8月28日(土)に第2回学習会を行いました。
今回は、第1回に参加された先生から、そのときの協議の場でお話をされた虐待が疑われる生徒について、その後の対応の様子が報告されました。兄とけんかをしてできたと言って、あざを教員に見せてきて、家庭内暴力が疑われるケースでした。本人からの聞き取り、母親との面談などから、今回は虐待ではないと判断されたものの、小学生の頃には、母親からの虐待が疑われ関係機関も関与した家庭で、決して安心できない状況であり、今後の関わりについて検討が行われました。本人が抱える課題、家庭の経済状況など様々な視点から、夏休み明けの生徒の見守りについて、意見が出されました。 後半では、「虐待の疑い」と言ったときに、その判断の基準は何であるのかについて議論となりました。子どもたちの生活の基盤である家庭、虐待はそこで起きており、解消された後には、いずれそこに戻っていくことが考えられます。子どもと親の関係にどのように踏み込んでいけばいいのか、現場の先生たちは悩んでいることがわかりました。
参加者の感想
本日は貴重な機会をありがとうござました。今回の事例を聞き、私も「虐待の疑い」という言葉に正直ずっと引っかかっていました。どこからが「虐待の疑い」なのかが自分でもわからず、もしその立場に立った時にどのように判断するか迷っていました。しかし、私たちが虐待を判断するのではなく児相が判断するということを聞き、少しでも疑うような状況があれば迷わず学年主任の先生や管理職の先生にまず報告しようと思いました。また、虐待だけに止まらず学校の様々な場面の中で、学校意外の関係諸機関につなげるという場面も多いかと思います。SCさんや教育相談コーディネーターの先生などに子どもの状況を報告しておしまいということではなく、担任として一緒に解決していくという視点も非常に重要だなと改めて感じました。教師になってからもこの学びを忘れず行動していきたいと思いました。
改めて、子どもたちの状況を知ることのできる場所として学校があることを感じました。虐待を受けている子どもたちはその状況を、何らかのサインで先生に知らせているということを考えると、学校にいる教員がどれだけそのサインを見落とさずにキャッチできるかにかかっているなとつくづく思いました。命の危機につながることも十分考えられます。教員の多忙化が問題視される中で、子どもたち一人ひとりへの支援を充実させるには学校内の支援体制を強化することが重要だなと改めて感じました。事例のような子どもがサインを出せる学校の雰囲気、「受け止めてくれる」「聞いてくれる」教員であることがとても大切であると思いました。