【11月19日 スタディツアー 報告】
11月19日(土)に新事業であるスタディーツアーを開催しました。訪問地は群馬県上野村です。朝大和を出発するときは、雨に見舞われ心配しましたが、上野村につくと雨も上がり、無事に見学をスタートできました。
最初の目的地、山村留学施設「かじかの里学園」では、園長先生からお話を聞きました。保育園から中学校まで一緒という関係性が固定されてしまう可能性もある村の子どもたちのなかに、学園の子どもたちが介入していくことによる活性化と、それを進めていく中での子どもたち同士や、地域と学園などの関係性の課題などがうかがえました。「場面場面の子どもたちの様子を切り取ってでは、子どもたちを見取ることはできない」という園長先生の言葉には、毎日顔を向き合う環境の中ならではの重みがありました。
外に目を向けると、学園の裏山で自分の身長ほどの深さの穴を掘り、楽しむ子供たちの元気な様子が見られました。
園長先生のお話は、ペレットストーブを囲んで行われました。ペレットとは、木工品づくりで発生した木くずから作られた固形燃料です。村の中にはこのペレットを燃料としてバイオマス発電も行われており、エネルギーが地産地消されています。また、木工品職人のIターンUターン者受け入れによる雇用の創出など、村の豊富な森林を生かした林業を中心とした自給自足の生活へと推移しているとのことでした。
2つ目の訪問地は、「慰霊の園」です。ここは、1985年に上野村で発生した日航ジャンボ機墜落事故の慰霊施設です。遺留品や当時の記録などから、事故当時の様子や上野村がどのように事故に対応したのかを知ることができました。また、犠牲者の名前が記された慰霊塔をはじめ整然と保たれた施設の様子から、その後も上野村が事故と向き合ってきたことがうかがえました。
3つ目の訪問地村内観光施設「まほーばの森」では、吊り橋の高さに驚きながらも、上野村の雄大な自然を感じました。
これまで、Ed.ベンチャーの各事業で、新自由主義や格差社会への批判的なまなざしを学んできました。今回の上野村の訪問で、外的資源の導入や地産地消による循環型社会への取り組みなど、「地元の資源を活用し、大きな利益を追求することはせずに、持続できる社会を目指す」という新たな社会の形を知ることができました。
【10月28日 事前学習会 報告】
渋谷学習センターにてスタディツアー事前学習会を行いました。
ツアー訪問地である群馬県上野村の村長を40年間務めた黒澤丈夫氏について書かれた、「誇りについて 上野村長黒澤丈夫の遺訓から」(藤井浩:上毛新聞社)の文献報告をしました。福祉・産業・教育などに関する取り組みなどの黒澤氏の村づくりの考え方から、上野村の取り組みの根底にある助け合い、守りあいの精神を紹介しました。また担当から事前見学の報告を行い、実際に訪れる上野村について、知ってもらいました。
報告の後、参加者による意見交換を行いました。「上野村の教育の目的・どこで活躍する人材を育てるようとしているのか」「様々な取り組みが可能な経済的基盤となっているものはなにか」「黒澤村長の村づくりの理念の継続」などの意見が出ました。
上野村を知るとともに、ツアー当日に向けて課題の整理がされました。