特別支援11月報告

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on TumblrShare on Google+Email this to someone

内容:「どの子にも学校にいられる可能性がある~子どもを見捨てない~」
日時:2018年11月20日(火) 19時~21時
場所:シリウス610
講師:遠藤和加子先生・清水小百合先生

 特別支援教育最後の学習会は、実践報告ということで、市内小中学校で特別支援教育に携わる二人の先生に講師をお願いし、事例や特別支援教育を取り巻く環境についてお話いただいた。

 前半の遠藤先生には、どのように子どもと向き合い、対応されてきたのかをお話いただいた。事例を話すに当たり、生徒の特性についてお話されたのだか、とてもよく観察されていて、どのようなタイプの子なのかをイメージして話を聞くことができた。生徒理解の深さに驚かされた。支援のスタンスとして、まずは特性を理解することから始まる。その上で、活動にスムーズに乗れるように、事前にその子に合った方法で伝える時間を確保しているそうだ。しかし、理解を深め、事前に伝えても、その日の機嫌や体調、タイミングや支援の仕方によって、パニックを起こすことがある。そのような時、遠藤先生はパニックを起こすのは「支援する側の対応に原因がある」と考え、子どもの行動を観察し、分析する。同じ失敗は繰り返さないように考え、何パターンも行動をシミュレーションするそうだ。このように、綿密に準備をした上で、さらに大事なことは子どものタイミングを「待つ」こと。「待つことは最大の支援」だと遠藤先生は言う。支援する私たちに余裕がないと、これはなかなか難しいことであるが、可能な限り待つ。また、表出する言動をキャッチすることも大切で、これが次の支援に生きてくる。一つひとつの表出する言動は、まるでクイズのようだと難解さを語りながらも、どこか謎解きを楽しんでいるようだった。

 後半の清水先小百合先生には、市内の特別支援教育の変遷や特別支援級の子どもたちへの理解を深める活動や保護者、関係機関との連携についてお話しいただいた。「特殊学級」と呼ばれていた時代には、専門性をもち経験が長い教員が配置され、障害が重めの児童数人で交流もほとんどなかったそうだが、だんだんと特別支援教育を取り巻く環境や考え方も変わり、現在では「特別支援学級」と名称も変わり、軽度の発達障害の児童が多く在籍するようになった。児童数に合わせて、配置教員も多いが、経験の浅い教員が多く、担当教員の入れ替わりも激しいため、支援の積み重ねもしづらい状況にあるそうだ。そのような大きな変化とともに、清水先生は児童達と向き合い、学校内外に向けて、積極的に特別支援学級の児童達への理解を深める活動を精力的にされてきた。交流級で特別支援学級や通級する児童について話をする、交流会の企画、学校内の教職員に児童と接してもらう機会を意図的に作り、より多くの人と触れ合わせる。児童達について知り、理解してもらうことで、何かあったときに支援してもらえる関係を築けるように日常的に意識されているそうだ。また、学校内部だけでなく、保護者や幼稚園・保育園、進学する中学校や関連機関との連携も大切にされてきた。特に保護者は、子どもたちを支える主体である。行事等の前には、丁寧に内容や手立てを説明したり、相談したりする。保護者と同じ方向を見て、支援していくことが、子どもたちが安心して学校生活を送るためには必要なことで、大事にしておられるそうだ。関係機関の中でも、中学校とは、保護者が安心し、見通しをもって進学できるように、低学年から授業公開日を利用して見学や説明を聞くことを勧めている。その場だけでなく、少し先や未来を見通して、必要なことを考え、工夫する、必要とあらば橋渡しもする。子ども達の成長のための熱意を感じた。

 テーマにそって、お二人それぞれの切り口からお話しいただいた。お二方に共通していたのは、子どもたちが安心して学校生活を送るためには、子どもたちをよく観察し、成長に必要なことを考え工夫し、環境を整えることだ。しかし、子どもたちの支援をより効果的にするには、一人が頑張ることだけでなし得ることはできない。様々な人の手が必要だからこそ、関わる人々の理解と協力、連携が大事なのだが、それがなかなか難しいと話されていた。お二人の子どもたちへの熱い想いで、明日からも頑張るパワーをいただいた。
11月20日学習会感想