10月学習会の報告

形式 報告・座談会「『今』の学校、どうなっているの?」

報告 大和市内小・中学校教員

日時 2021年10月6日(水)19時~21時

Zoomによるオンライン同時開催

参加者 11名

 

コロナ禍での学校教育が1年以上経過した中で、今回の座談会は、子どもたちや教員の現状はどうなのか、学校は子どもたちに何を指し示しているのかを整理し、現場で働く先生たちの悩みや困っていることを声に出す場となった。

報告者の先生から、自校の様子や子どもたちの様子が報告された。パーテーションの有効性が示されない中で、食事以外でもあらゆる場面で使用することが強いられていること、宣言によってコロコロと変わる行事の計画づくり、chromebookのルーターに制限があり実態に沿えないこと、休み時間が制限され遊び足りない子どもたちの様子から、学校で子どもたちは、休まる時間がないのでは、と心配する声があった。そんな中でも、子どもが休み時間を終えて「全然遊べなかった。」とこぼす子どもに「じゃあ、授業の前にちょっとだけ座ってできる遊びをみんなでしよっか。」と遊んだという報告者の先生。子どもたちはきっと、遊ぶ時間をくれたことも嬉しかったと思うが、消化しきれない気持ちを先生が受け止めてくれたことも嬉しかったのではないかと想像された。

夏休み中の感染拡大を受け、夏休み前に想定していたほとんどのこと(学校生活、行事)がひっくり返ってしまった。感染拡大は、大人の世界の都合で起きた事なのに、学校の子どもの世界の様々なことが規制されていった。大人の世界の規制は、法律のもと慎重に行われるが、学校内の規制は際限なく科学的根拠なく、各学校長の判断のもとという名のもとに行われ、疲弊しきっている先生たちの姿もあった。今回の座談会を通して、子どもの声を聴くということが、教育活動の中で大事なことであること、また、子どもたちが誰かと何かを協力したり協働したりする機会を作れるのが学校ではないかということが再確認された。小さなことでも、出来ることからはじめようと先生たち自身が口にできたことがよかった。また、同じ市内でも学校によって対応や対策がバラバラで、教育的意義を前提とした対策なのか、バッシング対応としての対策なのか、学校によって色濃く違いが出ており、そのことも先生たちを疲弊させていた。そして、ある学校では、感染不安で学校を休んでも親が学習を保証できている一方、保護者が生活のために働きに出ているためそれが難しく、それ以上に暴力やネグレクトなど命に係わる問題が差し迫っている学校もあり、家庭環境の差がさらに開いていることが分かった。現場で働く人たちは、子どもの声を一番近くで聴ける存在でもある。様々な困難の中にあるが、自分の働く地域の実情や子どもの姿を受け止め、教育に関わるものとして学校づくりに主体的に参加することにも大きな意義があるのではないかということも話し合われた。

≪参加者の感想≫

今日は、たくさんの学校現場の声を聞くことができて、勉強になりました。この2学期、自分も久しぶりに学校に行き、見ているなかで、先生方の迷いや諦めを見ることもありました。でも、先生方の前向きな姿も感じました。子どもが学校を諦めないように、先生もがんばらなきゃいけないなと思いました。ありがとうございました。

 

私は、子どもたちは、このような中でもたくましく生きていくと思っています。それを支え、価値を、特に、これまでには見過ごしてきた価値を見出させるのが、教員の仕事なのではないかと考えています。そのためにも、私たち教員が、思考を限定せず、制限を設けず、できる限り子どもの声を聞いて、一緒にこの難局に立ち向かっていくことができたらよいと思います。それは、学校を運営する教員も同じで、それぞれの考えを、理解するチャンスにできたらよいと思っています。ありがとうございました。

 

グループの中で出たお話で、夏休みの延期について、子どもたちは「夏休みが長くなったということは、状況が悪くなったということでしょ?」という子どもの発言があったと聞きました。このような状況だけど、だからこそ、子どもたちはいろいろな状況を読み取り、考えているんだなと思いました。いろいろな今の学校の状況を知ることができて、本当に勉強になりました。同じ市内なのに学校によって取り組みや対応が違うことに少々驚きました・・。教員集団の在り方がとても影響していることを感じました。その中でも、先生の子どもに寄り添う姿がとても印象的で、少し心が温かくなりました。

 

先生のお話の中にあった「子どもはみんなで何かをするのが好き。」という言葉が心に残りました。自分は一人の教員として大人として、子どもの思いに寄り添えているのかなと振り返る機会をいただきました。せっかく学校に来てるんだし、せっかくこのクラスになったんだし、という子どもに対する気持ちを日々の教育活動の中で具体化していきたいです。

 

今日参加されたみなさんの意見を聞くことで、コロナ禍だからこそ考えられるあたらしい発見があることを再認識しました。子どもたちと一緒に新しいものを生み出せることに感謝して務めていきたいと思います。マイナスをいかにプラスにできるか。そんなことを職場の先生方と共有したり、発信していきます。

 

先生方のお話を聞いて、苦労されながらも努力されている様子がうかがえました。「コロナだから何もできない」ではなく「コロナだけど何ができるか」という気持ちが大事だと思います。子どもたちも保護者も様々な形でコロナの影響を受けていますが、それは先生たちにも言えることです。大変なときや困ったときは、お互い話し合うことも忘れてはならないと思います。