5月の理論学習会の報告−「理論学習会序説??−学校と社会−」

 5月の理論学習会は、日本女子大学の清水睦美先生を講師としてお迎えし、「学校と社会」というテーマで講義をしていただきました。第一回目は1990年代以前の教育状況・社会状況を、第二回目は1990年代以降をお話いただきました。
 学校化社会の成立を機に、進学が「勉強したいから」ではなく、「当たり前だから」に変化したことや、世の中が高度経済成長による価値観の広がりを見せたことで、学校の意義が揺らぐ事態を作り上げた。また、消費社会・情報化社会が誕生し、格差が出やすい世の中になった。では現在の学校はどこまで公正化できるのか・・・という課題を持ちながら参加者は講義を聴かれていたように思います。今の学校に、この世の中に対してできることなどあるのか・・・あまりにきつい社会情勢を前にうなだれていましたが、社会は変われる!と我々が思えるかどうかによって子どもに対してのメッセージは生まれてくるということ、そして現在の社会を覆っている「新自由主義」をはぎとる作業が学習なの だとうことを清水先生が言われた時、私を始め、特に若い先生方はパッと目の前が広がったのではないでしょうか。学習することによって教師の位置や価値観を考え直していく作業の足がかりとして、今後も理論学習会をとらえていきたいと思います。
 今回、初めての試みで4月、5月に「理論学習会序説」を開催しました。今につながる膨大な歴史を学ぶために集中して学習会を行えたのはとても良かったと思いました。ただ、歴史を学び、今の何とつながっているか分かった後、現状をどう考えていくかまでは投げかけることができなかったと感じました。学習会の司会をどのようにやっていくかが今後の課題だと思います。