10月から11月にかけて行われた学習会の報告です。
1.「インクルーシブな社会を目指す授業提案」(延べ参加者:15名)
日時:①2023年10月12日(木) 19:30~22:00(Zoomによる)
②2023年10月23日(金) 20:00~22:00(Zoomによる)
③2023年11月3日(金) 20:00~21:30(Zoomによる)
授業提案者:森尾 宙(座間市中学校教諭)
2.「インクルーシブな社会を目指す授業実践報告」(参加者:5名)
日時:2023年11月30日(木) 19:30~21:00(Zoomによる)
授業の題材:様々な家族のかたち
授業発表者:森尾 宙(座間市中学校教諭)
【報告】
今回の一連の学習会では、インクルーシブの視点での授業実践を目指し、授業検討・実践報告を行った。日々教室で生活する生徒の困り感から、テーマを”家族”に絞り、様々な家族のかたちを題材として提示し、家族関係について子どもと考える授業を行った。
インクルーシブの視点として、様々な家族のかたちに触れることで、自分自身の捉え方が絶対的なものではないと気づくこと。そして、多様性を認めるためには、既存の当たり前とされている枠組みを作り直すことが必要であるという気づきが生徒に残ることを目指した。
生徒の振り返りからは、「血縁によらない家族関係があることを知った」「家族の関係・役割を考えるきっかけになった」といった、新たな気づきについてのコメントがみられた。しかし、「やっぱり、血のつながりがあるから家族と言える」といった既存の価値観から脱することができない生徒もみられた。
今回の授業で提示した“三人親”“拡張家族”といった“家族のかたち”は世界的には認められつつある中にあって、日本社会で生きる生徒にとっては、まだ身近なものではないという状況があり、生徒自身が家族について語る工夫や、日本の一般的な家族観が歴史的にどのように作り出されてきたのかなど、多角的な視点で“家族”を捉えるように、授業者自身の学びが重要であると感じた。
また、検討した授業の実践者が1名であったため、実践による授業者同士の連携・広がりを創ることができなかったことは、非常に残念であった。同じ場で生活する生徒に対して、様々な角度から変化や成長を見取ること。共通の課題意識をもって、生徒と向き合う教職員集団を創っていくことができていないという、課題が見える学習会にもなった。