- 内容 文献講読会「学力と人間らしさをはぐくむ‐新指導要領をのりこえる‐」 梅原利夫著(和光大学教授)
- 日時 5月11日 19:15~
- 参加者 19名(レポーター6名含む)
11日の文献講読会では、6名のレポーターによる本の要約、感想や意見発表ののちに参加者による活発な意見交換が行われました。現役の教師からは普段の授業を考える時の本音として、教科者に疑問を持ったことがないことや指導要領を見るのは研究授業のときだけだという話が出たことから、そのような現状になる要因としての現場の忙しさを踏まえたうえで、どのように教師が様々な教育の現状に疑問を持ったり、考えを深めたりしていくのか、そのような考え方を養うにはどうしたらよいのかという疑問が話されました。また、人間らしさのための教育と、現実の社会で生き抜いていくための教育には大きな差があるのではないか、厳しい社会を生き抜いていくためには経済と学校を切り離してはいけないのではないかという話がありました。教育者はどのような立場に立ちどこを目指していくのか、理想と現実のはざまで何を大切にしていくのか、私たちが担う役割とは何なのか、子どもたちを取り巻く様々な背景を土台に考えていきたいと思います。
★参加者の感想★
大学の教職課程の授業では「指導要領」を見ながら学ぶ場面があり、採用試験でも「指導要領」についての出題があります。当たり前のように指導要領を信じるような雰囲気の中にいる自分にとって、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。(大学生)
「生きる力」とは何か。永遠の問いだと思いました。私はばいみーの子どもたちを見ていて。子どもたちには「生き抜く力」が常に問われている思いました。学校でも、地域でも居場所を見つけるのが大変で、学習も問われ、サバイバルをしながら競争をしなければならないとみて取れます。そんな子どもたちに私たちは何が行えるのか問うていかないといけないと思いました。(すたんどばいみースタッフ)
指導要領について深く考えることが普段なかったので様々な角度からの意見を聞くことができた良い機会になりました。指導要領のことを考えると、現場の教師は甘く見られているなという印象を受けます。概要だけでなく現場は動けないから国が決めないと子どもの教育ができないと言われている気がして、そこにつけこまれて、政治的な内容を入れられている気がします。だからこそ、現場の教師が何を考え、どんな教育をすべきなのか、議論すべきだと思いました。でもその議論すべき教師もまた「ゆとり教育」を受け、社会に疑問を持たずに育った”子どもたち”です。何が根本なのかわかりませんが、自分がおかれている立場を明確にして考えていきたいと思いました。今日はその良いきっかけになりました。ありがとうございました。(小学校教諭)
これだけ若い人たちが集まって、このようなテーマを扱うということのすごさに驚いています。敬意を表します。私たちが若いころやろうとしてもとうとうできなかったことです。益々の広がりと充実、深化を期待しています。(退職教諭)