理事推薦:『ブラック企業』

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今野晴貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文芸春秋 2012年)

 「正社員になれ。」今まで多くが若者に語ったことだろう。でも、今まさにそんな就職しようとする若者たちを待ち受けているのがブラック企業だ。この本は、大量採用・大量解雇(自己都合退職)の実態を、下記の主な4パターンとして示している。
①月収を誇張する裏ワザ・・・
「固定残業代」「定額残業代」という手法。残業代を「基本給」に含めることで月給を水増しし、誇張する。
②「正社員」という偽装・・・
契約を交わすときになって、突然非正規社員での契約書を渡される。「試用期間」を用いたごまかしが多い。
③入社後も続くシューカツ・・・
「入社後の選別競争」。大量採用、短期退職。酷いところは、1年間で同期が8割~9割辞めていく。
④戦略的パワハラ・・・
選別の結果、「会社に選んでもらえなかった」とき、会社は「自ら辞めた」という形をとろうとする。
その手段として、組織的にパワハラを行い、精神的に追い詰められた労働者が自ら辞めるのを待つ。

 若者たちが正社員で居続ける必死さを逆手に取って、長時間労働を課され、残業代も払われない、戦略的パワハラによって企業にとって一番都合のよい自己都合退職に追い込まれる、過酷な労働環境で働かされ続ける。このような「若者の使い捨て」が起きる状況に対し、若者たちがどう戦うのか。「労働法」とリアルな事例に触れる中で今若者たちに身につけさせるべき術がこの本に示されている。
(2016年3月2日に行われた労働教育基本講座の資料としても紹介されました。)(A.N)