちやその家族の生活している状況が克明に刻まれていました。

文献講読の発表が終わった後の話し合いからは、野本三吉さんの子どもたちとの接し方・関わり方として、「子どもたちにどう切り込んでいくのか」ということを考えていきました。私たちは、いま目の前にいるその子の置かれている家庭状況、その子の家族が置かれている社会状況・・どこまでを理解して接していたのかと、考えさせられました。 また、どんなにもがいても苦しい状況から抜け出せないでいる子どもたちやその家族が置かれている背景としての社会構造についても、もっと理解することが必要であるという話もなされました。

 

〈参加者の感想〉

時代背景の違いはありますが、子どもを見守る視点、支え方、アプローチの仕方の参考にとてもなりました。聞く耳を持つ、心を開いて話してくれるのを待つ大切さも感じました。(中学校教諭)

 

本を読んで、その子の生活を知らなければ本当の願いや思いを受け止めることはできないという言葉に衝撃を受けました。子どもたちと過ごす中で、そこまで深く知り、関わることができているかと問われたら、まだまだ不十分だし、もっと寄り添える部分があると思いました。(小学校教諭)

 

関わるというキーワードが出てきましたが、心情だけでなく、その背景や社会とのつながりの上でその子の居る場所を見つめなければいけないと思いました。現場の大変さもありつつ、せっかく子どもたちと日々過ごしているので、そこでの可能性を見出したいです。(小学校教諭)

 

本を読んでいなくてすみませんでした。子どものことをどれだけ切り込む?と聞かれたとき、自分たちが見ている子たちをどれだけ見えているのか、全然足りてないんじゃないか、と見つめ直す機会となりました。ありがとうございました。(中学校教諭)

 

「1人の子どもについてどれだけ語れるのか」とても重たい言葉でした。関わっているつもりで、実際に語れと言われると、私自身がどれだけ深くまで切り込んで見ているのか、考えさせられました。野本さんの関わり方、切り込み方、もう一度その視点から読んでみたいと思いました。(中学校教諭)

 

野本さんの子どもたちとの関わり方、距離のとり方、子どもたちを見つめる視点など考えさせられ、自分自身の子どもたちとの関わり方を考え直すとてもよいきっかけになりました。(中学校教諭)

 

野本三吉さんの子どもと接する時の切り込みの深さに学ぶことが多くありました。このように子どもを語れるようになりたいと思いました。(大学教授)