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開催日 5月21日(土)14:30〜16:00 6月18日(土)14:30〜16:00内容 5月 講演会「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて 教員・学校が考えること」 講師 上原 樹 氏(スクールソーシャルワーカー) 6月 虐待に関する事例研究会 スタディツアーでは昨年度虐待に関する事例研究を行いました。実際のケースから、対応などについて学びました。参加した先生方から、実際に虐待が疑われる場面に直面したとき、虐待なのか判断に迷うという声が上がりました。そこで、今年度第1回目の学習会では、スクールソーシャルワーカーの上原樹さんを講師に迎え、学習会を行いました。虐待対応ハンドブックを読み込みながら、虐待かどうかの判断基準、通告などの対応の進め方などについて学びました。意見交換の場では、担任中心の対応となり、負担が集中してしまわないよう学校内の体制づくりが課題という意見が上がりました。また、家庭の中では、母親が学校や関係機関との窓口となっているケースが多く、子どもだけでなく、母親を支えることが重要であると上原さんからお話がありました。 5月の学習会を受け、6月には事例研究会を行いました。同居する祖父から身体的虐待を受けた子どもの事例でした。すでに関係機関も関わり、対応にあたっていましたが、協議の中で、その子自身が抱える、周りの子たちとの関わり方の課題、関係機関との対応やその子への対応をほぼ一人で担っている母親、その母親と義父である祖父との関係など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースでした。担任の先生は、丁寧に子どもに寄り添い続けてくれていますが、家庭全体への支援が引き続き必要であるという結論に至りました。
2022年07月11日 スタディツアー 5・6月学習会の報告
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今回は、2021年度第3回、第4回報告と2022年度のお知らせです。 第3回 10月30日(土) 母親から手の甲にタバコの火をつけられるという身体的虐待を受け、通告の結果、児童相談所で一時保護となった中学生の事例でした。母親には精神疾患があり、その母親の代わりに、この生徒は幼い弟、妹の世話をみていました。 このケースのように、母親の状況、ヤングケアラー、家庭の経済状況など、虐待の事実の背景には、様々な要因が複雑に絡んでいることがあります。それぞれの問題の解消に向けて、多くの機関の連携が必要です。そのためにも、学校は子どものサインを見逃さないこと、そして学校は機関に繋ぐだけでなく、その後の関わりが大切であることなどの意見が出ました。 第4回 12月18日(土) 最後となる第4回では、親の再婚に伴う環境の変化により、本人の心理的不安などから児童相談所の一時保護に至った事例でした。生徒は、母親の再婚相手、2人の間に生まれた幼い妹らとの関係の中で、家庭の中での自分の居場所が見つからずにいました。それが母親への憎しみの思いを抱き、家に帰りたくないと担任に告白したことから事実がわかった事例でした。家庭への連絡をせずに児相通告となったため、その後の母親への説明に苦労したと報告がありました。 のケースでは、当事者である家庭と通告をした学校が、通告後どのように関わっていけばいいのか、その難しさがわかりました。また親の再婚について、子どもたちがどのように受け止めているのか、子どもたちにしっかりとした説明がされていないことが多いという意見もありました。 2022年度について 2022年度も現場施設への訪問は実施せず、年4回のオンライン学習会を開催します。 「支援が必要な子ども・保護者への対応」 というテーマに範囲を広げます。2021度の学習会を踏まえ、虐待に関する知識や対処についての講演会、様々な障がいや課題を抱える子ども・保護者の実状を理解する講演会をそれぞれ開催します。その上で、事例研究会を開催します。 第1回は、 5月21日(土) 講演会 「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて教員・学校が考えること」 講 師 上原 樹さん(スクールソーシャルワーカー) 詳細は近日お知らせいたします。
2022年04月14日 スタディツアー 第3・4回報告と2022年度について
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8月28日(土)に第2回学習会を行いました。 今回は、第1回に参加された先生から、そのときの協議の場でお話をされた虐待が疑われる生徒について、その後の対応の様子が報告されました。兄とけんかをしてできたと言って、あざを教員に見せてきて、家庭内暴力が疑われるケースでした。本人からの聞き取り、母親との面談などから、今回は虐待ではないと判断されたものの、小学生の頃には、母親からの虐待が疑われ関係機関も関与した家庭で、決して安心できない状況であり、今後の関わりについて検討が行われました。本人が抱える課題、家庭の経済状況など様々な視点から、夏休み明けの生徒の見守りについて、意見が出されました。 後半では、「虐待の疑い」と言ったときに、その判断の基準は何であるのかについて議論となりました。子どもたちの生活の基盤である家庭、虐待はそこで起きており、解消された後には、いずれそこに戻っていくことが考えられます。