第7回授業研究会報告
日時:12月13日(月)20:00~22:00
場所:オンライン(Zoomによる)
提案者:馬場 貴司 氏(大和市立小学校教諭4年担任)
レポート:「授業づくりの深め方『良い授業をデザインするための5つのツボ』に基づいた実践研究」
教材:国語科「ごんぎつね」
参加者:19名
【内容】
物語を楽しんでほしい、感じ方の違いや自分の主張を根拠をもって話し合ってほしいという願いを持って取り組んだ授業実践報告だった。参加者から、子どもたち一人ひとりが楽しんでいたのがとても良くわかるという感想が多かった。
国語の授業になかなか入っていけない児童の言葉を見逃さず取り上げていく姿勢が感じられた。そのうちの一人である外国籍の児童が積極的に自分の考えを伝えている様子に、その子をかって知っていた参加者からは、喜びの声が寄せられた。
石井先生からは、「力のこもった提案で先生自身が楽しんだことがいい。教師自身が’学ぶことの楽しさを感じたことは、職場環境も変えていく力になるだろう。」という感想が述べられた。
【研究協議】
研究協議では、石井先生からの以下のようなアドバイスを頂いた。
1.目的・目標から評価へ
子どもたちは、楽しんだし、国語の授業が好きになったことは、わかるが、「子どもたちは何が楽しかったのか」をもう少し分析する必要があるだろう。
「子どもたちは、何を学んだのか、子どもたちに何が残ったのか、言語経験は、どうだったのか」という子どもたちへの読み取りが大事。どのような経験をして何を楽しんでいたのか、そこから単元目標は、どうだったのか、この授業の国語の本質にどう迫っていたのか、教科する授業の構築が大事。主題はどこにあったのか、「ごんぎつね」をちゃんと読めたのかという評価の問題も見えてくる。
2.末広がりの授業展開について
「ごんぎつね」の帯を書こうというアイデアもある。
学校外の経験にどう生きていくのかという言語生活を見据えた言語学習を考える。
参加者からは、提案者も抱いていた「ファシリテートの難しさ」が出された。
それについても石井先生から助言が得られた。頭の中に補助線を引いておくこと、すなわち、「こんなことが話題になるであろう」と考えておくことが大事。また、子どもたちの発言を整理しながら聞くためには、「核になる言葉」を逃さないことなどである。
【感想】
最後に参加者からの感想をいくつか紹介する。
・教材と子どもたちの実態を見て読み方をルーティン化していないところが良かった。
・子どもが言葉を獲得するのは、自分の中で自分の言葉をさがす、友達との会話で言語を通じ合わせる。教材のテーマ性を獲得する中で成長するが、きっかけになったのが、本当に自分の周りにいる子どもたちだったことだ。
・このような授業研を大和市の若者たちの間で続け広げてほしい。
・授業者の成長が感じられてとても嬉しかった。
・大学でゼミなどで学生と向き合っているが、自分の核を持ちつつ、学生の核の端緒を捉え自分の核を変えないとゼミが成り立たないということがしばしばある。「核の作り方」の重要性を感じた。
以上、全7回の授業研究会が終わった。
石井先生や清水先生のお力をお借りし充実した学習会ができたこと、多くの若い先生が、地域を超えて交流できたことは、とても良かった。