「べてるの家」スタディーツアー、見学報告会 報告
担当:森尾 宙
日時:①8月21日(月)・22日(火) ・・・「べてるの家」見学
②8月29日(火) ・・・「べてるの家」見学報告会
参加者:①5名
②10名(うち報告者5名)
①8月21日(月)・22日(火)
「べてるの家」見学
8月21日(月)、北海道の浦河町にある社会福祉法人「べてるの家」の見学を行った。
9時から利用者のスタッフミーティング(体調の確認や部署ごとの仕事の報告など)に参加し、10時より「べてるの家」のオリエンテーションを受けた。
その後、本スタディーツアーの目玉である「当事者研究」を見学した。当事者研究の雰囲気はとても暖かく、誰もが自由に悩みを打ち明けられる雰囲気がつくられていた。メンバーのひとりが課題・失敗を打ち明け、同じ経験を持つメンバーがアドバイスをし、次同じ状況になったときの対応策についてアドバイスを出し合っていた。悩みを冗談のような笑い話として語り合う様子に驚かされた。
昼食を「べてるの家」が運営をしているカフェ「ぶらぶら」でとり、浦河町の周辺施設を見学した。30年前、べてるの家の前身となった教会やグループホーム、レクリエーションで使われる施設や病院を巡りました。施設の外に出ても安心して生活できる環境が整っている様子が見られた。
8月22日(火)は「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」のミーティングを見学した。このSSTも、今現在メンバーが直面している課題を取り上げており、今回の議題は汚してしまった布団のことで世話人に対して癇癪を起してしまったメンバーの課題を取り上げていた。
スタッフが司会をしてどのような状況だったのかを確認。「同じような経験はないか」と問いかけながら、同じような状況になったとき、どのように自分の言葉で伝えるか意見を出し合った。その後、数人で役割分担をし同じ状況の再現と、癇癪を起してしまったことへの謝罪の練習を行った。
同ような悩みを持ったメンバー同士がもつ言葉の説得力を強く感じた。自分の弱さ・苦悩を開示し、仲間とともに共感しあうことで課題と向き合おうとするべてるの家のメンバーの絆と理念を感じることができた。
②8月29日(火) 「べてるの家」見学報告会
8月29日(火)、大和市文化創造拠点シリウスにて見学の報告会を行った。「べてるの家」の周辺施設と設立までの経緯と理念、今回見学したミーティングの様子、そして「べてるの家」で生活をしているメンバーへのインタビューについて報告をした。
見学後1週間という短い準備期間であったため発表の拙さも見られたが、その分見学で受けた印象・学んだことをダイレクトに報告できたように感じる。報告会参加者からも、「べてるの家」への興味が挙がっており、「べてるの家」の魅力や力を再確認できた。
総括
今回の「べてるの家」の見学は、参加者にとって大きな財産となった。書籍で知る知識とは違い、肌で感じた「べてるの家」の雰囲気がそのまま、設立から続く理念であり、今後の特別支援教育の在り方を示す重要なカギであったように思う。
「自分が支援している団体で・・」「職場で・・」「生徒たちの前で・・」と、具体的な実生活の中で今回の経験をどのように活かせばよいか、と多くのことを考えさせられる契機となった。
反省点は、短時間の日程で見学を行ったため、メンバーへの取材や、そこで働くスタッフの声を聞き取ることがほとんどできなかった。また、見学者が感じた「べてるの家に流れる優しくあたたかな雰囲気」を伝えることがとても難しく、歯がゆい気持ちを感じていたメンバーもいたようである。
また、準備の段階で、報告会の日程周知が不十分だったことが反省点として挙げられる。実りのある学習を多くの仲間と共有するためにも、準備に時間をかけなくてはいけないと反省をしている。
「べてるの家の見学に行きたい。」といった、見学報告会参加者からの声も聴かれた。今回の反省をいかし、来年度の計画を練っていきたい。