7月報告 「教材研究」

7月 理論学習会報告

実践報告「題材から授業をつくる」

報告者 馬場有希先生(小学校教諭)

 

7月の理論学習会は「題材から授業をつくる」というテーマで学習会を行いました。教科書だけでなく、現代の社会問題に焦点をあてた授業をつくる実践報告を、小学校教諭の馬場先生にお話していただきました。

馬場先生の授業は、社会問題に対する疑問や課題について、子どもたちが自分なりの考えを出し、感想の読み合いから友だちの考えを知り、さらにまた自分で考える・・という実践でした。「自分なりにこの問題に出会ってくれたらいいな」と授業づくりをすすめていった話をしてくださいました。

先生の「授業の中に出会いがある」という言葉に、教員として子どもたちにどのような授業をするか、子どもたちに何を考えさせるか、を考えさせられました。

授業で何を学ばせるのか、教員が何を題材として選択するかで、子どもの授業の中の「出会い」が変わること、可能性が広がっていくことを感じました。これからの授業づくりで何を題材に、どうつくっていくのか、を改めて考えることのできた学習会となりました。

参加者:4名

≪参加者の感想≫一部抜粋

 

毎日追われながら授業を考えていると、子どもたちに何を伝えたいのか、学んでほしいのか、知ってほしいのかといった、とても大切なことが授業から抜け落ちてしまうような気がします。馬場先生の取り組みは、世の中で起こっていることから生まれる疑問や課題から子どもたちへ考えてほしいことを中心に授業が作られていて、常に世の中の動きにアンテナを張っているのだと思います。また、教室内にいる子どもたち一人ひとりを大切にし、ある時には一人の子のことを考えて授業を作るというお話もありました。とても大切な視点だと思いました。改めて、授業の可能性と奥深さを感じました。

 

「題材から授業を作る」ということで、馬場先生の授業実践を伺いました。今回教えていただいたような授業を作る際には、教師の強い「伝えたい思い」と伝えるための「確かな知識」が必要だと感じました。さらには、目の前にいる児童生徒に「このことを伝えるべきだ」と感じるアンテナを社会の課題から感じ取る感覚も大切になります。その感覚を養うためにも、今回の学習会はとても良い刺激になりました。

 

今回のお話を聞いて、授業で何を伝え、考えさせるのかは、教員次第であるなと改めて思いました。同じ題材でも子どもたちの発達段階に合わせ、考えさせることは変わってくるし、話し合いや感じる事のレベルに違いはあると思います。でも、教師が何を問題として考え、題材を選択していくかは、子どもたちに「今」や「これから」を考えさせるうえで、とても大事な部分だと思います。教師として、その視点は常に磨いていきたいと思いました。

 

教師自身が問題意識を持っていることによって、授業の質が変わると実感しました。馬場さんの授業に対する熱意が伝わり、頼もしく思いました。これからも課題からの授業づくりを実践し、報告してほしいです。