【報告】9/10学習会報告

9月10日学習会報告

日時:2021年9月10日(金)19:00~21:00(Zoomによる)
参加者:10名
内容:児童養護施設と子どもたち(講師:山口貴子氏(児童養護施設職員))

 今回の学習会は、児童養護施設職員の山口さんを講師に迎え、児童養護施設で生活する子どもたちをテーマに学習会を行いました。参加者の中には実際に施設に通う生徒と接している教員も多く、養護施設がより具体的なものとなる学習会となりました。

 児童養護施設入所への一般的な流れはとしては、児童相談所の判断により“一時保護”“支援を受けながら家庭で過ごす”“里親の検討”などをいくつかの巣鉄扉を踏むことになります。中には子ども自ら施設や児童相談所に助けを求めるケースもあるとのことで驚きました。
 子どもたちの中には、基本的な生活習慣が身についていない子どもや、知的障がいや発達障がいの診断(傾向がある)子たちが多いそうです。中でも“愛着の形成”に課題を抱えるケースが多く、ライフストーリーワークで自身の生い立ちについて考えるなど、子どもたちの自己肯定感の向上につながる支援を心掛けているそうです。
 学習会内の事例検討では、「障がいがある場合通常級と支援級のどちらを選択(勧める)べきなのか」「学習についていけない子どもの卒業後の進路が心配」といったことが話題に挙がりました。どちらも、退所後の子どもたちとつながることが難しいという、養護施設で暮らす子どもたちだからこその切実な悩みかもしれません。
 進路については「入学より、学校に通い続けること。卒業できるかの方が心配になる」という山口さんの発言が養護施設で暮らす子どもたちの苦しさの一つを表していると感じました。

 【学習会の感想より】
・養護施設の基本的な知識が増えました。
・保護者と接する中で、障害や発達障害についての知識は少ないと感じる。外から得た情報のから、IQを測ることにこだわったりと、子ども自身が現状を理解して自分の所属(通常級・支援級など)を選択できていないように感じる。
・施設で暮らす子どもたちが18歳というおわりを考えながらの生活であることを改めて知った。退所後、生活の基盤ががらっと変わってしまう。その後のつながりが大切だと思った。
・成人になって療育手帳を取得することは難しいという現実がある。そのせいもあってか、“先手”を打つかたちで保護者の手帳取得に向けた動きが早すぎるのかもしれない。外国人の子どもたちの支援と共通する課題が多かった。
・施設では暴れるという話であったが、学校ではよく頑張っている子が多い。暴れてしまうのは施設が安心できる場であるからだと思う。今後も学校と施設が連携して子どもに接していきたい。