子どもと親の関係にどのように踏み込んでいけばいいのか、現場の先生たちは悩んでいることがわかりました。 参加者の感想 本日は貴重な機会をありがとうござました。今回の事例を聞き、私も「虐待の疑い」という言葉に正直ずっと引っかかっていました。どこからが「虐待の疑い」なのかが自分でもわからず、もしその立場に立った時にどのように判断するか迷っていました。しかし、私たちが虐待を判断するのではなく児相が判断するということを聞き、少しでも疑うような状況があれば迷わず学年主任の先生や管理職の先生にまず報告しようと思いました。また、虐待だけに止まらず学校の様々な場面の中で、学校意外の関係諸機関につなげるという場面も多いかと思います。SCさんや教育相談コーディネーターの先生などに子どもの状況を報告しておしまいということではなく、担任として一緒に解決していくという視点も非常に重要だなと改めて感じました。教師になってからもこの学びを忘れず行動していきたいと思いました。 改めて、子どもたちの状況を知ることのできる場所として学校があることを感じました。虐待を受けている子どもたちはその状況を、何らかのサインで先生に知らせているということを考えると、学校にいる教員がどれだけそのサインを見落とさずにキャッチできるかにかかっているなとつくづく思いました。命の危機につながることも十分考えられます。教員の多忙化が問題視される中で、子どもたち一人ひとりへの支援を充実させるには学校内の支援体制を強化することが重要だなと改めて感じました。事例のような子どもがサインを出せる学校の雰囲気、「受け止めてくれる」「聞いてくれる」教員であることがとても大切であると思いました。
2021年10月09日 スタディツアー 第2回学習会の報告
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開催日時 6月19日(土)14:30~16:00 今年度のスタディツアーは現地への訪問はせず、虐待に関わる事例研究会をオンラインで開催します。第1回目の今回は、性的虐待のケースについて、子どもからの聞き取りから児童相談所への通告・一時保護までの経過、その後の学校の関わり方などについて、報告がされました。 報告後の協議の場では、虐待を発見したときに学校は通告だけでなくできることはあるかや、虐待につながってしまう家庭が抱える課題やその手立てなどについて、意見交換が行われました。後半では、参加者から、自身が現在直面する虐待が疑われる子どもについて話が上がり、その子や家庭への対処の仕方について、検討が行われました。 虐待のケースについて、実際に対応した経験がない先生にとっては、事例を通して意見交換を行うことで、考えを深める場となりました。児童相談所など関係機関都の連携や、通告についてなど基礎的な知識についてよく知らない先生も多く、それを学べる機会も、今後の学習会では設けることができれば良いと思いました。 次回は8月28日(土)15:00から行います。 (参加者 6名)
2021年08月02日 スタディツアー 6月オンライン学習会報告
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スタディツアー報告 8月9日に、今年度のスタディツアーを開催しました。今年度は、平塚市にある県立子ども自立生活支援センター「きらり」を訪問しました。まずは、センター職員の方から「きらり」について説明を受けました。きらりは、2017年4月に、乳児院「みらい」、福祉型障害児入所施設「ひばり」、児童心理治療施設「ぎんが」の3つが一体となった複合施設として開所されました。その背景には、児童虐待相談件数の増加とその後の子どもへの心のケアの必要性、知的障がいや発達障がいなどを有する子どもたちとその家族への専門的ケアの必要性、児童福祉施設に入所する情緒・行動上に著しい問題がある子どもたちへの専門的な支援の必要性が高まるなど、既存の児童福祉施設の枠組みでは対応が困難な状況がありました。それに対し、3施設が一体的に運営し、切れ目のない支援を行うこと目的がありました。また、それぞれの施設内の様子、子どもたちの生活の様子などについても、お話しいただきました。 各施設の利用状況は「みらい」はほぼ定員いっぱいまで埋まっています。「ひばり」と「ぎんが」は年齢層が上がるので、子ども同士の組み合わせの難しさがあり、利用希望のある子ども・家庭はたくさんいるのですが、定員いっぱいまで受け入れをできない状況もあるそうです。 続いて、併設する金目小・中学校五領ヶ台分校の教頭先生から、学校の説明と校内を案内していただきました。五領ヶ台分校は「ぎんが」に入所する子ども達が登校する学校です。「きらり」にあわせて開校されたので、教室の配置・設定など、一から学校を作る難しさがあったそうです。 分校では、子どもたちの特性を配慮し、学習上または生活上の困難・改善・克服するための自立活動、学び治しが必要な子どもに対する学力の獲得、読み書き障がいの子の読み書きの力の獲得など、教育課程に特徴が見られます。一方で、施設内ではありますが屋外を歩いて登校したり、修学旅行を実施するなど様々な学校行事を開催し、学校のかたちを作り出そうとする先生方の工夫が見られました。 「きらり」の支援を受けるべき子どもや家族というのは、潜在しているであろうことは、日頃接する子どもたちの様子を見れば明白です。しかし、なかなかその支援へと結びつけられていないのが、現状です。「きらり」の存在を私たちが認識し、周知していくことが必要です。もう一つの課題としては、子どもは家族の中で育つべきという考えが、私たちの根底にあるからではないかということです。そういった中で、声を上げることができない家族がいるのではないでしょうか。時には、家族と離れることが、子どもにとっても、家族にとっても、救われることがあると思います。社会全体で子どもたちを育てていくんだという方向へ、私たちが考え方を転換していかなければいけないのではと思いました。
