10月, 2019
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9月学習会 報告 9月の学習会は文献講読を行い、性の多様性について参加者同士で考える学習会を行いました。講読したのは、「性別に違和感がある子どもたち」~トランスジェンダー・SOGI・性の多様性~(合同出版)です。日本の性の多様性への理解の遅れは世界と比べると遅れていると言われています。学校の中では、当事者の人たちが生きづらい環境をつくっていたり、こうでなければいけないという型にはめ込もうとする教師の指導が見られたりすることがあるように感じます。そのような学校の中で正しい知識をもった教師が子どもたちや教員同士に対して情報発信できると、自分の性に違和感を持っている人たちの力になることができると考えました。 参加者からは、「少しでも声をあげて誰もが生きやすい社会になればと思います。」「自分が発信者となり、伝えていけるように考えていきます。」「もっともっと教室や職員室の中で多様性を広げていくよう努力していきたいと思いました。」などの感想があげられました。 私たち教員が正しい知識を身につけて、「知った・理解した気になっている」段階から少しでも脱却しなければいけないと考えた学習会でした。
2019年10月09日 理論学習会 9月報告「性の多様性」
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7月 理論学習会報告 実践報告「題材から授業をつくる」 報告者 馬場有希先生(小学校教諭) 7月の理論学習会は「題材から授業をつくる」というテーマで学習会を行いました。教科書だけでなく、現代の社会問題に焦点をあてた授業をつくる実践報告を、小学校教諭の馬場先生にお話していただきました。 馬場先生の授業は、社会問題に対する疑問や課題について、子どもたちが自分なりの考えを出し、感想の読み合いから友だちの考えを知り、さらにまた自分で考える・・という実践でした。「自分なりにこの問題に出会ってくれたらいいな」と授業づくりをすすめていった話をしてくださいました。 先生の「授業の中に出会いがある」という言葉に、教員として子どもたちにどのような授業をするか、子どもたちに何を考えさせるか、を考えさせられました。 授業で何を学ばせるのか、教員が何を題材として選択するかで、子どもの授業の中の「出会い」が変わること、可能性が広がっていくことを感じました。これからの授業づくりで何を題材に、どうつくっていくのか、を改めて考えることのできた学習会となりました。 参加者:4名 ≪参加者の感想≫一部抜粋 毎日追われながら授業を考えていると、子どもたちに何を伝えたいのか、学んでほしいのか、知ってほしいのかといった、とても大切なことが授業から抜け落ちてしまうような気がします。馬場先生の取り組みは、世の中で起こっていることから生まれる疑問や課題から子どもたちへ考えてほしいことを中心に授業が作られていて、常に世の中の動きにアンテナを張っているのだと思います。また、教室内にいる子どもたち一人ひとりを大切にし、ある時には一人の子のことを考えて授業を作るというお話もありました。とても大切な視点だと思いました。改めて、授業の可能性と奥深さを感じました。 「題材から授業を作る」ということで、馬場先生の授業実践を伺いました。今回教えていただいたような授業を作る際には、教師の強い「伝えたい思い」と伝えるための「確かな知識」が必要だと感じました。さらには、目の前にいる児童生徒に「このことを伝えるべきだ」と感じるアンテナを社会の課題から感じ取る感覚も大切になります。その感覚を養うためにも、今回の学習会はとても良い刺激になりました。 今回のお話を聞いて、授業で何を伝え、考えさせるのかは、教員次第であるなと改めて思いました。同じ題材でも子どもたちの発達段階に合わせ、考えさせることは変わってくるし、話し合いや感じる事のレベルに違いはあると思います。でも、教師が何を問題として考え、題材を選択していくかは、子どもたちに「今」や「これから」を考えさせるうえで、とても大事な部分だと思います。教師として、その視点は常に磨いていきたいと思いました。 教師自身が問題意識を持っていることによって、授業の質が変わると実感しました。馬場さんの授業に対する熱意が伝わり、頼もしく思いました。これからも課題からの授業づくりを実践し、報告してほしいです。
2019年10月08日 理論学習会 7月報告 「教材研究」
