7/18 講演会 報告

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内容「小・中学校、養護学校の特別支援教育の実態」

講師  大貫 俊章 先生(大和市立上和田中学校教諭)
​武部 由里 先生(大和市立文ヶ岡小学校教諭)
​泉 由紀子 先生(大和市立文ヶ岡小学校教諭)
寺﨑 健太郎 先生(厚木市立玉川中学校教諭 養護学校経験)

日時 2017年7月18日(火)19:00-21:00

場所 大和文化創造拠点シリウス610号室

参加者:12名(内、講師4名、スタッフ2名)

2005年に「発達障害者支援法」が施行され、自閉症、アスペルガー、学習障害、ADHDなどといった障がい名が世の中に広く認知されつつある。小・中学校の特別支援学級や養護学校の学校現場で今、どのような「発達障がい」をもつ子どもたちがいるのか。どのような対応がなされているのか。また、「発達障がい」を受け入れる学校環境、卒業後にどのように「社会」に送り出されるのか。それぞれの学校を経験された先生からお話頂き、パネルディスカッションを行った。
武部先生、泉先生からは、小学校の支援級の規模と、支援級の一日、交流級とのかかわりについて、寺﨑先生からは、養護学校と県立高校に配置されている養護学校の分教室での経験について、大貫先生からは、特別支援教育の現状を分離教育と統合教育の複眼的視点からまとめたものを発表していただいた。

パネルディスカッションでは、支援級を担当している先生方が多く参加していた。その中で、中学校の先生から、「貧困な子が多い、就学援助の子が必要な子が多い。家庭で養育できない分、支援級にゆだねてくることが多いなと感じた。先生たちの交代も多いし、子どもの支援を続けるためにはうまく世代を交代させなければいけない。」「担当者だけのものにしないで、現場の先生たちが連携してやる必要がある。そのところが大事だと思う。」「支援級は自分の教科で配属できない代わりに臨任の先生が支援級におかれているような気がする。専門性が足りないところがある。」など、今の学校の支援級のあり方についての問題点が挙がった。
また、支援級の担当ではない先生からは「1年生の親は結構、『うちの子は発達の問題があるのか』などと言われたり、取り出しを希望している親もある。音が苦手とかの課題が出てきたときに、支援級に出す動きが出てきた。もっと支援級の先生と話し合って議論すればよかったと思ってひっかかっている。支援級で集団として目指すところは何かを聞きたい。」
と、小学校のクラス担任として支援級の先生への投げかけがあった。
その話を聞いて、大貫先生からは「支援級の意心地が良かった。そのまま支援級の担任を希望してやりはじめた。特別支援学級の集団と、一般クラスの集団とは違う。特別支援学級の空気感が柔らかい。その空気感を大事にして、生活単元学習を重視していた。通常級にいたほうがいいと思わない。」と支援級の担任をすることになるきっかけを聞くことができた。
また、中学校の先生からは「自分の存在をできるだけ通常級の子に見られたくない子もいた。そういう点を考えると、支援級の意心地がよかったと思う。」「特別支援教育が分離教育ではない。特別支援教育がなければ、地域の学校にこれなくなる。通常級に在籍していた子が、特別支援学級の移動する子もいる。」など、改めて地域の発達障がいをもつ子どもたちが、その小中学校へ通うことができる社会を作っていく、その大切さを改めて痛感した。

参加者の感想を一部抜粋

特別支援学校、分教室、支援学級、の現状など、いろいろなことを知れてよかったです。
自分の高校にも分教室があり、寺﨑先生がおっしゃっていた通り、自分の学校も透明人間として扱ったり、差別をしたりする先生や生徒がいることに共感しました。
普通の生徒と過ごすのはよいことかもしれないが、行ったは行ったで適当に扱うのはよくないと思いました。次もぜひ参加したいです。(高校生)

小学校の一日の流れ、交流学級の関わりでは、これがあったから、中学校に来てもスムーズにできているのだと思わされる部分がたくさんありました。小学校の先生方の努力の賜物ですね。養護分教室の話はびっくりしました。また詳しく話を聞いてみたいです。
大貫先生の話にはいつも考えさせられます。学校に帰ってほかの担任と話してみようと思います。(中学校教諭、支援級担任)

話をさせていただいた私の知識不足を痛感させられました。私自身、特別支援教育=元教育=すべての子どもたちへ通づるものと思っています。なので、究極は発達保障と統合教育(共生)の二方向をどう考えていくのか。になると思います。どちらも大切、だけど混じり合えないところもある、そこを考えていくのが我々の仕事なのでしょうか、、、(中学校教諭)

差別とは何か、合理的配慮とは何か、なども今後取り上げるとよいテーマですね。このように積極的に学習しようとする皆様の集まりはとても貴重です。今後もご協力させていただきたいと思います。今日はありがとうございました。(中学校教諭)
インクルーシブ教育の理念を大切にしたくても、担当教師が目まぐるしく変わったり、劣等感を持つ子がいたりする中で、どこまで追求できるのかは定かでない。それでも地域の中で生きていくこと、かかわりを広げることが望まれるなどの観点で、当事者も周囲の人たちも受け入れられるシステムを考えていくべきなのでしょうか。いずれにしても差別、分別をなくしていくという方向性を多くの人が意識しなければ改善しにくいと思いました。(中学校教諭、支援級担任)

「個」に走る世の流れは強く感じます。どのような視点で見つめるのかという点が大事だと感じました。
・フォローしあって生きていける力をつけたい。
・通常級の中にいること、それが世の基準じゃない、それだけじゃない。
・透明人間みたいだった。
とても印象的な言葉でした。(小学校教諭)