2019年10月13日 スタディツアー 「きらり」訪問の報告
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事前学習会報告 7月29日に、今年度のスタディツアーに向けての事前学習会を行いました。県央地区の小中学校で勤務されている、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)の伊藤洋子さんを講師に迎え、「学校と関係機関のつながり」というテーマで学習会を行いました。前半は、SSWとはどういった仕事をされているのか、そして、SSWが学校と家庭、関係機関の間で、どのような役割を果たしているかについて、後半は、関係機関である児童養護施設など、様々な社会的養護の施設について、一つ一つ丁寧にその違いなどについてご説明いただきました。そして、8月に訪問する県立子ども自立生活支援センター「きらり」についても紹介していただきました。きらりは前述の社会的養護の施設が集まった複合型施設であること、実際に「きらり」と連携して対応した事例などをお話しいただきました。 「きらり」への訪問を前に、施設についての理解を深められました。また、スクールソーシャルワーカーの方や関係機関など、普段耳にしつつも、その詳細を知らなかったことについても、知ることができました。複雑な課題を抱えた子どもたちを適切に支援するためにも、支援する側の人間が、様々な機関の役割や違いをしっかりと認識しておくことが大事であると感じました。
2019年10月13日 スタディツアー 事前学習会の報告
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スタディツアー事前学習会 講 演 「外部機関と学校の連携を考える」 日 時 7月29日(月) 19:00~21:00 場 所 大和市文化創造拠点シリウス6F 603中会議室 講 師 伊藤 洋子 氏 県央教育事務所スクールソーシャルワーカー 参加費 500円 スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ、出向いて学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある県立子ども自立生活支援センター「きらり」を訪問します。「きらり」は2017年4月に開設された、「乳児院」「福祉型障害児入所施設」「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設です。福祉や医療の視点からの専門的な支援の実情を学びます。 訪問を前に、県央地区の小中学校で、学校と「きらり」などの外部機関をつなぎ、家庭を支えるお仕事をされているスクールソーシャルワーカーの伊藤洋子さんを講師に迎えて、事前学習会を行います。学校と各種機関との連携について、事例を交えながらお話をしていただきます。 お誘いあわせの上、皆さまぜひご参加ください。 申込方法 電話またはEメールで(1)お名前(2)ご所属(3)電話番号をお知らせください。 ※個人情報については、目的以外には使用いたしません。 申込・お問い合わせ先 電 話 090-3535-1795 メール iketaka79@yahoo.co.jp 担当 池田 喬 チラシもご覧ください。2019スタディツアー事前学習会 スタディツアーのご案内はこちら2019スタディツアー
2019年07月14日 スタディツアー 7/29開催 事前学習会
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2019スタディツアー 子ども自立生活支援センター「きらり」訪問 日 時 8月9日(金) 10:00~12:00 場 所 県立子ども自立生活支援センター「きらり」(神奈川県平塚市) 集 合 9:15 JR東海道線 平塚駅 (施設まで神奈中バス20分) スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ出向いて、学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある子ども自立支援センター「きらり」を訪問します。「きらり」は、2017年4月に、「乳児院」、「福祉型障害児入所施設」、「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設として開設されました。乳児院では、乳幼児の生活支援・一時保護、入所児童の家族支援をしています。福祉型障害児入所施設は知的障害児の生活支援、在宅知的障害児の短期入所支援・一時保護をしています。児童心理治療施設では、情緒障害児や発達障害児への専門的な心理治療および生活支援、施設内教育(平塚市立金目小中学校五領ヶ台分校)との連携による教育補助、地域生活に向けた関係機関との調整を行っています。「きらり」に入所する子どもたちは、家族と離れ、心理・医療等の専門的ケアを受けています。 様々な課題を抱えた子どもたち、困難さを背景に持つ家庭環境。各先生や各学校だけで、子どもたちや家庭を支えるのが難しいケースが増えています。「きらり」への訪問を通して、福祉や医療の立場からの専門的な支援の実情を学ぶとともに、私たちが日頃関わる様々な状況を抱えた子どもたちとその家庭に対して、本当に適切な支援の在り方を考える機会としたいと思います。 申込方法 電話またはEメールで(1)お名前(2)ご所属(3)電話番号をお知らせください。 ※個人情報については、目的以外には使用いたしません。 申 込 先 電 話 090-3535-1795 メール iketaka79@yahoo.co.jp 担当 池田 喬 ※ご不明な点もこちらに、お問い合わせください。 チラシもご覧ください。2019スタディツアー 7月29日に事前学習会を開催します。2019スタディツアー事前学習会
