【報告】12/4学習会

日時:2021年12月4日(土) 13:30~15:30(Zoomによる)
参加者:5名

内容:「教室における『権力』をつかむ」
講師:清水睦美氏(日本大学教授)

 今回は『権力』をテーマにした学習会を行いました。前半ではそ、「もそも権力とはどのようなものなのか」という、その基本的な構造について理解を深めました。
 権力とは従属との循環によって成り立つこと。そして、従属する服従者は従属していることで利益を得ることもあり、権力の維持は権力者の一方的な“力”によって成り立つものではないことを学ぶことができました。
 また、権力と従属の関係性は、学校における教師と生徒の関係と一致しており、改めて教師が権力を持っているという自覚を持つこと。教師(学校)と生徒の関係性に入ることのできない生徒がいるということへの理解が大切であると感じました。
 後半は、教育的かかわりにおける『権力』について、教育的なかかわりを4つに分類し、権威的・権力的かかわり方が有効な場面や学校段階において子どもとかかわり方について考えることができました。
 「どののかかわり方がもっともよい」という優劣の問題ではなく、状況・相手との関係性を見極めながら、子どもとの最適な接し方を探すことが重要であると感じました。今回の学習会でも、一元的な価値基準のみで測らないという、インクルーシブな視点を深めることができました。

【学習会の感想より】
・今日の勉強会を受けて、権力の仕組みや子どもたちがこれから出ていく社会においての権力構造について理解することができました。
 それと同時に教育に携わる者として4つの権力を知り子供と関わる上で、場面場面で子供とどう関わっていくかを改めて考えることの大切や、その難しさも同時に感じることができました。
 また、本日お話しいただく予定だった「いじめ」に関するお話は、大変気になる内容のためまた勉強会に参加させていただきたく思います。

・前半の「学校には見えないルールが存在し、そのルールに沿って学校というゲームに参加できるかが決まる」という話は興味深かったです。学校も一つのゲームとみなすと、確かにルールを知らなければゲームに参加できないし、参加できなければゲームから離れていくしかないのだと理解できました。今、学校のルールが複雑になってきていて、それを理解することが難しい子どもが増えているということが不登校の増加ということになっているのだと理解できました。
 後半については、自分はいったいどんなかかわりをしてきたのか、そのかかわりは正しかったのか間違っていたのかと教師としてのこれまでの自分の関わり方を振り返りながら清水先生のお話を聞いていました。
 一人の教師が常に同じ一つの関わり方をするのではなく、様々なかかわり方をすることがあってよいということで、安心できました。場面や状況、相手に応じてどのかかわり方をするのか、正しいかかわり方ができることが必要だと思いました。中でも、認知葛藤的なかかわりは、意識していないとできないかかわり方で、難しいものだと感じます。今は、学校外部者として子供に関わる立場なので、受容的呼応的かかわりをすることが多くなりましたが、認知的葛藤的かかわりを意識していかないといけないと感じました。
 これまで、あまり耳にしたことのないお話を聞けて、とても貴重な時間でした。これからも、様々なお話を聞く機会を作ってください。今日は、ありがとうございました。
(MH)