スタディツアーでは、教育課題や社会状況に関する現場を実際に訪れ、学習をします。
昨年度のスタディツアーでは、近年広まりを見せる子ども食堂を訪問しました。地域ぐるみでの子どもやその家族を支える取り組みや、子どもたちの居場所づくりという、食事の提供にとどまらない子ども食堂の意義を、ツアーを通じて学ぶことができました。一方で、このような子ども食堂が広まる背景には、遅くまで働かなければならなくなっているなど、親たちの働き方に関する問題、その要因となっている社会・経済状況の問題があることを、再認識しました。近い将来、今支援を受けている子どもたちが大人になり、今度は労働者として、その社会に飲み込まれていくことになります。子どもたちが就労するときに、どんな支援をすればいいのでしょうか。また、そのときまでに、子どもたちにどんなことを伝えていけばいいのでしょうか。
そこで、今年度は、若者の就労の実態を学ぶために、自立援助ホームを訪問します。自立援助ホームとは、児童養護施設や乳児院などと同じく社会的養護施設の一つです。社会的養護施設とは、保護者がいない子どもや、保護者に監護させることが適当でない子どもを、公的責任で社会的に養育し、保護する施設のことです。その中でも自立援助ホームでは、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた義務教育終了から20歳未満までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活を行いながら、高等教育への進学を目指したり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように準備を行っています。神奈川県内には、現在9つの自立支援ホームが設置されていて、今回はその一つの、「みずきの家」を訪問します。「みずきの家」は、南足柄市に位置し、女子定員6名で開設されています。
秋の訪問に向けて、今後、社会的養護施設の紹介、自立援助ホームの現状、文献紹介などを行っていきます。今後もご覧いただき、ツアーにぜひご参加ください。