9・10月長期間の進路相談

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「長期間の進路相談」から見えてきたこと

 外国にルーツがある子どもたちにとって、高校進学は日本人が想像している以上に多くの困難を伴います。それは入学試験で高い得点を得ることが難しいだけではなく、進路を決定するに至る様々な仕組みや手続きを理解すること自体に大きな困難を伴うからです。日本人の生徒であれば、そもそも高校に進学するということがどういうことなのか、「受験」というものがどのようなもので、日頃からどのような準備が求められるのか、といったことについて様々な情報が自然と耳に入ってくるでしょうし、保護者からの働きかけもあるでしょう。しかしFriends☆Star教室に通う子どもたちにとって、そうした機会はかなり限られています。
 そこでFriends☆Star教室では、中学生を対象とした高校進路説明会を企画しました。当初は中学3年生を念頭に1回のみの開催を計画していましたが、実際には子どもの参加状況の兼ね合いから、8月末から10月下旬にかけて、説明会を3回、個別面談を2回実施することになり、およそ2か月にわたるかなり長期にわたる進路相談「月間」となりました。しかしその結果、教室に通う中学生全員に進路に関する説明と面談ができました。開催に当たってはEd.ベンチャーの会員でもある大和市の中学校の先生にご協力いただきました。

全学年が参加しての進路説明会。みんな真剣に説明に聞き入っています。


 印象的だったのはどの学年の子どもであっても、説明を聞き入るときの表情や態度はいつも以上に真剣だったということです。そのことは、かれらにとって将来への見通しに対する不安が相当な部分を占めているということの現れだろうと思います。
 今回の一連の説明会と面談には次のような意味があったのではないかと考えます。
 中学1・2年生にとっては、中学校の先にある「高校」という学校がどのような場であり、さらにその先にどのような進路があるのか、漠然とではあっても意識を向ける機会になったのではないかと思います。ある中1の女子は休憩の折に同じ中学に通う同級生が教室の近くにある塾に行く姿を見て「私はフレスタ教室で十分。高校には行きたいとは思わない」と言っていました。しかし説明会で先生の話に耳を傾ける姿勢は真剣そのもので、「高校に行きたいと思わない」という言葉とは裏腹に、進学にとても大きな関心を寄せていることが分かりました。
 中2の男子の一人も「高校なんて!」といかにも興味なさそうな言葉と態度を見せていたのですが、やはり説明はしっかりと聞いていました。そしてそれ以降の教室では自ら机に座って学習に取り組む姿勢を見せるようになったのです。また別の中2の男子は「スポーツインストラクターと美容師とどっちがいいだろう」と将来の職業についての疑問を口にしたり、進学するなら大学か専門学校かと考えてみたりするなど、自らの将来について主体的に考える姿勢が垣間見えるようになってきました。
 そして、中3生にとっては目前に迫りつつある「受験」に向けて現実的なハードルを自覚するという機会になりました。彼女たちがそれまで持っていた高校進学についての情報が非常に曖昧なものであることが分かると同時に、現在までの成績での合格可能性や、合格を獲得するために何をする必要があるのか、かなり具体的な内容にまで突っ込んだ話をすることができました。
 何よりも一連の説明会と面談を通して、教室の子どもたちの雰囲気が少し変わってきたように思われます。特に中3生は受験を強く意識して学習に取り組むようになりました。またその姿勢に影響を受けてのことなのか、小学生を含めた他の子どもたちも以前よりもしっかりと学習に取り組むようになりました。
 中3生の挑戦はまだまだこれからが本番です。かれらがしっかりと自分の将来を考えることができるようできる限り寄り添っていきたいと考えています。(TH)