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5月理論学習会報告 実践報告「クラスづくりと国語の授業」 報告者 山崎正先生(小学校教諭)、飯田里沙先生(中学校教諭) 5月の学習会では、小学校・中学校の先生に「学級経営」と「国語の授業」について、「子どもたちの関わり合い」をテーマに、一人の児童とクラスの子どもたちの関わり合いと、国語の授業の中での学び合う子どもたちの関わり合いについて実践報告していただきました。 山崎先生(小学校)の実践は、大切にしてきたこととして、失敗もやらせる、自然と話し合いの中で試行錯誤する、(話し合い活動をさせるために)できるだけ教師が我慢すること、と話をしていただきました。そのために、子どもたちをどう関わらせるかという工夫が多くあり、子どもたちにたくさんの力を引き出させていました。「子どもによいと思ったことはやる」という山崎先生のこだわりが見えたお話でした。 飯田先生(中学校:国語)は3年間を見通した指導の在り方を考え、特に意識したこととして、明確な課題設定と評価規準の提示、ワークシートの工夫、ふせんの活用について話をしていただきました。教師からの言葉かけももちろんですが、子どもたち同士の関わり合いができるよう、たくさんの仕掛けづくりが授業の中に盛り込まれ、学び合いにつながっていました。「自分の教科に誇りを持つ」という飯田先生の「国語」へのこだわりがとても伝わってくるお話でした。 お二人の先生に共通することは子どものことを一番に考えていること、子どもたちの持つ力の可能性を信じていることといった、子どもたちに対する「こだわり」でした。また、子どもたちにこうなってほしいという想いの強さを感じました。 子どもたちの関わり合いからたくさんの学びがある。ことを教えていただいたようにおもいます。二人の先生の取り組みからは、多くの大切にしてきたことの共通点は、教員にとって、とても大事な視点であると改めて考えさせられる学習会となりました。 参加者:14名 ≪参加者の感想(一部)≫ 一部抜粋 ・山崎先生、飯田先生お二人の子どもを大切にする姿勢からくる授業実践を聞き、すばらしい取り組みをされていると感じました。弱い立場の子どもに目を向け、授業や学級経営をすることが、最終的には全ての子ども達にとって、居心地のよい、互いを認め合う事の出来る集団作りにつながっていっているのだと思います。こういった視点での学級経営や授業づくりを、もっと広く伝えていくことが、大和の教育を高めていくことになるのだと思います。 ・中学校、小学校のちがいはあれ、授業に対する姿勢や子ども達との関わりについては、同じと感じられました。子ども達から何を、どう引き出せるか、それを子ども達が自ら関わりをもって進め、活動できるかは、一致していたと思いました。 ・「学び合い」という共通点で勉強になるものばかりでした。授業をする上で試してみたいこと、実践したいことが多くありましたので、授業案に取り入れて模擬授業をしてみようと思います。 ・子どもの学力を伸ばすために、どのような課題設定をしていくのか、何を大切にしていくのかを考えて、授業を構成したり、学級を作っていくことが大切だと分かりました。私は、教師が嫌いで、学校が嫌いでしたが、今日のお二人の先生の話を聞いて、このような工夫があれば私も学校が好きになれたのかもしれないと思いました。子どもの事を第一に考え、子どもが楽しめる学校をつくれる教師になりたいと改めて思いました。 ・お二人のこだわり、教育への信念のようなものを感じ、胸が熱くなりました。子どものことを具体的に丁寧に語れるのは、子どもを知ろうとする姿勢、寄り添う瞬間の多さがあるからこそだと思いました。自分を振り返って、忙しい忙しいと言いながら、私は目の前にいる子どもの事をどれだけ語れるだろうかと思いました。お二人は、弱い立場にある子どもの存在丸ごと包み込んで、教師としてどうしたらよいだろうかと悩み考えながら、学級経営や授業づくりに取り組んでおられました。今回のお話を聞いて、教師も一人の人間として試行錯誤してよいということ、子どもに寄り添う姿勢が次の一歩をつくる、ということを学びました。「こどもにとっていいと思う事はやろう。」この言葉を胸にやっていきたいです。
2019年10月08日 理論学習会 5月報告 実践報告
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4月学習会報告 4月の学習会は日本女子大学の清水睦美先生を招いての学習会を行いました。「学級づくりの基本―教室での教師と子どもの関係―」と題して、学級集団の中で子どもたちの関係をどのように捉え、教師として関わるかについてお話しいただきました。 学級の子どもたちを集団として捉えたときに、その集団には特徴があること、その内部には力関係があることや、いじめは深刻になればなるほど教師から見えにくくなることを教師が理解しなくてはならないと思いました。 参加者からは、「子どもが集団の中でどのような特徴があるのかというのを今まで考えたことがなかったが、外キャラ・内キャラの話を聞いて私自身に当てはまる部分もあったし、実際見ている子どもたちにも当てはまり、そういう見方ができるのかと思いました。」「今日の講演を聞いて、客観的にクラスを見とることで、かたよらないクラスづくりをしていきたいと思いました。」「今年度初めて担任を持つことになり、自分のクラスの生徒とどう関わるか迷っている場面がありました。『自分が何者なのか』を生徒に伝えるということをしていきたいと思いました。」などの感想がありました。 色々な個性をもつ子どもたちをみんなが受け止められるように、目の前の子どもたちを集団として捉えられるように、教師として集団を見る目を養わなければならないと感じる学習会でした。 1年間子どもたちが安心して学級で過ごすことができるように子どもたちの関係や様子を見とり、適切に応対していかなくてはならないと強く感じた学習会でした。
2019年10月07日 理論学習会 4月報告「学級づくり」