2019年07月13日 スタディツアー 8/9 「きらり」訪問
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スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ、出向いて学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある子ども自立支援センター「きらり」を訪問します。「みずきの家」も「きらり」も社会的養護の施設です。社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。 「きらり」は、2017年4月に、「乳児院」、「福祉型障害児入所施設」、「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設として開設されました。乳児院では、乳幼児の生活支援・一時保護、入所児童の家族支援をしています。福祉型障害児入所施設は知的障害児の生活支援、在宅知的障害児の短期入所支援・一時保護をしています。児童心理治療施設では、情緒障害児や発達障害児への専門的な心理治療および生活支援、施設内教育(平塚市立金目小中学校五領ヶ台分校)との連携による教育補助、地域生活に向けた関係機関との調整を行っています。「きらり」に入所する子どもたちは、家族と離れ、心理・医療等の専門的ケアを受けています。 様々な課題を抱えた子どもたち、困難さを背景に持つ家庭環境。各先生や各学校だけで、子どもたちや家庭を支えるのが難しいケースが増えています。「きらり」への訪問を通して、福祉や医療の立場からの専門的な支援の実情を学ぶとともに、私たちが日頃関わる様々な状況を抱えた子どもたちとその家庭に対して、本当に適切な支援の在り方を考える機会としたいと思います。 2019年度スタディツアー 訪問先:県立子ども自立生活支援センター「きらり」(神奈川県平塚市) 訪問日:2019年8月9日 (担当:池田喬)
2019年06月07日 スタディツアー 2019年度スタディツアーについて
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11月24日に、今年度のスタディツアーを実施しました。今年度は、南足柄市にある自立援助ホーム「みずきの家」への訪問です。自立援助ホームとは、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた中学校卒業から成人前までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活をしながら、学習を行ったり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように、準備を行う施設であり、「みずきの家」は女子対象のホームです。 10月に開催した事前学習会では、「みずきの家」を運営する「子どもセンターてんぽ」が、同じく運営する子どもシェルターと比較しながら、説明をしていただきました。利用者の多くは、保護者からの虐待を受けており、保護者からの避難や就職の手続きのため、住民票の扱いなど、行政に関わる対応も求められるとのことでした。子どもを助けていくためには、支援だけでなく、法的な対応・知識も必要であるとお話を聞いて実感しました。 ツアー当日は、まず中山ホーム長から具体的な事例に基づいたお話をしていただきました。利用者のこれまで受けた経験が、生活や就労に影響していること、また、退所後も結婚、出産、育児など女性ゆえの困難さを抱え、その拠り所がホーム以外になかなか存在しない状況を知りました。その後、施設内を見学。雄大な足柄の山々が目の前に広がるリビングや共用施設、プライベートが守られた各自の部屋、いずれもきれいに保たれた環境で、それぞれが自立に向かい努力をしながら、ときに支え合いながら生活する利用者の様子が想像できました。 このような施設は、神奈川県内に男女別に1か所しかなく、その定員は各6名となっています。(政令指定都市は除く。)ホームを利用すべき子どもたちはもっと多く存在するはずで、決してこの設置状況は、充分なものではないはずです。しかし、子どもたちの潜在するニーズを拾いきれていないことが、少ない設置数やホームの財政面にも影響を与えてしまっています。私たちそれぞれが、子どもたちと直接接する場で、家族という枠に囚われ、もがき苦しんでいる子どもたちの存在に気づくこと、そしてその子にとって、本当に適切な支援につなげることが大事であると感じました。 決して充分とは言えない財政状況の中でも、「みずきの家」は採れ立ての野菜を届けてくれる農家の方など地域の方々に支えられ、運営されています。自らの状況を変化させようとしている子、それを支える存在に社会の目がより向いて、そこに支援の手がより注がれようになる、そんな方向に社会を変えていかなくてはならないと実感した今年度のスタディツアーでした。 参加者:5名
2019年02月13日 スタディツアー スタディツアー開催報告