今回は、2021年度第3回、第4回報告と2022年度のお知らせです。
第3回 10月30日(土)
母親から手の甲にタバコの火をつけられるという身体的虐待を受け、通告の結果、児童相談所で一時保護となった中学生の事例でした。母親には精神疾患があり、その母親の代わりに、この生徒は幼い弟、妹の世話をみていました。
このケースのように、母親の状況、ヤングケアラー、家庭の経済状況など、虐待の事実の背景には、様々な要因が複雑に絡んでいることがあります。それぞれの問題の解消に向けて、多くの機関の連携が必要です。そのためにも、学校は子どものサインを見逃さないこと、そして学校は機関に繋ぐだけでなく、その後の関わりが大切であることなどの意見が出ました。
第4回 12月18日(土)
最後となる第4回では、親の再婚に伴う環境の変化により、本人の心理的不安などから児童相談所の一時保護に至った事例でした。生徒は、母親の再婚相手、2人の間に生まれた幼い妹らとの関係の中で、家庭の中での自分の居場所が見つからずにいました。それが母親への憎しみの思いを抱き、家に帰りたくないと担任に告白したことから事実がわかった事例でした。家庭への連絡をせずに児相通告となったため、その後の母親への説明に苦労したと報告がありました。
のケースでは、当事者である家庭と通告をした学校が、通告後どのように関わっていけばいいのか、その難しさがわかりました。また親の再婚について、子どもたちがどのように受け止めているのか、子どもたちにしっかりとした説明がされていないことが多いという意見もありました。
2022年度について
2022年度も現場施設への訪問は実施せず、年4回のオンライン学習会を開催します。
「支援が必要な子ども・保護者への対応」
というテーマに範囲を広げます。2021度の学習会を踏まえ、虐待に関する知識や対処についての講演会、様々な障がいや課題を抱える子ども・保護者の実状を理解する講演会をそれぞれ開催します。その上で、事例研究会を開催します。
第1回は、
5月21日(土)
講演会 「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて教員・学校が考えること」
講 師 上原 樹さん(スクールソーシャルワーカー)
詳細は近日お知らせいたします。