2018報告 未来への責任 

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 今年度は、設立10周年記念講演会「(この時代のわたしたちの)未来への責任-憲法論議の先に見えるもの-」として、憲法をテーマに教育講演会を行いました。

第1部では、憲法学者・学習院大学教授青井美帆先生にご講演いただきました。

 講演では、

・明治時代、教育と軍事が不可分の関係であったこと、その統制の失敗の結果の敗戦。

・明治憲法、日本国憲法を作るというときと比較して、改憲をめぐる議論のふまじめさ。

・憲法の目的は人権であり、そのための統治機構があるという、憲法の構成について。

・人権を保障する法律に対し、その最低ラインを定めている憲法

・違憲審査をする内閣法制局、その立場が揺らいでいること

・武力行為を禁止する国連憲章と自衛隊、憲法

についてなどがお話しされました。そして最後に、青井先生は、日本をどういう国にしたいかのかという骨太の議論が少なくなっていると危機感を訴え、講演は終了しました。

 第2部では、小中学校の教員から、憲法と関連して、学校や子どもたちについて日ごろ考えることを発表してもらい、それについて、青井先生から憲法学の立場からコメントをしていただきました。教員からの発表は、

①平和教育が尻すぼみになっていること、戦争について扱うことの難しさ

②主権者教育の難しさ

③育児や学校現場で弱い立場に置かれる子どもやその家族の現状

についてでした。これは、それぞれ日本国憲法の3大原則①平和主義②国民主権③基本的人権とつながります。現在の教育の課題を考える上で、憲法の理念を改めて知り、その視点から考える必要性を感じました。一方で、青井先生からは、民主主義について教えていく必要性、民主主義を機能させるためには、間接的な民主主義への参加のルートを確保すること、そのために教育では新しい世界を教えること、いかに少ない情報の中で生きているのかということを教えることが必要であるとコメントをいただきました。3大原則だけでなく、今という時代と憲法を結びつけて考えた時、何を教えなくてはいけないかを問い続けていくことが必要であるとお話がありました。

 日本社会を取り巻く現状は、混迷を極めています。青井先生が講演の中でおっしゃったように、憲法改正は最後に国民投票によって決定される以上、誰のせいにもできません。どのような社会を作り、子どもたちに残していくのかについて、私たちには責任が委ねられています。目指すべき社会の形、守っていかなければいけないものを、それぞれの立場で社会に示し、子どもたちに伝え続けていかなければいけないと、自覚した教育講演会でした。