2011年度教育講演会の報告-「『貧困』の現実と『教育』〜『反貧困』の活動から〜」

2011年2月20日(日)開催しました。
今年度はホームレス支援や「反貧困ネットワーク」で活躍され、内閣府参与でもある湯浅誠さんをお招きして、講演していただきました。

教育と福祉は出会えるのか?出会えるとしたら、どの時点であろうか?
おそらく出会うことはないだろう。一般的な日本人が福祉と出会うのは、定年退職したときだからである。日本で福祉というと、まず年金、そして国民健康保険等の様々な社会保障。
日本の社会は社縁と血縁とで成り立っている。即ち退職前は企業が保障する賃金と社会保険制度=社縁と家族の支援=血縁とで生活しているが、この社縁と血縁を喪失した状態が昨今注目されている「無縁」である。無縁社会の広がりは、日本社会が質的に変質してきたことを意味している。本来日本社会は三層の滑り台構造と考えられる。国の傘・企業の傘・家族の傘が三層になって傘を広げている構造である。三層の傘が広がっている間はよいが(日雇い労働者や母子家庭は既に傘の外に置かれている)、経済の低迷と自己責任の名の下に、国や企業が傘をすぼめはじめると、当然雨に濡れる人は増える。まさに「貧困」である。
日本社会は「貧困の社会」である。この現実から目をそらしてはならない。誰もが貧困であってはならないからだ。

社会の貧困は、子ども達の貧困です。制度上の問題もあるでしょうし、対応する人員の問題もあるでしょうが、私達も湯浅さんのアプローチを踏まえ今後も活動していきたいと思います。

無題