インクルーシブな社会を目指すための学習会では、7月と9月に学習会を開催し、
合計でのべ17名の方々にご参加いただきました。
今回は、「インクルーシブな授業の提案」ということで、7月に中学校、9月に小学校での実践報告をしていただきました。
以下、その報告です。
①7月学習会
日時:① 2022年7月 6日(水) 19:00~21:00(Zoomによる)
内容:「インクルーシブな授業の提案 -中学校-」
提案者:①座間市立中学校 森尾 宙教諭
中学校の実践報告では、数学の「正負の数」「1次関数」「二次方程式」といった単元についての報告が行われました。
発表後の意見交換では、教科の特性によって、多様性を認めるインクルーシブな授業を展開しやすい教科とそうでないものがあるのではないかという指摘。そして、学齢が上がり社会性が身につくにしたがって、子どもたちの分化は進み、学齢の高い学校こそ子どもたちは多様化しているという指摘がなされました。
インクルーシブな授業・学校を目指すのであれば、教科外でのインクルーシブな取り組みが大切であると実感のもてる学習会となりました。
生徒自身の自発的な「学びたい」という気持ちを尊重した題材の提示や授業づくり。教師主導の短期的・限定的な評価のための試験ではなく、子ども自身が“ゴール”を決められるような仕組みを考えるなど、一つの教科にこだわらない発想が必要であると感じた学習会になりました。
②9月学習会
日時:2022年9月25日(日) 13:00~15:00(Zoomによる)
内容:「インクルーシブな授業の提案 -小学校-」
提案者:大和市立小学校 馬場貴司 教諭
小学校の実践報告は、2年生の「スイミー」を題材にした教科横断的な授業報告になりました。
国語での音読や調べ学習での生き物調べ、図工では掲示物の作成をしていくなど、様々な教科でスイミーを深めながら、生き生きと学習する生徒の姿が見えました。
支援級・国際級の児童も同じ教室で学ぶことのできるクラスの雰囲気は、日々の日常でつくられることも学ぶことができました。月1回の個別面談で一人ひとりの児童を理解し、学習の習熟度という序列を無視した意図的なグルーピング、自分の好きな勉強をする自学時間の設定など、「スイミー」に取り組むまでの日常のクラスからも学べることが多くありました。
また、綿密なカリキュラムマネジメントや授業の様子を見せあうことで生まれる職員間での連携の重要性にも注目が集まりました。相手を認め合う職員の関係性が、子ども同士の多様性を認める姿とも重なり、学年職員団のインクルーシブなつながりが子どもたちにいい影響をもたらすと感じることができました。